bedore_admin Posts

投稿者: bedore_admin

東京電機大学 − 総合メディアセンターが目指すデジタル化推進 〜AI対話エンジンから話しかける体験の実現によりユーザ利用率が7倍に!〜

インタビュー

  • 総合メディアセンター 事務部長 高橋 陽子 様
  • 総合メディアセンター 課長 加藤 貴仁 様
  • 総合メディアセンター 兼 インスティテューショナルリサーチセンター 松本 賢治 様

会社概要

  • 業種    :教育、学習支援
  • 導入サービス:BEDORE Conversation for Workplace
  • 導入目的  :問い合わせ対応の自動化、ユーザの満足度向上

課題

  • 急激な問い合わせ件数の増加による担当者の工数逼迫
  • コロナ禍で受付体制が変わり、時間外の問い合わせにタイムリーに回答ができない

効果

  • 定型の単純な問い合わせが大幅削減
  • チャットボット→個別問い合わせのフローが確立
  • 1ヶ月でAIチャットボット利用率が月間 600件から4,300件 に急増
  • ユーザの潜在的なニーズやリアルな声を拾うツールとして活用

 

大学、ご担当者様の紹介

ー 貴学の概要について教えてください。

本学は1907年に東京・神田に創立された電機学校が前身です。1949年に新制大学として「東京電機大学」が設立されました。東京千住キャンパスにシステムデザイン工学部、未来科学部、工学部、工学部第二部の4つの学部、埼玉鳩山キャンパスに理工学部、また大学院に5つの研究科を設置し、約1万名の学生を擁する理工系総合大学です。

建学の精神「実学尊重」、教育・研究理念「技術は人なり」のもと「技術で社会に貢献する人材の育成」を使命として、時代の変化に柔軟に適応しながら、技術を通して人や社会の未来に貢献できる人材を育成しています。

ー みなさん、どのようなミッション、業務を担っていらっしゃいますか?

高橋様:我々が所属する総合メディアセンターは、電子計算機センター、図書館、教育工学センター、事務システム開発室の4つが融合した組織で、主にICTの基盤整備や、基幹ネットワーク等学園全体におけるあらゆるシステムの運用を担っています。ここで私は部長という立場で、本組織の統括を担当しています。

加藤様:私は、総合メディアセンターで企画・推進担当と運用担当がある中で運用側の課長を務めています。本学の東京千住キャンパス、埼玉鳩山キャンパス、そして東小金井にある中学校・高等学校のITサービス(ソフトウェアやPC教室管理)、視聴覚システムの運用を担当しています。

松本様:私も加藤と同様に、課員として同じ領域の運用を担当しています。

 

人間型のロボットからAIチャットボットへ

ー 図書館に設置していた人間型ロボットで、利用者の問い合わせ対応を実施していたコロナ前

高橋様:コロナが流行する前、もともと本学には東京千住キャンパス、埼玉鳩山キャンパス両方の図書館に人間型ロボットを設置していました。ロボットの胸のあたりにあるタッチパネルで簡単な質問に対応できるような機能があり、そちらを活用していました。非常にユニークな取り組みではあったのですが、コロナ禍に差し掛かり、図書館が開館できず利用するユーザが激減したこと、そんなご時世の中で皆が物理的に
タッチパネルを触ること等を考慮し、ロボットに代わる何かを探すようになりました。

また、図書館以外の問い合わせについては、①対面での窓口対応 ②電話 ③メール と計3つの受付チャネルがあり、対応をしていましたが、コロナ禍に入り、特にメールからの問い合わせが急激に増えました。特にオンライン授業関連の質問が一気に増加し、ある程度定型のものが多かったため、ここでも課題を感じていました。

そこで、当時本学の情報システム全般を担当いただいていた会社様に相談したところ、AIを使ったチャットボットを提案いただきました。ちょうどそのタイミングで、PKSHA Workplaceさんからご連絡もいただいていたので、話を聞いてみようとなったのが始まりでした。

 

5社で比較検討した結果、BEDORE Conversationに決定

ー AIを育成して日々回答精度を向上させていく構造

加藤様:初めてBEDORE ConversationのAIチャットボットを見た時の印象は、シンプルに「使いやすそう」でした。デモを見せてもらい、そこからどんな機能があるのか、AIの仕組みはどうなっているのかをお伺いした後、PoCの検証期間で実際に使ってみようとなりました。

BEDORE Conversationは学習機能があり、ユーザが使えば使うほど、AIが賢く成長していく仕組みを持っているので、初期状態である程度高い精度を確認できていたものの、これ以上に育っていくという点が魅力的でした。

ー メンテナンスしやすい画面構成と、更新のヒントになる機能が多数

加藤様:また、日々運用をしていく上で管理画面の構成も良かったです。分かりやすく、パッと見て利用状況が把握できるUIでもあるので、そこも決め手の一つでした。さらに、AIチャットボットを育てていく上で、具体的にどう改善したら良いかのヒントが得られる機能が充実しているので、迷うことなく更新作業ができそうと感じました。

チャットボットには、「この単語が質問されたらこのFAQを回答する」といった、前もってルールを登録しておくシナリオ型と呼ばれるものがあり、そちらの方が安価で導入できます。しかし、使われるチャットボットにするためには、様々な表記の揺らぎを理解し回答して、日々学習していくAI型が最適だと判断しました。

 

急増したシステム関連の質問にいつでも対応できる新窓口のリリース

ー 既存のナレッジを活用した、FAQデータをAIチャットボットへ搭載

加藤様:もともと本学は窓口対応で培ったFAQデータを持っており、今回の導入にあたって一から作成するという作業はなかったため、非常にスムーズでした。ただ、既存で保持していたFAQデータの中には比較的長文のものもあり、チャットボット仕様に手直しをしました。チャットボットのウィンドウのサイズ等を考慮すると、大体どのくらいの文章量(文字数)が望ましいのかアドバイスを受けて修正しましたね。最終的には、登録するFAQデータの数も増やし、250件程度で本リリースをしました。

あとは、チャットボットの自動応答で解決しない場合、問い合わせ先を直接記載するのか、問い合わせ方法が記載されたWebページに誘導するのか等、どんな動線設計にするのが良いか迷いました。

ー チューニング後、目に見えて賢く学習するAIを実感

加藤様:挙動確認の際、本学でよく使われる単語に対して正しい回答ができなかったことがありましたが、メンテナンスの一つである「チューニング作業」をしたところ、回答パターンが変わり、次から思った通りの回答を返すようになりました。この時改めて、AI学習機能の凄さとメンテナンスの重要性に気づきました。

ー 夜間の問い合わせへもタイムリーに対応できるメリット

加藤様:東京千住キャンパスの場合は、平日の6時限・7時限(18:10ー21:20)を中心に受講する工学部第二部の学生もいます。そのため、授業がある期間は22時近くまで窓口もオープンしており、職員も対応可能な状態にしています。

しかし、コロナで授業がオンライン化した当時は、メールや電話での問い合わせが多かったこともあり、窓口開設時間の短縮を行いました。メールの問い合わせ対応だと、どうしても返信が翌日以降になってしまい、タイムリーに返信するのが難しいので、24時間対応できるチャットボットは、導入当時から今日まで、特に夜の時間帯や休日に何か質問したいというユーザにとっては、とても便利なツールだと思います。

東京電機大学総合メディアセンターWebサイト

 

単純な問い合わせは大幅削減、実践したAIチャットボット利用率UPの施策

ー AIチャットボットで質問後、個別相談にくるケースも

松本様:AIチャットボットをリリース後の窓口、電話、メールで受ける問い合わせ内容を見ると、一問一答で回答できるような問い合わせは非常に少なくなりました。

ユーザがAIチャットボットを活用し、解決できない込み入った内容は直接問い合わせるという棲み分けが出来ており、適切な問合せフローが出来つつあると期待しています。

ー ユーザのリアルな状況を把握するツールとしてあらゆる面で活用

松本様:ユーザの利用ログが溜まるので、どの時期にどんな問い合わせが多いのか、ユーザがどんな質問の仕方をしてくるのかをすぐに確認できるのもありがたく、日々活用しています。

我々の認識と、ユーザが本当に聞きたいことにギャップがあることもあり、ログから新しい気づきを得られるのは大きいポイントです。この気づきをもとに、あらゆる場面でのユーザの満足度向上に繋げていければと考えています。

 

ー 施策により利用が月間600件 → 4,300件に急増

加藤様:チャットボットの利用率が低迷していた時、とある施策を実施したところ、翌月利用が7倍になりました。それが、チャットウィンドウの遅延表示です。

BEDORE Conversationの管理画面上で簡単に設定できるもので、AIチャットボットを設置しているページに15秒以上滞在すると、チャットウィンドウが自動で立ち上がるような設定をしました。

この施策のおかげで、チャットボットのユーザからの認知度が大幅に向上し、まず質問してみることで、使えるツールであることを認識してもらえたと感じています。

管理画面から見る4月の問い合わせ数急増の様子

 

大学全体、中高へと段階的な展開を目指して

ー まずは大学内での横展開と定着化を図り、ゆくゆくは中高へも広げ学園全体での問い合わせの自動化へ

高橋様:認知度向上のために、もっと周知をしていく必要性を感じています。チャットボットでカバーできる範囲が広がると、その分認知度や利用率も上がるので、今はまだ総合メディアセンターのみの利用ですが、どんどん横展開していきたいですね。現状すでにチャットボットを導入したいという声が複数部署から上がっており、これから導入を進めていくことも決定しています。この波が学内、学園全体に広がり、新しい問い合わせフローが構築されればと考えています。

また、まだ構想の段階ではありますが、LINEとも連携ができるようなので、今後LINEからAIチャットボットを利用し、希望者はそのままLINE上で担当者とやりとりができるような未来になれば嬉しいです。ほとんどの学生がLINEを利用しているので、そこに設置ができれば、より利便性も高まるかと考えています。

 

ー ペーパーレス化の推進、AIチャットボットがどう寄与していくか

加藤様:授業のオンライン化に伴いペーパーレスも進めることになり、特に学生の課題提出を電子化しようという取り組みがあります。そこで初めてLMS(学習管理システム)を触る先生方も多く、LMS関連の問い合わせも多数ありました。今後は、LMS関連のFAQを拡充し、さらに、AIチャットボットを活用して課題提出や提出状況の管理ができるようになればいいと考えています。

 

最後に一言お願いいたします

導入にあたっては、PKSHA Workplace社様のサポートをいただき週1回のPoC定例会を開催することによって、FAQデータの登録等の作業や設定も迷いなくできたと感じています。

今後は、チューニングをこまめにすることにより、もっとユーザが使いやすく管理者もユーザのニーズに寄り添うことができるようにツールを成長させるとともに、全学的な導入に向けて進めていきたいと考えています。

 

以上、ありがとうございました。

立命館アジア太平洋大学様 - 英語対応したAIチャットボットをヘルプデスクの窓口としてグローバルに採用!世界中の入学希望者・学生・職員に向けた新たなコミュニケーションインターフェースを展開!

