立命館アジア太平洋大学様

英語対応したAIチャットボットをヘルプデスクの窓口としてグローバルに採用!世界中の入学希望者・学生・職員に向けた新たなコミュニケーションインターフェースを展開!

導入サービス PKSHA Chatbot
業種 大学
活用対象 一般ユーザー
導入目的 問い合わせ対応の効率化、学生とのコミュニケーションの充実
立命館アジア太平洋大学様

アドミッションズ・オフィス(国際)課長 大嶋 名生様
アドミッションズ・オフィス(国際)シニア・アドミッションズ・カウンセラー 政 伶和様
アドミッションズ・オフィス(国際)サードナ様

大学、ご担当者様の紹介

大学概要について教えてください。

大嶋様 日本の多くの大学は日本人学生への教育がメインで、一部で学位取得を目的としない短期・非正規留学生を受け入れているのが一般的です。いっぽうAPUは学位取得を目指す世界中の正規生をターゲットにしています。APUの構成として学生や教員の多様性を前提にしているため、世界中の志願者と24時間満遍なくコミュニケーションが発生する環境です。

大学、ご担当者様の紹介

どのようなミッション、業務を担っていらっしゃいますか?

政様 私はアドミッションオフィスの募集活動関連のシステム全般を担当しています。出願する際に利用するシステムや顧客管理ツールのデータを使って情報を発信しながら学生募集に活かすところの管理が主な役割です。

サードナ様 募集業務やデジタルマーケティングに関わるデザインされたEメールの送信やWEBサイトでの情報管理などを担当しています。また、PKSHA Chatbotのログ振り分けや改善に関する業務を行なっております。

課内の通常業務がある中、問い合わせメールの増加が顕著になり、業務効率化が急務に

AIチャットボットを通じて満足度向上を実現

大嶋様 APUには現在94カ国・地域から学生が学んでいます(2022年5月1日現在)。世界中の多様な学生とのコミュニケーションのため、従来のメールや電話だけでなく、なにか疑問があればすぐに質問ができるチャットボットのような手段があることは、顧客満足度向上につながると考えました。また、私たちにとってさまざまなコミュニケーションをつうじた満足度を高めることは、デジタルマーケティング的な側面を持ちます。コミュニケーションのデータを活用すれば、APUに対する関心が高い層に対し、イベント情報の発信や問い合わせフォームへの誘導などの施策を打ち出せるためです。そういった観点でも、AIチャットボットサービス導入によるデータ活用が効果的だと考えました。

政様 きっかけとしては簡単にデジタル化ができるということもあったのですが、問い合わせメールが多くてそれの対応に時間がかかり、コロナ禍ということもあり課内のタスクが全体的に増えてきている中でどうにか少しずつ業務を効率化できないかと思っていたのでそこが一つのポイントだと感じています。

繰り返し発生する問い合わせをAIチャットボットへ移管、緊急性の高い業務へのリソースシフトを検討

世界の潜在的な学生たちとのコミュニケーションのハブに

大嶋様 立命館大学の業務改革の一環として、AIチャットボット活用の方針がすでにありました。それを受けて、立命館大学の姉妹校である我々APUでも何かできることがないかと模索していく中で、今回のようなプロジェクトが発足しました。私たちは「世界の潜在的な学生たちと多様かつ迅速にコミュニケーションをとる」ことをミッションに掲げています。そのうえでAIチャットボットは価値が高いと考えました。

今までAPUは学生募集・入試広報のデジタル化を進めており、入試システムや出願書類も完全オンライン化を実現してきた背景もあり、世界でのマーケットで潜在的な入学希望者達とコミュニケーションを取るための一つの手段としての可能性がPKSHA Chatbotにあると思い導入しました。

繰り返し発生する問い合わせをAIチャットボットへ移管、緊急性の高い業務へのリソースシフトを検討

繰り返し発生する問い合わせを自動応答化を検討

鈴木様 実現したかったのは、学費関係の問い合わせの一部に関してチャットボットを導入することで、学生への支援リソース確保や問い合わせへの24時間対応可能な環境を整備したいということでした。例えば、学費納付の締め切り間近になると、多くの「納付書を再発行して欲しい」といった問い合わせが寄せられます。大学側は早めに郵送するので、なくしてしまう方も多いようです。一方で経済的に追い込まれ、学費の支払いが本当に難しい学生もいます。
問い合わせ数が増えると、こういった支援が必要な学生への緊急支援といった対応にリソースが充てられなくなるため、繰り返し来る問い合わせへの対応の効率化が課題となっていました。また基礎的な問い合わせに対しては24時間チャットボットでタイムリーに応答できる仕組みを整えました。