インタビュイー

  • アドミッションズ・オフィス(国際)課長 大嶋 名生様
  • アドミッションズ・オフィス(国際)シニア・アドミッションズ・カウンセラー 政 伶和様
  • アドミッションズ・オフィス(国際)サードナ様

会社概要

  • 業種    :大学
  • 事業内容  :教育、学修支援
  • 導入サービス:BEDORE Conversation for Workplace
  • 導入目的  :問い合わせ対応の効率化、学生とのコミュニケーションの充実

課題

  • 海外から入学を検討する留学生への対応が時差などで遅くなる
  • 大学としてシステムを活用したDX推進としてデータの利活用が出来ていない
  • 優先度が高い業務や、学生に寄り添った時間確保が思うようにいかない

効果

  • 海外からの留学生からの問合せに対して、24時間365日対応が可能に
  • 固有性が小さく自動応答で対処できる問い合わせを中心に、4割の工数削減を実現
  • 自己解決率は85%を超え、空いたリソースを緊急性の高い業務や学生対応に充てることが可能に

大学、ご担当者様の紹介

ー 大学概要について教えてください。

大嶋様:日本の多くの大学は日本人学生への教育がメインで、一部で学位取得を目的としない短期・非正規留学生を受け入れているのが一般的です。いっぽうAPUは学位取得を目指す世界中の正規生をターゲットにしています。APUの構成として学生や教員の多様性を前提にしているため、世界中の志願者と24時間満遍なくコミュニケーションが発生する環境です。

ー どのようなミッション、業務を担っていらっしゃいますか?

政様:私はアドミッションオフィスの募集活動関連のシステム全般を担当しています。出願する際に利用するシステムや顧客管理ツールのデータを使って情報を発信しながら学生募集に活かすところの管理が主な役割です。

サードナ様:募集業務やデジタルマーケティングに関わるデザインされたEメールの送信やWEBサイトでの情報管理などを担当しています。また、BEDORE Conversationのログ振り分けや改善に関する業務を行なっております。

課内の通常業務がある中、問い合わせメールの増加が顕著になり、業務効率化が急務に

ー AIチャットボットを通じて満足度向上を実現

大嶋様:APUには現在94カ国・地域から学生が学んでいます(2022年5月1日現在)。世界中の多様な学生とのコミュニケーションのため、従来のメールや電話だけでなく、なにか疑問があればすぐに質問ができるチャットボットのような手段があることは、顧客満足度向上につながると考えました。また、私たちにとってさまざまなコミュニケーションをつうじた満足度を高めることは、デジタルマーケティング的な側面を持ちます。コミュニケーションのデータを活用すれば、APUに対する関心が高い層に対し、イベント情報の発信や問い合わせフォームへの誘導などの施策を打ち出せるためです。そういった観点でも、AIチャットボットサービス導入によるデータ活用が効果的だと考えました。

政様:きっかけとしては簡単にデジタル化ができるということもあったのですが、問い合わせメールが多くてそれの対応に時間がかかり、コロナ禍ということもあり課内のタスクが全体的に増えてきている中でどうにか少しずつ業務を効率化できないかと思っていたのでそこが一つのポイントだと感じています。

繰り返し発生する問い合わせをAIチャットボットへ移管、緊急性の高い業務へのリソースシフトを検討

ー 世界の潜在的な学生たちとのコミュニケーションのハブに

大嶋様:立命館大学の業務改革の一環として、AIチャットボット活用の方針がすでにありました。それを受けて、立命館大学の姉妹校である我々APUでも何かできることがないかと模索していく中で、今回のようなプロジェクトが発足しました。私たちは「世界の潜在的な学生たちと多様かつ迅速にコミュニケーションをとる」ことをミッションに掲げています。そのうえでAIチャットボットは価値が高いと考えました。

今までAPUは学生募集・入試広報のデジタル化を進めており、入試システムや出願書類も完全オンライン化を実現してきた背景もあり、世界でのマーケットで潜在的な入学希望者達とコミュニケーションを取るための一つの手段としての可能性がBEDORE Conversationにあると思い導入しました。

ー 繰り返し発生する問い合わせを自動応答化を検討

鈴木様:実現したかったのは、学費関係の問い合わせの一部に関してチャットボットを導入することで、学生への支援リソース確保や問い合わせへの24時間対応可能な環境を整備したいということでした。例えば、学費納付の締め切り間近になると、多くの「納付書を再発行して欲しい」といった問い合わせが寄せられます。大学側は早めに郵送するので、なくしてしまう方も多いようです。一方で経済的に追い込まれ、学費の支払いが本当に難しい学生もいます。
問い合わせ数が増えると、こういった支援が必要な学生への緊急支援といった対応にリソースが充てられなくなるため、繰り返し来る問い合わせへの対応の効率化が課題となっていました。また基礎的な問い合わせに対しては24時間チャットボットでタイムリーに応答できる仕組みを整えました。

大嶋様:世界的に見ればデジタルでの迅速な学生募集は当たり前になってきていて、APUもそれに倣って今回BEDORE Conversationのような新しいものに挑戦していくことで、コロナも乗り越えてこれたと思っています。チャットボットが世界的なスタンダードなのかは分からないですが、コミュニケーションを取るためにメールや電話以外のツールで満足度を高めつつ、世界中の志願者と関係性を作っていくということができると考えています。

世界中のユーザーを意識したインターフェースを構築

ー 使用端末に合わせたインターフェース設計を実施

鈴木様:実際に使うメンバーのほか、同僚や協力会社の方に実際に使ってもらい、客観的なユーザー視点の意見を集めることを意識しました。ただ、この中では肯定的な意見が多く、特に大きな修正ポイントはありませんでした。
また、インターフェースにおいて工夫した点としては、PCとスマートフォン、それぞれの端末ごとに使いやすいよう、インターフェースを変えることにしました。スマートフォンの縦画面の場合は右下に、パソコン画面では中央に(ボタンが)出るようフロント制御しました。

ー 日本語版と英語版のFAQを搭載。英語独自のチューニングを推進

サードナ様:多言語という点でひとつ挙げるとすれば、英語での問い合わせで、スペルミスが原因で回答が出てこないケースがあります。ログを確認する中でスペルミスが原因で回答が出てこないケースがあることに気づいたので、ミスが起こるスペルについて類義語登録を丁寧に行うことで、回答候補が出るようにチューニングを上手くしていきました。

政様:上手くFAQの候補が出ないことに対して、英語のFAQではスペル間違いもあえて類似の質問に加えたりしています。ここは英語ならではの面白い工夫だと思っております。

ー Web制作会社とも協働しながらホームページ側の構成も考慮しながら全体設計を実施

政様:今回相談させていただいたWeb制作会社は、ホームページの構築から携わっていただいている会社です。あまり多くの会社の方とコミュニケーションを取ると混乱が起きてしまうことが想定されたので、AIチャットボットのデザインや構築も併せて依頼しました。

ー AIチャットボットを上手く活用するための施策の検討

政様:一単語で質問をされた場合には候補が出てこないという課題があり「三単語以上で質問をしてください」といった文言を入れる等の工夫をしています。類似の質問を優先順位を決めて効率よくFAQへ登録していく過程も重視した取り組みの1つです。自己解決できる割合を高めていくためにも、FAQの質を上げていくために考えています。

サードナ様:英語のユーザー(大学生)が間違っているスペルで検索するケースも多く、ログ振り分けのタイミングでユーザーからの質問文をそのまま類義語登録できる機能は便利です。ユーザーが頻繁に使うキーワードを登録する取り組みも実施しており、ユーザー目線のワードを入れた方が利用数も上がると実感しています。

日々のチューニングを欠かさず行うことで、定量的な成果を着実に出すことに成功

ー 導入半年で高い自己解決率を実現

鈴木様:オフィスへの学費関係の問い合わせは春と秋に増え、BEDORE Conversation導入前は各時期でおよそ1,600件程度の問い合わせがありました。それが導入半年で迎えた初回の秋では1,000件程度まで減ったので、チャットボットの導入でおよそ4割減という成果を出すことができました。
また、担当者である我々も他の業務に充てられる時間が増えたという実感があります。定形的な質問が減ったぶん、本当に助けやコンサルが必要な学生に集中できているのが一番大きな成果です。

政様:自己解決率については、2022年5月は86%、6月は87%といずれも高いスコアを達成しており、この成果が私たちのモチベーションにもつながっています。
BEDORE Conversationをより良いものにしていくことはもちろんですが、学生との対面コミュニケーションなどを能動的に実施しているところもこの成果につながっていると考えています。
また、学部の問い合わせメールが2019年、2020年の9、10、11月が繁忙期でたくさんの送信数があったためそこを改善していかないといけない状況でした。BEDORE Conversationを導入してから直近の4、5月は100件以上メールの送信数が減ってきているので、改めて導入して良かったと感じております。

大嶋様:導入しても利用が少ないと意味がないので、マーケティングチームや広報チームがWEBサイトのアクセス数などを分析し、利用してもらうための工夫を色々実施しているところではあります。今のところ、私は投資以上の成果が出てきているなという風に思っております。

ー チューニング体制を複数部署の協力を得ながら組織

鈴木様:学費関係への体制としては、私とペアの事務職員の方の二名で回しています。チューニングは私一人で担っているので、問い合わせが集中する時期が過ぎたあと、集中的に見直しをやっています。

政様:アドミッションズ・オフィスの担当の体制は、日本語の対応を私ともう1名の担当者、英語の対応をサードナともう1名の担当者という形で、各言語2名ずつの計4名で対応しています。

 ー 利用率改善を行い、4月・5月で利用状況が大幅に増加

政様:導入後の利用率が伸び悩んでいたので、より利用率を高めるための改善を試みました。学生周知の必要があるかなど施策を検討する中で、まず学生に実際のインターフェースを見てもらうことが大切だと考えました。いくつかの企業様や大学様の例などをお伺いしていき、色を統一させたりページを開いた5秒後に自動で立ち上がる設定にしたところ、4~5月にかけて利用率が急増しました。
具体的には5月まで有効リクエスト数が200〜500件だったところ、5月に入って1,300件、6月は月中で既に1,900件近く伸びており、この施策が利用率改善に対してとても効果的だったと感じています。また、メールコミュニケーションでのフッターにもBEDORE Conversation開設についての文言を追記しました。さらに、オンライン説明会で使用するスライド資料のクロージングで、「もし何かあれば、AIチャットボットへお問い合わせください」といったメッセージングもしています。こうした様々な施策が利用率増加へとつながったのでしょう。

今後の展望

ー 理想的な大学構想を目標として、大学全体で取り組みを推進

鈴木様:現場目線では、自己解決率を高めていくところと、FAQの精緻化を進めたいです。
また、長期のDX化というところで言いますと、学生たちに配布したTeamsとの連携を強化し、BEDORE Conversationで解決できなかった複雑な問い合わせを有人対応に切り替え、さらに会話が必要な相談内容であればZoomをつなぐというように、オンラインですべての対応が完結するのが最終的な理想の形だと考えています。これが実現できれば、履歴データをFAQの精緻化に結びつけていくこともできるでしょう。

サードナ様:ログを振り分けていると、私たちの想定外の質問なども入ってきています。そういった情報をもとに、前もって情報を準備しておいたり、イベントの情報をこちらから届けたりといった施策を打てるようにしていきたいです。

政様:私はBEDORE Conversationのほか、さまざまなツールを活用しつつ、それを学生募集につなげて結果に結びつけていくことに貢献していきたいです。また、日英双方のFAQを持つAPUだからこそ生み出せる運用方法などを模索し、BEDORE Conversationの可能性を広げていきたいとも考えています。

大嶋様:APUが実現したい世界観は、AIチャットボットやそのほかのデジタルツールだけで実現できるかといえば、そうではありません。リアルでのフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションとデジタルコミュニケーション、双方の充実を追求し、つなげていく必要があると考えています。
APUでは、国によってはスタッフが出向き、現地でリクルート活動を行っています。したがって、即時性の高いBEDORE Conversationを活用しつつ、そこで得られたデータを活用して現地の担当者の活動につなげていくような構想を描いています。また、学生募集で最も大切なのは、在学生や卒業生の活躍をいかに伝えるかというところです。それがAPUの評価のコアだと捉えていますので、そこを存分に伝えられるデジタルの接点を作っていきたいと考えています。

最後に一言お願いいたします。

大嶋様:BEDORE Conversationだけでデジタルマーケティングを進展させることはできません。やはり我々は、リアルとデジタルの両方を追求しなといけないと思っています。学生募集には在学生や卒業生が活躍している姿をどう適切かつ迅速に伝えていくかという点が欠かせません。BEDORE Conversationを含め、即時性のあるコミュニケーションツールでの関係を作ることによって、他の大学にはないAPUの魅力を伝えていきたいです。

政様:問い合わせメールの対応を減らすことが一番のミッションでもあり、BEDORE Conversationや他のツールを使いながら最終的には学生の募集、確保に繋げていけると思うのでそこで結果として現れればいいですね。
特に日本語と英語の両方を構築しているので今までPKSHA Workplaceさんでは考えていなかった新しい発見(BEDOREの機能に捉われないフェーズ)を見つけていただき、今後も提案いただきたいと思っています。

サードナ様:ログの振り分けをしてみて今まで課題と感じていなかった質問もたくさんあり、大学側のスタンスとして質問を待つよりも先にWEBサイトなどに情報をアップしていきたいです。
また質問の回答だけではなく、大学に関する情報やイベント情報などをBEDORE Conversationを通じて発信していきたいと思います。

以上、ありがとうございました。

株式会社名古屋銀行ー経営企画部主導のDXプロジェクト第1弾として採用 ~ AIチャットボットが複数部門に浸透し、行内全体の問い合わせ削減を大幅達成 ~

インタビュイー

  • 経営企画部 宮野 貴仁様
  • 業務部 預金事務グループ 業務役 萩野 雅也様
  • 業務部 事務効率化グループ 係長 野村 幸助様
  • 業務部 事務効率化グループ 企画役 濵畑 敦様

企業概要

  • 業種:    銀行
  • 事業内容:  銀行業
  • 導入サービス:BEDORE Conversation
  • 導入目的:  営業店への問い合わせ数の削減、組織全体を巻き込んだ生産性向上

課題

  • 問い合わせ対応(電話)による企画本部や営業担当者のリソースの圧迫
  • 類似の問い合わせに対して担当者が都度対応する必要があり、問い合わせの資産化が出来ていない

効果

  • 電話対応による一般的な問い合わせ数の減少
  • 営業店から本部に集まる類似の問い合わせ対応に関する自動応答化

問い合わせ削減の手段として使いやすさと価格が決め手に

―銀行の概要と部署の役割について教えてください。

宮野様:名古屋銀行は愛知県に根ざす金融機関であり、県内預貸一位(2022年5月現在)を誇る銀行です。
お客様に寄り添い、共に未来を創っていく『未来創造業』をテーマに掲げ、愛知県在住のお客様を中心に支援しています。
その中で、私が所属する経営企画部は銀行全体の業務効率化を考えつつ、経営計画や各種予算を作成しています。

濵畑様:一方私が所属する業務部は、組織改編のさなかではありますが、現状は主に融資事務と預金事務を担っています。
この融資事務に取り組み始めたのも実は最近のことで、今後業務や知識を組織全体でシェアするような仕組み、構想そのものを検討しながら動いている立ち位置でもあります。

野村様:私も濵畑と同じ部署で働いており、ATM事務を主に担当すると共に、今後のFAQ作成について濵畑と共に推進していく立場としてアサインされています。 

萩野様:普段事務の改訂とか営業店とかの問い合わせを受けており、一番電話を受ける部署にいます。


―BEDORE Conversation導入の背景を教えてください。

宮野様:BEDORE Conversationのソリューションについて営業企画部に対してご提案をいただいたことが、プロダクトを知ったきっかけです。
営業企画部の業務に対しては費用対効果が合わなかったため導入には至りませんでしたが、その後、本部全体への営業店の問い合わせ数削減にフォーカスした場合に導入価値が高いのでは、と再検討し始めた次第です。

営業店から本部には内容が重複する問い合わせが複数回きたり、結局本部では答えられない内容の問い合わせがあったりすることも多く、問い合わせ数を削減したいという課題がありました。複数のベンダーとの比較検討をした結果、BEDORE Conversationの導入を決めました。
特に年齢層が高い方々にはAIチャットボットの有用性を理解されづらい懸念がありましたが、複数のベンダーとの比較検討をした結果、「FAQがしっかり搭載されていたら利用されるのでは?」と感じ、BEDORE Conversation導入を決めました。

―BEDORE Conversationにした決め手は何でしたか。

宮野様:コストと運用しやすさの2点で優れていたことが決め手になりました。AIの精度について素人目に比較することは難しいので、年齢層の高い行員でもわかりやすく、感覚的に操作しやすい管理画面が導入のポイントとなりました。
また、セールス担当者の説明もわかりやすく、銀行業務に対する理解を前提としたコミュニケーションをしていただいたことで、非常に好感が持てました。 

―BEDORE Conversationに焦点をあてた理由は何でしょうか。

宮野様:問い合わせ数を削減したい、という思いに尽きます。しかし行内の温度感は、当時そう高くありませんでした。他社サービスを一人のユーザーとして知ってはいるものの、その有用性について当事者意識を持って注目してはいなかったのでしょう。
一方、私の中では当行で搭載すれば利用価値が高いはず、というある種の熱意のようなものが芽生えていました。自動対応する手段が他にもあれば検討したとは思いますが、人とAI技術の融合という観点で、現実的な手段はBEDORE Conversationという結論に至りました。

問い合わせ削減に資するものであれば、何でも興味があるというのは正直なところです。問い合わせが減れば支店の対応時間も削減されますし、本部も企画業務などに一層時間を充てられるようになります。
ひいては銀行全体のさらなる飛躍や業務効率化といったところにもつながっていくので、問い合わせ削減というテーマは私たちにとって極めて重要でした。

問い合わせ内容が変化、見えてきた利活用の課題

―リリースまではどのようなプロセスがあり、実際どのような課題が見えましたか。

濵畑様:スタート段階で難しかったのは、組織全体を巻き込む際、それぞれの取り組む姿勢や思い入れ、FAQの出し方などに差があったことです。互いに業務が異なるので致し方ないことではありますが、それぞれ温度感を確かめながら慎重に進めていきました。

宮野が全体のスケジュールや役割分担のバランスを的確に采配したことも成功要因のひとつだと感じます。
また選定後の角度が詰まっての導入は取り組み姿勢やレベル、業務も違うので仕方ないのですが、その中でも部がしっかりしていれば削減ができると思いながら進めております。

FAQの出し方のスタンスでバランスを取るのが難しかったので、その上で試しながらやりました。ただFAQや素朴な質問など何度もざっくりとした感触をいつも答えていただいていたのでその反応を見ながらやってきたという感じです。

野村様:作業は、やったことがなかったので作る方もどういう風に作ろうかなと思っていましたが、レクチャーを複数回実施していただき、操作もシンプルだったので、導入自体は想像以上に簡単でした。
ゼロから作る最初の一歩は大変でしたが、結局QとAを作ってリンク貼るのもほぼ形ができているので、例えば支店から問い合わせがあったら問い合わせがFAQに入っているかどうか調べ、入っていなければ追加という形でやってましたので、ゼロから作る最初の一歩は大変でしたが、形がある程度できたあとは問い合わせの電話が来たらまずFAQを見る、という流れが生まれました。

宮野様:一方で、操作履歴を確認してみると、利用の積極性は部署によって多少偏りがあるようです。
また、銀行業は人事異動が多いので、後任に操作の引き継ぎがうまくできていないと、利用頻度に影響が出てしまうなどの課題も見えてきています。