大嶋様 世界的に見ればデジタルでの迅速な学生募集は当たり前になってきていて、APUもそれに倣って今回PKSHA Chatbotのような新しいものに挑戦していくことで、コロナも乗り越えてこれたと思っています。チャットボットが世界的なスタンダードなのかは分からないですが、コミュニケーションを取るためにメールや電話以外のツールで満足度を高めつつ、世界中の志願者と関係性を作っていくということができると考えています。

世界中のユーザーを意識したインターフェースを構築

使用端末に合わせたインターフェース設計を実施

鈴木様 実際に使うメンバーのほか、同僚や協力会社の方に実際に使ってもらい、客観的なユーザー視点の意見を集めることを意識しました。ただ、この中では肯定的な意見が多く、特に大きな修正ポイントはありませんでした。
また、インターフェースにおいて工夫した点としては、PCとスマートフォン、それぞれの端末ごとに使いやすいよう、インターフェースを変えることにしました。スマートフォンの縦画面の場合は右下に、パソコン画面では中央に(ボタンが)出るようフロント制御しました。

日本語版と英語版のFAQを搭載。英語独自のチューニングを推進

サードナ様 多言語という点でひとつ挙げるとすれば、英語での問い合わせで、スペルミスが原因で回答が出てこないケースがあります。ログを確認する中でスペルミスが原因で回答が出てこないケースがあることに気づいたので、ミスが起こるスペルについて類義語登録を丁寧に行うことで、回答候補が出るようにチューニングを上手くしていきました。

政様 上手くFAQの候補が出ないことに対して、英語のFAQではスペル間違いもあえて類似の質問に加えたりしています。ここは英語ならではの面白い工夫だと思っております。

世界中のユーザーを意識したインターフェースを構築

Web制作会社とも協働しながらホームページ側の構成も考慮しながら全体設計を実施

政様 今回相談させていただいたWeb制作会社は、ホームページの構築から携わっていただいている会社です。あまり多くの会社の方とコミュニケーションを取ると混乱が起きてしまうことが想定されたので、AIチャットボットのデザインや構築も併せて依頼しました。

AIチャットボットを上手く活用するための施策の検討

政様 一単語で質問をされた場合には候補が出てこないという課題があり「三単語以上で質問をしてください」といった文言を入れる等の工夫をしています。類似の質問を優先順位を決めて効率よくFAQへ登録していく過程も重視した取り組みの1つです。自己解決できる割合を高めていくためにも、FAQの質を上げていくために考えています。

サードナ様 英語のユーザー(大学生)が間違っているスペルで検索するケースも多く、ログ振り分けのタイミングでユーザーからの質問文をそのまま類義語登録できる機能は便利です。ユーザーが頻繁に使うキーワードを登録する取り組みも実施しており、ユーザー目線のワードを入れた方が利用数も上がると実感しています。

日々のチューニングを欠かさず行うことで、定量的な成果を着実に出すことに成功

導入半年で高い自己解決率を実現

鈴木様 オフィスへの学費関係の問い合わせは春と秋に増え、PKSHA Chatbot導入前は各時期でおよそ1,600件程度の問い合わせがありました。それが導入半年で迎えた初回の秋では1,000件程度まで減ったので、チャットボットの導入でおよそ4割減という成果を出すことができました。
また、担当者である我々も他の業務に充てられる時間が増えたという実感があります。定形的な質問が減ったぶん、本当に助けやコンサルが必要な学生に集中できているのが一番大きな成果です。

政様 自己解決率については、2022年5月は86%、6月は87%といずれも高いスコアを達成しており、この成果が私たちのモチベーションにもつながっています。
PKSHA Chatbotをより良いものにしていくことはもちろんですが、学生との対面コミュニケーションなどを能動的に実施しているところもこの成果につながっていると考えています。
また、学部の問い合わせメールが2019年、2020年の9、10、11月が繁忙期でたくさんの送信数があったためそこを改善していかないといけない状況でした。PKSHA Chatbotを導入してから直近の4、5月は100件以上メールの送信数が減ってきているので、改めて導入して良かったと感じております。

大嶋様 導入しても利用が少ないと意味がないので、マーケティングチームや広報チームがWEBサイトのアクセス数などを分析し、利用してもらうための工夫を色々実施しているところではあります。今のところ、私は投資以上の成果が出てきているなという風に思っております。

日々のチューニングを欠かさず行うことで、定量的な成果を着実に出すことに成功

チューニング体制を複数部署の協力を得ながら組織

鈴木様 学費関係への体制としては、私とペアの事務職員の方の二名で回しています。チューニングは私一人で担っているので、問い合わせが集中する時期が過ぎたあと、集中的に見直しをやっています。