濵畑様:利活用のノウハウに加えて、この取り組みに対する熱意のようなものも併せて継いでいかなければ、という課題感はあります。
業務部はその地盤となる部署だと思いますので、FAQの質の担保に注力していきたいです。

―リリース後の成果や感触について教えてください。

宮野様:直近は月1,500~2,000で推移しており、入行したばかりのフレッシュな方の問い合わせや、BEDORE Conversationに載せられない個別相談などを除き、一般的な内容の問い合わせの多くはBEDORE Conversationへ切り替えられている実感があります。

今でも操作履歴を見てるとだいぶ偏りはあるかなというのと銀行という職業柄人事異動が多いのでその引き継ぎがうまくできていないとなかなか難しいところはあると思っています。

異動時の業務引き継ぎが上手く進まず、FAQのメンテナンスやBEDORE Conversationの運用レベルが下がっていく過程で事務局がタイムリーにフォローできれば良いのですが、必ずしも対応出来るとは限りません。その点、BEDORE Conversationの画面や操作性は分かりやすいと評判をいただいています。

 新しい業務が出る度に追加した内容に対してBEDORE Conversationをご活用くださいとアナウンスしていくのも分かりやすいと感じています。その分、FAQのメンテナンスに時間をかけていくことになりますが、各部が自立的にFAQのメンテナンスを行っていける体制づくりを意識しています。
また数値的なところで言うと、電話件数が減っています。これもFAQのメンテナンスを徹底するのと、毎日少しずつでもチューニングを行っていくのが一番良いのかなと思います。

限られた行員にしかまだ感想を聞けていないのですが、BEDORE Conversationはとても便利だと話しており、検索することに抵抗がない人は利用頻度が増えてくると思います。
一方相変わらず電話をしてくる方がいるのも事実で、そこに関してはBEDORE Conversationに移行出来るように粘り強く対応をしていきたいと思います。

濱畑様:検索することに抵抗がない人は、電話での質問からの切り替えイメージがしやすい印象です。

―インターフェイスを名古屋銀行様のキャラクターにした理由を教えてください。

ユーザーが質問しやすい雰囲気を演出するためにキャラクターを採用しました。弊行のキャラクターが吹き出しで喋っているような動きを意識して構築しています。当初の狙い通り、「ユーザーからの質問数増加」や「インターフェースが親しみやすい」という形で良い結果が出ています。

―サポート面での感想もいただきたいです。

濵畑様:私たちがAI技術などについて知見がないことを前提にフォローしてくださるのが有り難かったです。
新しいことに対して理解が早い人間と、そうでない人間が組織の中にはいるので、それを踏まえたコミュニケーションを取ってくれるのは大変助かります。

価値を継ぎ、業務改革の道筋を作りたい

―運用面ではどのように取り組んでいらっしゃいますか。

基本的には対話の改善画面を毎日確認しています。適宜、期間指定の範囲を広げたりしながら確認しており、その時々のユーザーニーズを汲み取るような分析をしています。
とは言え、今はまだチューニングの段階ということもあり、不必要なFAQの排除などは未対応です。今後、PKSHA Workplaceさんから実施いただく定例会の内容や、月次レポート等を活用しながら対応していきたいと思っています。今後の活用の幅もまだまだある状態です。

―今後の展望を教えてください。

宮野様:営業店も本部もなるべく無駄なことを排除していくということを考えています。
なぜかというと経営企画部としては無駄をできる限り排除し、その余剰を営業活動に充てられるような仕組みを作ることに専念していきたいからです。それが地域のお客様へ提供する価値をさらに発展させていくことにも繋がります。

もともと営業活動に対する時間の捻出の難しさは、組織課題のひとつでもありました。直接的に業務連携のない経営企画部にもその余波として問い合わせが来るほどなので、やはり根本的なDXや組織改革といったアプローチが必要不可欠だと考えています。
今回のBEDORE Conversation導入は、そのためのひとつの手段であったという認識です。

野村様:今後は利用者と管理者、双方が継続して使っていくための連携や手法といったものを検討していきたいです。先ほど挙げた引き継ぎ業務などについてフォローしつつ、人が替わっても変わらない質を担保できるような仕組みを作っていきます。

仮に私一人がFAQを担っても、自身の専門領域以外の質問については適切な回答かどうかがわかりません。これを機に自身も他の領域について勉強しつつ、わからないところを各担当者に確認し、連携しながら組織一体となってより良いFAQを作っていきたいです。

元々行内、行外まとめてBEDORE Conversationの導入を考えていましたが、行外向けは直接お客様が利用するのでFAQの整備が上手くできるか危惧しております。行内での効果をみて使えそうだなと思ったら行外で導入をと思っており、行外BEDORE Conversationをやるときに別の施策と抱き合わせでやるような形を考えております。

濱畑様:今後発生するシステムリプレイスや、イベントで発生するジャンルのFAQについても順次拡充していき、ユーザーの反応を継続的に分析していきたいと考えています。

萩野様:BEDORE Conversationで解決できる内容を増やしていき、全体の問い合わせの50%程度まで高めたいと思っています。自動応答件数を増やしていくことで、イレギュラー的に対応しなければいけない問い合わせや、重要案件は人で対応するという役割分担をしていきたいです。そのためにも個別案件で発生した問い合わせを一般化していき、FAQとして追加していく姿勢が大事だと思っています。

以上、ありがとうございました。

<10/12 ウェビナー> 2030年のコンタクトセンター ~ヒトとデジタルの真の融合とは~ 

株式会社プロシードと株式会社PKSHA Communication共催オンラインセミナーを開催いたします。

多摩大学 - メンテンナンスコストがかからない情報資産の蓄積、業務改善の促進へ!「教育DX化」に向けた取り組み

インタビュイー

  • 教務課 情報 / ALCセンター図書館事務課 / 研究活性化センター事務課 公平 正一 様
  • 教務課 情報・教職担当 江藤 伸吾 様

会社概要

  • 業種    :教育、学習支援
  • 導入サービス:BEDORE Conversation for Workplace
  • 導入目的  :問い合わせ対応の効率化、オンラインでの学習環境構築

課題

  • コロナ禍での問い合わせ件数増加による対応工数、時間外業務の急増
  • 教育DXにおける具体的な施策の難航
  • 学生がFAQサイト内から適切な回答を見つけ出すことができず、疑問点を放置してしまう
  • 新しいFAQサイト利用促進のための良い施策を検討していた

効果

  • メールでの問い合わせ件数の大幅削減
  • リリース初月から約1,900件の問い合わせ受付
  • 教務課の情報視覚化による業務見直し・改善
  • 学生からの相談ハードルを低減し、学生サービスの質向上
  • メンテナンスコストをほとんどかけず、運用、定着化することに成功

 

大学、ご担当者様の紹介

ー 貴学の概要について教えてください。

本学は、学校法人田村学園が母体となって平成元(1989)年に開学いたしました。基本理念を「国際性」、「学際性」、「実際性」の3つとし、国際化、情報化社会の進展に即応しています。世界の中で大きな役割を担い、日本の将来を背負うという自覚に基づいた強い実行力と広い視野を持ち、自らを厳しく律することが出来る高い倫理観のある人材を育成することに尽力しています。

また、グローバルスタディーズ学部と経営情報学部の2つの学部があり、学生数は合計2,200人弱です。大きな特徴は、本学は企業や地域の皆様との連携協定を結んでおり、学生を企業のプロジェクトに参加させていただいたりと実学も学べる環境であることです。

ー みなさん、どのようなミッション、業務を担っていらっしゃいますか?

公平様:私は2005年から多摩キャンパスで就業をしており、現在は教務課に所属しています。
教務課と情報システム課の業務を6:4で担当しており、講義のカリキュラム関連のサポートをしながら、施設のネットワークやインフラの管理(LMSの導入やメンテナンス)、教育支援等も担当しています。

江藤様:私は情報システム課の業務をメインで担当しております。

 

授業支援ツールの強化を進めていた中でコロナ禍に突入

ー 大学全体でオンラインに耐えられる学習環境の構築へ

公平様:もともと本学では、2000年頃から情報機器、IT教育に力を入れる構想を持っており、学生の入学時にパソコンを支給するといった当時では珍しい取り組みもしていました。しかし、この取り組みを進める上で、費用対効果や、支給するパソコンのスペックを統一し同一環境で学習できるか等、新たな課題もいくつか出てきていたんです。その複数の課題点をようやく解消し、教育の均一化に向けて一歩進めようと思った矢先に、コロナが流行しました。

コロナ禍に突入し、インフラネットワークや教育支援の観点で、ICTがどう関わっていくべきか中長期計画の中で議論しました。コロナ前からオンラインに耐えられる環境作りを進めていたこともあり、授業が一気にオンライン化した当時も、対策等は非常にスムーズでしたね。そこで改めて、本学が2000年より推進していた方針が間違っていなかったと感じました。

ー コロナ禍での問い合わせ増加、問い合わせ対応による時間外勤務の課題

江藤様:当時は、電話やメールの問い合わせが非常に多くなり、特にコロナが流行し始めた2020年のゴールデンウィーク時期は、一人当たり1日2〜3時間の問い合わせ対応業務に追われていました。他の業務に手が回らず、非効率な状態が続いていましたね。また、Zoomの設定等も我々の部署で担当していたので、オンライン授業開始によるZoom関連の問い合わせ増加により、時間外の業務もしばしばありました。

公平様:この問い合わせ増加、対応工数逼迫による時間外勤務の課題をはじめ、「教育のDX化」を進める上で次に何をするかとなった際、チャットボットが分かりやすく窓口のデジタル化として普及していくと考えました。我々の対応工数も削減できるのはもちろん、何より、これまで業務時間外にきていた問い合わせに対して、チャットボットであればタイムリーに受け答えができることで、学生にとっても大きなメリットがあると思い、具体的に導入の話を進めようとなりました。

 

窓口業務の可視化・学生の自己解決を実現するAIチャットボット

ー学生が飽きないデザイン、その他運用面で使い勝手の良さを実感

公平様:チャットボット導入を検討するタイミングで、並行してFAQサイトの企画も進めていました。そのため、チャットボットとFAQサイトをうまく組み合わせ、相乗効果でそれぞれの利用定着化に繋がる、というのが目的の一つにあったんです。

そんな時、PKSHA Workplaceさんからご連絡いただき、気になってやり取りをさせていただいたのがきっかけになります。

コロナでICT関連の問い合わせが増加した中で、シラバスには、これさえ見ればなんでもわかるというくらい学則やその他の情報を細かく載せていますが、どうしても学生がその情報に辿り着かずに読まないということが多くあります。そこで、特に今の「文章を打ち込んで会話する」文化が根付いている学生には、チャットボットが正しいFAQサイトへ導き情報を整理してくれることで、飽きずに長く使ってもらえると思いました。

ー 最重視していた正答率の高さで、BEDORE Conversationの導入を決定

江藤様:これまで、シラバスを読んでもなかなか疑問が解決しない学生も多くいたことから、様々な角度、表現の質問に対応できる必要がありました。本導入に進む前に1ヶ月程度PoCで検証を行いましたが、その際、実際に本学の持つFAQデータを搭載し挙動を確認したところ、どんな質問の仕方であってもまず回答があり、正答率が90%近くと非常に高いことを実感しました。1番重視していたのがこの点だったのですが、期待通りでマイナスなギャップを感じることなく受け入れることができました。

また、精度に加えて、管理者がメンテナンスしていく画面のインターフェースもシンプルで分かりやすい点も魅力的でした。複数のメンバーが運用を担当していく上で非常に重要な要素だったかと思います。

 

ー BEDORE Conversationの機能を活用して業務改善が可能に

公平様:BEDORE Conversationの良いところは、やはり機能面の充実性にあると思いますね。単純にQ&Aを作るだけならサイトを作成すれば良いですが、管理画面で確認できる色々な分析や解析ツールがあるんです。チューニングをすることでAIチャットボットの精度を上げ、学生との会話履歴を確認しながらFAQをアップデートする等のサイクルを回すことができるのがありがたいです。どうしても業務が固定化しているため「業務改善」という意識が希薄になりがちですが、BEDOREの活用によって、作業効率を考えながら業務を見直していくことに繋がるため、将来的には一石三鳥くらいの感覚ですね。

管理画面の分析ツールの一例「インテント別KPI」機能

 

FAQサイト作成+AIチャットボット導入PJ推進の裏側

ー 教務課全体で過去の問い合わせメールログをもとに、自部署の業務見直し+FAQ作成を実施

公平様:もともと2021年4月頃から、教務課で蓄積していた情報をWeb化して学習支援サイトを作るプロジェクトを進めており、そこで問い合わせメールのログをカテゴリ別に分けたり、細分化してFAQの数を増やしていく作業を開始しました。そこで部署全体の業務整理もできたと思います。

江藤様:教務課全員でFAQ作成を開始したのは2021年3月〜4月辺りで、完成まで約4ヶ月かかりました。学習支援サイト作成も含めると、大体トータル1年近くかけて完成させましたね。

登録しているFAQデータ一覧

ー 情報資産と認識し、丁寧にFAQ作成を進める

公平様:我々が持っている情報は有用性がありますが、窓口に来た学生の対応を淡々とするだけでは情報の価値もなくなってしまいます。
そして、FAQは情報資産であり、チャットボットは作業工数の削減だけでなく、業務改善につながるツールであることを職員全員が認識する必要があります。そのため、職員の皆さんには、特にFAQ作成時この考え方と共に作業を進めてもらいました。

 

メールでの問い合わせ件数が大幅削減、学生の満足度は9割超

ー AIチャットボット経由での4月の問い合わせ数約1,850件、リリースからこれまでの満足度は89〜95%を行き来

公平様:これまでと比較し、体感でも問い合わせ件数が確実に少なくなっていることがわかります。AIチャットボットで解決出来ない内容だけメールで問い合わせがくるので、単純な質問は圧倒的に減っています。
また、本学のAIチャットボットの利用状況を数値で見ると、自己解決率(ユーザーがチャットボットの回答に満足している割合)が89〜95%と、一般的な水準より高く出ています。これは、やはり丁寧にFAQの作成を進めたことが大きい要因だと考えています。

本学では、FAQの回答文に他サイトのURL貼って誘導するような回答の仕方はしていません。サイトの案内だけでは学生があまり活用しないと思い、文章である程度回答をして関連リンクを貼るような運用にしているので、この点も高い満足度に繋がっていると思います。

江藤様:また、月一の定例会で利用状況をグラフ化して報告いただけますので、細かい分析や状況把握ができています。数値面だけでなく、細かい問い合わせ内容や、どのFAQが最もリクエストされたのか等も振り返りをするので、毎月新しい発見とアップデートをしていけるのが嬉しいです。  

ー メンテナンスに工数がかからないのも魅力

江藤様:リリースをしてからこの3ヶ月運用してきて、追加でメンテナンスをする工数はほとんどかかっていないです。満足度が結構高いので、あまりテコ入れをせず、定例会後に見直して、担当者2名で2〜3日程かけて確認作業をするくらいです。今後導入する方向けですが、運用コスト面は心配いらないと思いますね(笑)

 

教務課に留まらず事務局全体での展開を目標に

ー 学生のニーズをタイムリーに把握し、打ち手や情報の出し入れをコントロールしていく体制へ

公平様:現在は、AIチャットボットの導入により我々の業務を可視化できているため、どの業務にどの程度時間をかけているのか、適切な優先順位で業務に取り組めているのかを見直すことができています。それだけでなく、AIチャットボットを通じて日々学生からリアルな声が届くため、そこから新たな気づきを得ることも多くあります。

今後は、学生のニーズをリアルタイムで拾うのではなく、先回りした対処をすることで、問い合わせ対応がよりスムーズになればいいなと思っています。このまま学生とAIチャットボットの会話ログが溜まると、例えば、年間でどの時期にどんなFAQを追加するか、本来学生が気になる部分がどこなのか等を把握することができるので、その辺りの生のデータを活用していけたらいいですね。

 

最後に一言お願いいたします。

導入検討からリリースまで、とてもスムーズに進めることができました。我々の現状を把握いただくための打合せを何度も行い、最適な導入支援を行って頂けたことが印象的で、現在の成果につながっていると実感しております。

導入後のフォローアップも含め、PKSHA Workplaceさんにはとても感謝しております。引き続きのご支援をどうぞよろしくお願い致します。

 

以上、ありがとうございました。

株式会社大分銀行様 -「取りあえず電話する文化」を変革!ーAIチャットボットBEDOREを行内へ展開することで、問い合わせを大幅削減することに成功

インタビュイー

  • 事務統括部システム統括室室長 宮本 浩司様
  • 事務統括部システム統括室推進役補 松木 健太様
  • 事務統括部システム統括室 菅原 真由美様

会社概要

  • 業種    :銀行
  • 事業内容  :銀行業
  • 導入サービス:BEDORE Conversation for Workplace
  • 導入目的  :電話での問い合わせ対応数の削減

課題

  • 月間数百件の電話問い合わせがあり、業務に支障が出ていた
  • ナレッジを掲載している行内システムの検索に課題があり必要な情報が取得できない

効果

  • 導入から半年で電話問い合わせ数を昨年対比で3割減に成功
  • AIチャットボットで調べてから問い合わせする人が増え、回答者側の対応もスムーズに
  • 「取りあえず電話する文化」を変革し、個人で解決できる仕組みを構築

会社、ご担当者様の紹介

ー 会社概要について教えてください

宮本様:大分銀行は大分県を基盤とする地方銀行です。「地域社会の繁栄に貢献するため、銀行業務を通じ最善をつくす」という経営理念のもと、特に弊行が大切にしている長期ビジョンとして「地域の持続可能性を高める価値創造カンパニー」といった目標を掲げています。現在推進中の中期経営計画の中ではDXにも注力しており、事務統括部は主に生産性向上を目的とした、さまざまな施策に取り組んでいます。

ー みなさん、どのようなミッション、業務を担っていらっしゃいますか?

宮本様:私は現在、システム統括室の室長を務めています。弊行の中で「システム」という冠を掲げる部署は我々だけであり、IT領域に関わる戦略立案・案件起案・外部へ発注する開発の委託管理等、システム周りの全般を担当しています。

松木様:各部から起案されたIT投資案件と呼ばれる開発案件を、各部と一緒になって企画推進していく、あるいはシステム統括室から起案した開発案件を企画推進していくといったところが私たちの主なミッションです。私は部下の案件管理と自身のリードする案件の推進を推進役補という立場から担っています。

菅原様:同じ領域の仕事をする中で、私はAIチャットボットを主担当者として今回のBEDORE Conversation導入を進行してきました。システム導入を担当させていただくことは初めてでしたが、部署の力や、PKSHA Workplaceさんの力を借りながら導入を進めることができました。

AIチャットボット導入の背景

ー 弊社からコンタクトを取らせていただく前のご状況を教えてください。

宮本様:ヘルプデスクに対する電話の問い合わせが非常に多いという課題感がありました。以前はシステム部門が単独でその問い合わせに対応していましたが、月間数百件という電話対応に追われている状態でした。こうした背景から、問い合わせを関連会社に一元化する方針となりヘルプデスクが生まれましたが、根本的に課題を解決するため、実は数年前にもAIチャットボットを検討していました。

ー これまで複数回AIチャットボットを検討されていたかと思いますが、導入に至らなかった理由を教えてください。

松木様:過去に検討したAIチャットボットは、回答精度についてはある程度の満足度があったものの、運用面での負担が重く費用対効果が出にくかったため不採用となりました。いくつかのチャットボットを検証しましたが、回答精度が良いものは運用面に課題があり、運用面が整っているものは回答精度が出ない、といった課題があり、両立しているAIチャットボットを探していました。

AIチャットボットサービスの選定

ー AIチャットボットを通して、何を実現・課題解決されたかったのでしょうか。

宮本様:これまでは、事務規程がまとめられたマニュアルなどを確認すれば分かることでも、「聞いたほうが早い」と考えてすぐに電話してしまう文化が銀行全体に根付いてしまっていました。一方で、事務手順書と呼ばれる事務規程集は種類やページ数も多いため、回答を探す手間がかかるのも事実です。そこで、AIチャットボットを通じて、調べるプロセスを簡易的にし、かつ情報検索が正確にできる形を実現できれば、文化そのものを変えられるのではないか、と考えました。出来る限り、個々人が最小限の工数で不明点を解決できるシステム環境を整えること、それが今回実現したかったことです。

ー BEDORE Conversationのどこが評価ポイントだったのでしょうか。導入の決め手を教えてください。

菅原様:先にお話しした通り、大分銀行では回答精度と運用負担の両立ができるチャットボットを探していました。結果、私たちが求める回答精度と管理運用面の負荷の軽さを両立したのがBEDORE Conversationでした。