政様 アドミッションズ・オフィスの担当の体制は、日本語の対応を私ともう1名の担当者、英語の対応をサードナともう1名の担当者という形で、各言語2名ずつの計4名で対応しています。

利用率改善を行い、4月・5月で利用状況が大幅に増加

政様 導入後の利用率が伸び悩んでいたので、より利用率を高めるための改善を試みました。学生周知の必要があるかなど施策を検討する中で、まず学生に実際のインターフェースを見てもらうことが大切だと考えました。いくつかの企業様や大学様の例などをお伺いしていき、色を統一させたりページを開いた5秒後に自動で立ち上がる設定にしたところ、4~5月にかけて利用率が急増しました。
具体的には5月まで有効リクエスト数が200〜500件だったところ、5月に入って1,300件、6月は月中で既に1,900件近く伸びており、この施策が利用率改善に対してとても効果的だったと感じています。また、メールコミュニケーションでのフッターにもPKSHA Chatbot開設についての文言を追記しました。さらに、オンライン説明会で使用するスライド資料のクロージングで、「もし何かあれば、AIチャットボットへお問い合わせください」といったメッセージングもしています。こうした様々な施策が利用率増加へとつながったのでしょう。

今後の展望

理想的な大学構想を目標として、大学全体で取り組みを推進

鈴木様 現場目線では、自己解決率を高めていくところと、FAQの精緻化を進めたいです。
また、長期のDX化というところで言いますと、学生たちに配布したTeamsとの連携を強化し、PKSHA Chatbotで解決できなかった複雑な問い合わせを有人対応に切り替え、さらに会話が必要な相談内容であればZoomをつなぐというように、オンラインですべての対応が完結するのが最終的な理想の形だと考えています。これが実現できれば、履歴データをFAQの精緻化に結びつけていくこともできるでしょう。

サードナ様 ログを振り分けていると、私たちの想定外の質問なども入ってきています。そういった情報をもとに、前もって情報を準備しておいたり、イベントの情報をこちらから届けたりといった施策を打てるようにしていきたいです。

政様 私はPKSHA Chatbotのほか、さまざまなツールを活用しつつ、それを学生募集につなげて結果に結びつけていくことに貢献していきたいです。また、日英双方のFAQを持つAPUだからこそ生み出せる運用方法などを模索し、PKSHA Chatbotの可能性を広げていきたいとも考えています。

大嶋様 APUが実現したい世界観は、AIチャットボットやそのほかのデジタルツールだけで実現できるかといえば、そうではありません。リアルでのフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションとデジタルコミュニケーション、双方の充実を追求し、つなげていく必要があると考えています。
APUでは、国によってはスタッフが出向き、現地でリクルート活動を行っています。したがって、即時性の高いPKSHA Chatbotを活用しつつ、そこで得られたデータを活用して現地の担当者の活動につなげていくような構想を描いています。また、学生募集で最も大切なのは、在学生や卒業生の活躍をいかに伝えるかというところです。それがAPUの評価のコアだと捉えていますので、そこを存分に伝えられるデジタルの接点を作っていきたいと考えています。

今後の展望

最後に一言お願いいたします。

大嶋様 PKSHA Chatbotだけでデジタルマーケティングを進展させることはできません。やはり我々は、リアルとデジタルの両方を追求しなといけないと思っています。学生募集には在学生や卒業生が活躍している姿をどう適切かつ迅速に伝えていくかという点が欠かせません。PKSHA Chatbotを含め、即時性のあるコミュニケーションツールでの関係を作ることによって、他の大学にはないAPUの魅力を伝えていきたいです。

政様 問い合わせメールの対応を減らすことが一番のミッションでもあり、PKSHA Chatbotや他のツールを使いながら最終的には学生の募集、確保に繋げていけると思うのでそこで結果として現れればいいですね。
特に日本語と英語の両方を構築しているので今までPKSHA Workplaceさんでは考えていなかった新しい発見(PKSHA Chatbotの機能に捉われないフェーズ)を見つけていただき、今後も提案いただきたいと思っています。

サードナ様 ログの振り分けをしてみて今まで課題と感じていなかった質問もたくさんあり、大学側のスタンスとして質問を待つよりも先にWEBサイトなどに情報をアップしていきたいです。
また質問の回答だけではなく、大学に関する情報やイベント情報などをPKSHA Chatbotを通じて発信していきたいと思います。

今後の展望

以上、ありがとうございました。

社名 立命館アジア太平洋大学
事業内容 教育、学修支援
設立 2000年4月
URL https://www.apu.ac.jp/home/

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