一例を挙げると、前回検討したAIチャットボットでは、新しいFAQを作る補助ツールがなかったため、目視にて不足している回答を見つけ出してFAQ作成を行わなければならず、大きな運用負担となっていました。一方、BEDORE Conversationでは不足しているFAQを分析できる機能があり、FAQのメンテナンスもスムーズでした。精度も高く、運用面の負荷が小さい、この両立が決め手でした。

リリースまでの構築工程

ー FAQの構築で重視されたポイントはございますか。

菅原様:FAQには、ヘルプデスクで蓄積していた「よくある問い合わせ」をピックアップして登録することから始めました。PKSHA Workplaceさんと行ったPoCでは、50個ほどの問い合わせをチャットボットへ登録し、ヘルプデスク担当者が実際に利用した結果正しい回答が戻ってくるか検証を行いました。結果として問い合わせの半数はチャットボットで解決可能という非常に良い結果が出ました。加えてPoC中に蓄積し続けたデータが全店利用開始の際にそのまま有効活用され、非常に良いスタートをきることができました。

ー インターフェースやアイコン設置に関して、工夫されたポイントを教えてください。

菅原様:マイメロディをアイコンに設置し、問い合わせのしやすさを高めようと試みています。BEDORE Conversationを導入している他の企業様ともお話をさせていただいた際に、キャラクター活用について良いヒントをいただきました。その企業様では、独自のキャラクターなどを活用されており、利用者がAIチャットボットを利用する動機づけの一つになっているというお話でした。そこで、キャラクター活用の先行事例を参考にしつつ、弊行のマスコットキャラクターのマイメロディを活用する前提で検討を進めました。

実際に、チャットボットの導入後、問い合わせのログを確認していたところ「マイメロディかわいいね」といったログが残っていることもあり、新しいシステムを利用される際のきっかけになっているのではないかと考えています。余裕があったら、雑談系のFAQを作るのも楽しいかもしれません。(※BEDORE Conversationの機能で、ユーザーとのコミュニケーションを活性化するための仕掛けとして、「雑談」という機能があります。)

© 2022 SANRIO CO., LTD.  APPROVAL NO. L621689

ー 行内イントラにAIチャットボットを設置するのはハードルがあったと思いますが、どのように解決されましたか

菅原様:弊行では、オンラインのポータルサイトを持っていないため、はじめはそもそもどこにチャットボットを設置するかが懸念材料でした。その旨をPKSHA Workplaceさんに相談したところ、専用のWeb画面を作ってくださることになり、課題をクリアし導入に至ることができました。

リリース後の感触

ー リリースをしていただいて、問合せの減少や行員の方からの反響など効果について教えてください。定性面と定量面の導入効果(比較)を教えてください。

菅原様:月によって差はありますが、一番効果が大きかった月は電話の問い合わせが前年対比で3割減という効果が出ました。2021年12月に本格始動を始め、約半年後の4月に得られた成果です。

松木様:補足すると、弊行では3月と8月に大きな異動があるため、その直後は定型的な質問が増える傾向があります。以前のヘルプデスク対応では、この時期に定型的な問い合わせが増えて工数を圧迫することが課題のひとつでもあったため、AIチャットボット導入後の4月に、電話問い合わせが3割減ったという成果は、当初狙っていた問題解決につながったと捉えています。

菅原様:あるメンバーからのフィードバックで「『AIチャットボットで探して分からなかったんですけど、』という枕詞をつけた問い合わせが増えた」というものがありました。ある程度ご自身であたりをつけてからお問い合わせいただくだけで、その後のコミュニケーションがスムーズになり、結果問い合わせの対応時間も減るため、これも良い変化だったと思います。

ー チューニングのサイクルや、体制面についてどのように構築されていますか。

菅原様:主に、BEDORE Conversationの運用担当のメインは私になりますが、他2名ほど参加して運用しています。日々、溜まったログを確認し、チューニング等も日次で実施しています。心強いのは、PKSHA Workplaceさんのサポートデスクです。

分からないことがあると質問をさせていただいているのですが、システムに詳しくない担当者でも分かるように、具体的な例を出していただきながら丁寧にご説明をいただき大変助かっています。文章でいただいたものは、印刷して手引きにして保管しています。

松木様:その点は、定例会の場などでも強く感じます。御社より細かいアフターフォローや、アドバイスをいただいたことで、スピード感を持って適切な状態で導入まで至ることが出来ました。また現在も、弊行内での効果的な活用方法を一緒に考え、チューニング方法のアドバイスもいただいておりますので、これからもご一緒に進めさせていただければと感じています。

ー 人財開発部や、融資部など他部門への展開も進んでいらっしゃると思います。どのような進め方で推進されたのでしょうか。

菅原様:行内に私たちの取り組みが口コミで広がっているようで、BEDORE Conversation導入の相談を受け始めています。導入からわずか数か月のタイミングで複数の部署から連絡をいただいており、早速各部にFAQの準備を進めていただいています。

松木様:融資部をはじめ、営業店への質問が多い部署では、問い合わせ対応で忙殺されてしまう状況をなんとかしたいという共通の課題を抱えています。その解決方法として行内でAIチャットボットが認知されるようになってきているようですね。

ー 弊社サポート体制についての印象・感想を教えてください。

宮本様:契約前から手厚く支援いただきましたし、導入後も定期的な会議を通じたフィードバックなどをいただいており、とても充実したサポート体制だと感じています。

菅原様:私はこれまでAIチャットボットというものに触れた機会がほとんどなく、知識がないことに対する不安がありました。しかし、実際はとてもあたたかく真摯に“人対人”のサポートをしてくださります。営業担当者はもちろん、サポートデスクの方々も「大分銀行のための」対応をしてくださっていることが伝わり、好感が持てました。

今後の展望

ー ITソリューションへの選定時に重要視されているポイントはなんでしょうか。

宮本様:投資対効果的な観点から、クラウドサービスで手軽に始められ、且つ初期費用を抑えられるものを選定時に重視していました。

投資対効果については、月間で数百件の問い合わせ、特に行内のパソコン関連の問い合わせが多く、この点を改善することができれば、ヘルプデスク対応に寄せている工数を削減することができるため、投資対効果は出しやすかった印象です。

ー 貴行の中長期的な計画をお聞かせください。

宮本様:2022年1月、経済産業省のDX認定事業者に弊行が認定されました。これは大分県内の事業者としては初であり、地方銀行というカテゴリですと当行は4行目になるそうです。AIチャットボット導入などの取り組みも含め、デジタルインフラ整備についての努力が認められたと受け止めております。

また、地域を活性化させる一つの取り組みとして、弊行からDXを推進・強化していけるように、デジタルイノベーション推進室というDX推進に取り組む部署と連携して行内・地域のDX化を進めていく予定です。

最後に一言お願いいたします。

宮本様:システム統括室としては、お客様からの問い合わせを受け付けるコールセンターの刷新を控えています。将来的にはお客様向けのAIチャットボットも導入し、セールスともシームレスに連携しながら、よりサービス充実を図っていきたいと考えています。

また、弊行全体のトピックとしては、昨年、地場のITベンダーと包括連携協定を結びました。今後、統合した新店舗にITベンダーおよび弊行のIT推進担当が常駐し、お客様向けのIT支援を行う構想を描いています。

松木様:地方銀行は地域のお客様あっての存在なので、DX認定事業者として弊行が中心となって、地場のITベンダーと共にお客様の課題解決に取り組んでいきたいと思います。

また、今まで銀行が当たり前にやっていた融資や預かり資産(投資信託)だけではなくそれ以外の分野でも自分自身が一人の行員として稼げる体質を作っていけるようにと思っています。

菅原様:私はAIチャットボットの担当をしているので、最終的にはお客様向けにBEDORE Conversationを用いたお問合せ体制を構築し、展開していくことを一番の目標として掲げております。また、お客様の満足度向上に向けた行外向けチャットボットの展開は他部署とも連携を取って行内で蓄積したノウハウを提供し、より良い形でリリースできるようサポートしていきたいと思っています。

以上、ありがとうございました。

株式会社三十三銀行 - 合併に伴う問い合わせを自動化し、「人の手を使わないDX」の実現 ~ タブレットとPC双方でのAIチャットボットの展開成功事例 ~

インタビュイー

  • 理事 事務統括部長 小西 隆弘様
  • 事務統括部 事務企画課 藤井 智啓様
  • 事務統括部 事務企画課長 丸井 康充様
  • 事務統括部 事務企画課 企画役 鈴木 直樹様
  • 事務統括部 事務指導課 板倉 文子様

企業概要

  • 業種:    銀行
  • 事業内容:  銀行業
  • 導入サービス:BEDORE Conversation
  • 導入目的:  問い合わせ数の削減とFAQデータ蓄積

課題

  • 銀行合併による問い合わせ急増
  • データが蓄積されない電話対応への課題感

効果

  • BEDORE Conversationを通じた自己解決率80%
  • FAQデータの蓄積の実現
  • 営業店の生産性向上

合併に伴う問い合わせへの対応手段としてBEDORE Conversationを検討

―皆様の部署の役割について教えてください。

小西様:三十三銀行は三重県四日市市の地方銀行で、三重銀行と第三銀行が合併する形で2021年5月に発足しました。
「地域のお客さまから愛され信頼される金融グループとして、地域とともに成長し、活力あふれる未来の創造に貢献します。」という経営理念のもと、地域に根ざした圧倒的なリレーション構築と多様なソリューション提供を実現すべく、日々邁進しています。

事務統括部は、銀行の事務全般にわたる企画・指導を行う部署で、合併以降は行内の事務を統一し、早期に定着させることを最大ミッションの一つとして掲げています。

また、業務効率化に資するデジタル化推進も私たちのミッションです。私は、そうした事務統括部のミッションを達成すべく、部全体を統括する責任者として業務に取り組んでいます。

藤井様:私は、デジタル化推進チームをリードするチームリーダーとして、デジタル技術を活用した業務効率化施策の企画を行っています。

RPA、AI、OCRといった技術を活用した企画推進する中で、今回はBEDORE Conversation導入に挑戦しました。

鈴木様:私は、事務企画という立場から、新銀行のルール作りや課題に対する改善策の検討などに携わっています。
今回のプロジェクトの根幹となるFAQに直接関わる部署でもあるので、プロジェクトに対する期待はとても高かったですし、今後より良いサービスに育てていこうという意気込みも感じています。

板倉様:私は、事務指導課に所属しており、営業店からの問い合わせや、研修、新入行員の育成などの業務に携わっています。
こうした業務背景から、BEDORE Conversation導入時のサポートとして参画させていただいております。

丸井様:私はミッション実現のための全体的なサポートにあたりました。メンバーが困っていることがないか確認しつつ、他部署との接点を結び、プロジェクトの潤滑油のような役割を果たしていたかと思います。

―BEDORE Conversation導入の背景を教えてください。

藤井様:合併に伴う営業店からの問い合わせの急増が、BEDORE Conversation導入を検討したきっかけです。
はじめは一時的なヘルプデスクを設置して問い合わせに対応していましたが、時間外業務が増えるだけでなく、一定期間を経ても問い合わせが一向に減らなかったのです。

営業店では、本部へ問い合わせしても照会が混雑している、担当者不在等の理由により迅速に回答が得られない、新銀行の事務が定着していないため生産性が低下するなどの課題がありました。一方、私たち本部においては、問い合わせ対応が重なると安定した回答を行うためのリソースを確保しきれず、営業店への回答に時間がかかってしまう、問い合わせ対応に多くの時間を割かれ、注力すべき企画推進が困難になるといった課題がありました。

結果として、人手が不足したまま課題が解決されず、その対策も打てない悪循環が続いていました。

そういった中で私たちが問題解決の主軸に置いたのは、問い合わせ件数の削減、FAQのデータ化とその蓄積、そして営業店内で疑問を自己解決できる基盤構築の3点です。これらを実現するための手段として、BEDORE Conversationが最適だと判断しました。

―BEDORE Conversationに焦点をあてたのはなぜですか。

藤井様:上記のような背景から、事務統括部から率先して施策を打つことで、銀行全体のデジタル化推進や業務改善のきっかけを作りたいと考えていました。
その一歩目として、他の手段と比べて手軽で導入しやすい印象があったことや、今後行内チャットとの連携やRPA活用といった構想にもつなげやすいことなども鑑みて、BEDORE Conversationという結論に至った形です。

小西様:導入を検討する手順としては、各社のツールを比較し、導入メリットなどを大まかにリサーチしました。機能性や強みについて考えながら先行事例を見ていき、改めて活用が重要だという結論に達しました。
FAQを作るのであれば、電話で対応している問い合わせに関してもデータ化しなければなりません。実際に窓口になる営業店へのアプローチも必要が出てきたところで、板倉の指導面からのサポートも大きな役割を果たしました。

板倉様:BEDORE Conversatio導入に至る以前、紙によって蓄積されていた電話による問い合わせ内容について、行内イントラに質問を送ってもらい、回答入力してデータ化するといった取り組みも並行して進めていました。
こうした取り組みの集大成として、BEDORE Conversation導入を迎えたため、非常にスムーズに構築を進められました。

スピーディなリリースを実現した充実のサポート

―BEDORE Conversation導入の選定ポイントを教えてください。

藤井様:選定の際に重視したのは、回答精度、管理画面が使いやすさ、そして導入後のサポートの3点です。

1つめは、回答精度についてです。BEDORE Conversationは採用企業数や活用事例が多く、先行で他銀行の利用例もあったことから、回答精度に対しては信頼感がありました。

2つめは、管理画面の使いやすさについてです。デモ操作画面で実際に操作してみて、システムに触ったことがない人でも容易に操作できることを高く評価しました。専門的知識が要らないということは、日々のチューニングも楽ということです。
非常に操作しやすく、個人的にはユーザビリティに長けていると感じました。こういった実体験から、運用側の定着も見込めると予想ができました。

3つめは、導入後のサポートについてです。導入時のFAQ作成から密にコミュニケーションを取り、丁寧に対話してくださったことが選定の決め手になったと思います。全国の地銀との実績もあることから、これからもサポートしていただけるという安心感があるのも決め手でした。

板倉様:最初は新たなシステムを使いこなせるのか、という不安もありましたが、複数回にわたって導入前の説明機会を設けていただいたことで不安は払拭されました。直感的に理解しやすく使いやすい画面と、丁寧なサポートがあり大変助かりました。

―リリースまでの流れを教えてください。

藤井様:2021年11月に導入を決定し、FAQ作成からエンジン構築までを約3ヶ月で進めました。2022年3月からテストを実施し、3月末に営業店にリリースしました。スピード感のある駆け足でのプロジェクトでしたね。

苦労したのは、FAQ作成と、クラウドサービス導入の工程です。前者に関しては、事務統括部の行員から、初期FAQとして約900件のFAQが集まりました。FAQの内容もさることながら、課を横断しての取り組みとなったので大変価値がありました。

また、後者に関しては、金融業界特有のセキュリティへの配慮が必要なため、リスク管理の徹底に時間がかかりました。

―クラウドサービス導入をクリアできたポイントを教えてください。

金融機関は特殊な事業なので、導入の前例がない中でのクラウドサービス導入はやはり大変でした。過度に情報セキュリティやリスク管理を重視してしまうと、結果としてユーザビリティが損なわれる恐れもあります。例えば、インターネット環境に接続する際にパスワード認証が必要なのですが、クラウドサービスを利用する際に毎度その手間が発生するとなると、今すぐ質問したい場合は煩わしさのようなものが出てきてしまいます。どこを改善すればそういったストレスを解消できるか、議論を重ねました。

結果として、課題を一つずつ丁寧につぶしていくことで、クラウドサービスへの理解が深まり、クリアすることができました。

―質問しやすいBEDORE Conversationにするための工夫はありますか。

藤井様:当行のイメージキャラクターであるポムポムプリンを起用しました。質問者に寄り添った、質問しやすい雰囲気を作るための工夫です。
あまり堅苦しい雰囲気にならないのが選定のポイントでした。行員の中でもポムポムプリンは好評です。

BEDORE Conversation構築いただいた質問者側のインターフェース

銀行全体のDX化に結びつく成果を実感

―リリース後の成果はいかがですか。

藤井様:現在は、主に渉外担当が利用するiPadと、誰でも活用ができる行内イントラでの設置を目指しています。
現状では、iPadでの利用のみにとどまっており、行内イントラへの設置は第二フェーズとして取り組みを進めています。
現行ではiPadでの活用に限定したサンプル値となりますが、現在の自己解決率は70~80%となり、過去の質問総数に占める割合としては、リリース時期1ヶ月で10%程度がBEDORE Conversationへ移行出来ています。

具体的な数字をあげると、電話を除いた事務統括部への問い合わせが月1,500件程度、BEDORE Conversationでフィードバックがあるのが200件程度という数値から算出した概算です。
ここを50%まで引き上げていくのが、今後の目標です。

鈴木様:緊急性の高い問い合わせについては電話、それ以外はBEDORE Conversationで、と問い合わせの棲み分けができたのも成果のひとつかもしれません。
また、問い合わせ内容の傾向を把握することで、事務企画課が今後打ち出すべき施策のヒントを得る仕組みもできました。

今回のプロジェクトは本部が主導して進め、期待していた成果を得ることができ、ある種の達成感がありました。
BEDORE Conversationへの取り組みは表面的には営業店の課題解決の手段ですが、本部にとっても価値の高いものでした。今後も活用し続けることで精度を高めていき、インフラとして定着させていきたいと考えています。

―BEDORE Conversationの活用で大切にされていることを教えてください。 

丸井様:BEDORE Conversationで対応できることに興味を持ち、問い合わせをいただけることが増えてきました。
これが広まり、銀行全体にBEDORE Conversationが普及していけばいいな、と考えています。

藤井様:一問一答でクリティカルに疑問を解決できるよう意識しています。
「あとはここを参照してください」という終わり方にならないよう、なるべく問い合わせと回答を分解し、簡潔になるような構成になるよう努めています。

―今後の展望をそれぞれのお立場から教えてください。

丸井様:銀行業はお客さまとの対話に力を注ぐべき仕事です。だからこそ裏側のコスト削減を徹底し、最少人数で最大限のサービス提供を実現できる仕組みを作ることが大切です。
今後もBEDORE Conversation活用を通じ、人の手を使わないDXを目指します。

板倉様:私の立場としては、まず営業店の皆さんにBEDORE Conversationを定着させること、その利用を拡大させることが当面の目標です。お客さまをお待たせしてしまわないよう、より質問に早く対応できる状態を作っていきたいです。

鈴木様:BEDORE Conversationを育て、気軽に質問できる「先輩」のような身近な存在にしていきたいですね。これからは定着から改善のフェーズへと変化していくことも見越しつつ、きちんとデータを管理し、最新技術を取り入れながら利活用を続けていきます。

藤井様:今回の取り組みを通じ、私たちがミッションに掲げる業務効率化に対して確かな成果が得られました。これからもさまざまな挑戦を重ね、コスト削減や最適化に寄与していくと共に、私たちの働きを周知していくことで、DXに対する前向きなマインドを銀行全体に広げていきたいです。

小西様:昨今、お客さまの多くは手続きに行かなくてもいい利便性を求めています。支店の窓口以外でお客さまと銀行をつなぐコミュニケーションツールとして、BEDORE Conversationは重要な役割を担うことができると感じました。
銀行全体としては、お客さまに選ばれる銀行であり続けるために、今後も一体感をもって新たな取り組みに挑戦していきます。

以上、ありがとうございました。

三菱商事株式会社 - 全従業員への展開、Digital Workplace構想で余白時間を作り出す

インタビュイー

  • ITサービス部 部長代行 兼 インフラチームリーダー:河原 義徳 様
  • ITサービス部 ITインフラチーム:山崎 由加里 様

※2021年度の所属部署、役職になります

会社概要

  • 業種    :総合商社
  • 事業内容  :天然ガス、総合素材、石油・化学ソリューション、金属資源、産業インフラ、自動車・モビリティ、食品産業、コンシューマー産業、電力ソリューション、複合都市開発
  • 導入サービス:BEDORE Conversation for Workplace
  • 導入目的  :さらなる社内問合せ対応業務の効率化、全社の生産性向上

課題

  • ユーザーは自然文検索も単語検索も行うため、双方の検索に精度高く回答できる仕組みが必要
  • 増加し続けるFAQと問合せに対して、効率的に回答精度を向上するチューニング手段が必要

効果

  • 月間利用者数:3,000~3,500名、月間検索数:23,000~26,000件 
  • AIチャットボットの設置によるユーザビリティの向上
  • SAML認証によるシングルサインオンの実現
  • ユーザーからのアンケート回答率が、1%から約10%へ向上

 

会社、ご担当者様の紹介

ー 会社概要について教えてください。

三菱商事は、世界約90の国・地域に広がる当社の拠点と約1,700の連結事業会社と協働しながらビジネスを展開しています。 天然ガス、総合素材、石油・化学ソリューション、金属資源、産業インフラ、自動車・モビリティ、食品産業、コンシューマー産業、電力ソリューション、複合都市開発の10グループ体制で、幅広い産業を事業領域としており、貿易のみならず、パートナーと共に、世界中の現場で開発や生産・製造などの役割も自ら担っています。

ー みなさん、どのようなミッション、業務を担っていらっしゃいますか?

ITサービス部では、ITインフラの整備やシステム開発に加え、業務プロセスや既存ビジネスのデジタル化推進をミッションとしています。また、三菱商事グループや海外現地法人のへのサポートも一部行っています。

 

三菱商事のDigital Workplaceについて

情報・知恵・人的ネットワークをデジタル化し、個人の構想力を引き出す Digital Workplace 構想

河原様:もともと弊社では2015年頃から「情報・知恵・人的ネットワークをデジタル化し、個人の構想力を引き出す環境づくり」をミッションに掲げており、3〜4年ほど前から「Digital Workplace構想」として本格始動しました。本プロジェクトは事業を構想、実行するための余白時間を作り出すことをコンセプトとしており、あらゆる業務の細かい作業をデジタルに置き換えられないか、日々模索しています。プロジェクトの立ち上がり当時は、クラウドサービスを活用していく時代になった今、各部署でどのように業務効率化できるのかを検討していました。

山崎様:「Digital Workplace構想」により、足元で業務のデジタイズが少しずつ推進されていきましたが、新型コロナウィルス の感染拡大の影響で、在宅勤務体制を取り入れたことが追い風となり、デジタイズの動きが更に加速しました。

 

既存検索システムからのリプレイス

ー 業務環境の多様化にともないFAQの需要・期待値が増加

山崎様:実はこれまでもAIエンジンを使った社内FAQの検索システムは導入していたんです。 高性能なエンジンのおかげで、膨大なFAQからユーザーが求める回答を一定の精度でヒットさせることに成功していました。

既存の検索システムで問合せ対応業務は十分行えていたものの、 在宅勤務の開始をキッカケに、自己解決ツールとしてのFAQの需要や期待値が高まり、下記のような検索システムに対する課題への取り組みとして、リプレイスの検討が始まりました。 勿論、背景にDigital Workplace構想のコンセプト「事業構想や実行の余白を作る」があったことも大きいです。

① ユーザーは自然文検索も単語検索も行うため、双方の検索に精度高く回答できる仕組みが必要

② 増加し続けるFAQと問合せに対して、効率的に回答精度を向上するチューニング手段が必要

 

半年間のPoCを経て、10社コンペから精度・運用性・拡張性の観点でBEDOREに決定

ー 各社システムにて同じ状況を構築、統一したデータによる入念な検証を実施

河原様:まずは10社程度リストアップして、打ち合わせ内で機能比較やそれぞれの課題を整理し、最終的に2社(PKSHA Workplaceと他社1社)まで絞りました。そして、今回最も重視していた精度比較をそれぞれで実施し、その結果をふまえBEDOREのチャットボットを選びました。

山崎様:PoCの実施体制や特に注視したポイントは、「言語処理能力の高さ」「学習チューニングの運用性」「機能の拡張性」の3点です。

従来抱えていた課題から、回答精度を向上に繋がる「言語処理能力の高さ」「学習チューニングの運用性」は特に重視しましたし、 中長期的な活用を視野に「機能の拡張性」も考慮しました。 そのため、可能な限り既存システムと同じデータや状況でPoC環境を構築し、本番導入時の使用イメージや運用像を固めながらPoCを行 い、回答精度を精緻に測定しました。

ー 初期時点での圧倒的な精度、更なる精度向上に向けた改善機能の充実性が決め手に

山崎様:PoCの結果、高い回答精度を確認できたBEDORE Conversation for Workplaceを導入することを決定しました。 定量的に高い精度を確認できたことに加え、これを裏付ける言語処理能力や学習機能といった定性的な情報についても納得感をもって理 解できたことも要因の1つです。

また、機能面でもQAのカテゴリ内検索(人事、総務、ITインフラ等)が可能であったり、PC・モバイルのWebブラウザに加えてTeamsとも連携可能であったりと、端末や環境を選ばず、ユーザーの多様な利用シーンに柔軟に対応できる「ユーザビリティの高いシステム」を構築できると考えました。

さらに、弊社認証基盤システムとの連携によりシングルサインオンが実現できる事も大きなポイントでした。

 

こだわりが詰まったAIチャットボットの詳細について

ー 洗練されたWebサイト、チャットウィンドウの動線・デザインを設計

河原様:今回はチャットボットだけでなく、チャットボットを設置する専用のWebサイトも併せて作成いただきました。選定理由のとおり、ユーザビリティが高いシステムを構築する事は導入にあたり重要事項でした。優れた性能を持っていても使われないと意味がないため、様々な環境からアクセスできる事に加えて、感覚的に使用できるUIを目指し、シンプルなデザインや操作性にカスタマイズしたWebサイトを作成したかったんです。

三菱商事様チャットボット専用Webサイト(TOP〜質問するまでの遷移)

社内ポータルにログインすると上記のようなWebサイトにアクセス可能となり、ここからFAQを検索していく流れです。

ー 社員の機会損失削減を見据えたストレスフリーなUIへ

河原様:Webサイト作成時のUI設計には議論を重ねました。1クリックでも早く回答にたどり着き問題を解決することが社員の機会損失を削減すると考え、ストレスフリーなUIとなるよう心がけました。

山崎様:「1クリックでも早く回答にたどり着く」ことに対しては、例えば、一般的には左から右に文章を読み進め、わからない場合は再度検索しますが、右下で視点が終わると考えて画面右側にチャットウィンドウを設置した方が良いという結論に至りました。それ以外にも、回答候補が何件表示されれば一番ストレスが少ないか、など、細かく話し合いましたね。

河原様:また、弊社認証基盤システムとシングルサインオンを実装するための条件としてSAML認証が必要だったため、実装方法の検討は時間をかけて行い、想定外の挙動が発生した都度調査と変更対応を行いました。その際も丁寧にサポートいただき、とても助かりました。

ー オリジナルキャラクターのBRIGHT(ブライト)についても教えてください!

河原様:名前、デザイン、チャットウィンドウトップのロゴは、全てプロジェクトメンバーが考えて生み出してくれたものをそのまま採用したんです。

山崎様:特にキャラクターの名前は、メンバーのみんなでアイディアを何個も出し合って、最終的に「BRIGHT」に決まりました。「BRIGHT」には聡明という意味もあれば、輝きという意味もあるので、このFAQシステムにぴったりなものとなりました!

ー リリースから約2ヶ月で月間3,000~3,500名の利用者数

山崎様:特別なことはしておらず、長年の草の根活動だと思っています。まず電話で問い合わせる前に自己解決をしようというキャンペーンは、チャットボットの導入前からあらゆるシーンで社員の皆さんに伝え続けてきました。これまでインフラ関連のお知らせを通知する際も、必ず「まずはヘルプデスクページをご参照ください」と徹底してきたので、その結果もあって、現在コールセンターへ直接問い合わせする前に自身で調べてくれている方が8割を超えているんです。

 

リリース後の変化・PKSHA Workplaceによるサポートの印象とは

ー 試行錯誤の末に作成したAIチャットボットにより、ユーザーのアンケート回答率も1%~約10%へ大幅UP

山崎様:回答文とセットで表示されるアンケートへの回答率が、以前より非常に向上しています。以前のチャットボットでは全体の1%程度でしたが、まだリリースをしてそこまで時間が経っていない中で、すでに約10%の回答率となっています。ユーザーからのフィードバックをもとに精度改善に向けたチューニングができるので、ここはさらなる向上を目指していきたいです。

やはり、こだわりの詰まった分かりやすいUIや、親しみやすいキャラクターデザインが大きく起因しているのではと推測していますね。

ー 運用方法や新機能提案において、スピーディかつ丁寧なサポートを実感

また、PKSHA Workplaceのサポートにつきましても、要望や課題に柔軟かつ迅速にご対応頂き非常にやりやすく感じています。システムの運用方法のご相談にも手厚くサポートいただいたおかげで、本番導入をスムーズに迎えられたと思います。

今後も引き続きサポートいただくとともに、積極的な新しい機能のご提案などをいただけることを期待しています。

 

三菱商事が目指すチャットボットの未来

ー 経費精算、ワークフローの申請〜承認を自動化し、チャットボットをコンシェルジュのような存在へ

河原様:検索精度の更なる向上に加え、定常業務の効率化に寄与できるようなコンシェルジュとしての機能拡張を検討しています。QA案内だけでなく、チャットボットがユーザー作業をサポートし、生産性の向上に繋がることを目指していきたいですね。例えば、経費精算の申請をチャットボット上で受け付けることができる等、対話型の機能を活かした活用法も取り入れていきたいと考えています。

また、それ以外にも様々な社内システムとの連携を検討しており、その最初の取り組みとしてワークフローシステムとの連携を進めています。ワークフローの申請承認時、承認者がチャットボット経由で未承認リストを確認できる仕組みを想定しており、実装できれば、申請者、承認者双方に大きなメリットを感じてもらえると感じています。

あとは現状リリース済みの専用Webサイトに加え、今後Teamsでの公開も控えているので、他インターフェースで問題なくリリース、運用していくことも目標としています。

 

最後に一言お願いいたします。

今回の導入検討にあたり、既存チャットボットや他社製品と比較し、BEDORE Conversation for Workplaceは、 弊社の抱えていた課題を解決するだけでなく、その後の活用も期待できることから正式導入に至りました。 今後も、サービスの持つ機能拡張性や発展性を活用し、継続してユーザー利便性の向上を進めていきたいと考えております。

 

以上、ありがとうございました。