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投稿者: bedore_admin

<9/6開催ウェビナー> 〜ボイスボットとIVR・音声認識の違い〜 ボイスボットのメリットと役割、活用法

BEDORE Voice Conversationにご興味がある方向けのセミナーを開催いたします。

<8/30開催ウェビナー> ~事例に学ぶ~コールセンターの業務効率化を実現するボイスボット活用方法

BEDORE Voice Conversationにご興味がある方向けのセミナーを開催いたします。

【8/24 開催セミナー】銀行DX(顧客接点、満足度拡大)に向けた取り組み事例
〜AIチャットボット活用とFAQプラットフォームのご紹介〜

【8/26開催セミナー】
東京理科大学のデジタル化施策に学ぶ、
2022年の大学DXの今
~BoxとAIチャットボットの活用で学生サービスを向上~

理想科学工業株式会社 ー AIチャットボット導入をきっかけにバックオフィス全体のDX加速へ

インタビュイー 

  • コーポレート本部 情報システム部 部長 杖池 雅史様
  • コーポレート本部 情報システム部 IT推進課 課長 伊藤 敦宏様
  • コーポレート本部 情報システム部 IT推進課 中山 滉平様

会社概要

  • 業種    :製造業
  • 事業内容  :プリンター/デジタル印刷機/周辺機器、スクリーン製版機、スクリーンインク・その他印刷関連製品の開発、製造、販売を事業として展開
  • 導入サービス:BEDORE Conversation
  • 導入目的  :バックオフィス全体の問い合わせ管理一元化、および全社の新たな働き方改革に伴うチャットボットの活用

導入前の課題

  • 定型的な問い合わせ対応へかかる工数が多い
  • コロナの影響による電話での問い合わせ対応不可

導入効果

  • 情報システム部から全社への展開実績
  • これまで手作業で残していた問い合わせ履歴が自動で管理画面に蓄積されるようになり工数が削減
  • バックオフィス全体にくる問い合わせが、一つの管理画面上で管理・運用できている
  • 新型コロナウィルス関連のFAQ化、細かいフロー設計による詳細な感染時対応手順の提示

 

会社、ご担当者様の紹介

ー 会社概要について教えてください

理想科学工業株式会社は、終戦翌年の1946年に謄写印刷業として創業しました。現在では、「世界に類のないものを創る」を開発ポリシーとし、独自の製品・サービスを提供しています。

理想科学の主力製品は、高速カラープリンター「オルフィス」とデジタル印刷機「リソグラフ」です。「オルフィス」は、カラーを安く気軽に使ってもらえる高速プリンターです。企業はもとより、学校でも導入され、カラー教材のプリントなどに活用されています。

主に学校市場で活躍する「リソグラフ」は、1980年に誕生。それまでは、謄写版印刷機(ガリ版)や輪転機で先生方がインクで手を汚しながら教材を印刷していました。手を汚さず、コピー機のような使い勝手で印刷できる画期的な「リソグラフ」は日本中の学校に広まっていきました。現在では190以上の国や地域の教育機関、官公庁、企業、コミュニティーなどでご活用いただいています。

これらのペーパーコミュニケーションを支える機器のほか、学習教材「よみとき新聞ワークシート」、連絡アプリ「スクリレ」などのサービスを展開。デジタルコミュニケーションの側面からも教育現場の支援を行なっています。

ー みなさん、どのようなミッション、業務を担っていらっしゃいますか?

杖池様:情報システム部 IT推進課では、全社のDX推進をミッションに様々なソリューションの検討、導入に向けて日々業務に邁進しており、私は本部署で部長を務めています。

伊藤様:同じく本部署で課長として、弊社の作業効率化のためのデジタル推進を進めています。

中山様:私はチャットボット導入という本プロジェクトと、弊社工場のIoT周りを担当しています。

 

コロナによる出社制限で変化した問い合わせ

ー 在宅勤務により「誰にどう質問すればよいかわからない」という社員の不安増幅

杖池様:まず、新型コロナウィルスで働き方が変わる以前から、電話での問い合わせ数の多さは弊社の課題でした。日常的に聞こえてくる電話対応の内容は、例えば「伝票の記入の仕方」のような単純なものが多く対応者がいつも同じ回答をしている状況でした。そういった定型的な質問に対する対応は自動化していきたいと感じていたんです。

そんな中、コロナの影響で働き方が変わり、出社制限によって電話対応ができなくなりました。社員たちも誰にどう質問をしていいかわからない、メールで問い合わせして回答を待つしかない、という状況になり、そのタイミングでチャットボットの導入を急速に進めたという背景です。

伊藤様:在宅勤務の開始によって、これまでなかった「VPNの接続について」のような在宅勤務関連の問い合わせも増えていたので、チャットボットの導入は、まさに今必要だと思いましたね。

ー 定型的な問い合わせに繰り返しかかる対応時間の削減に向けて

伊藤様:杖池がお伝えした「定型的な問い合わせ対応に時間を割いてしまう」ことに加え、当時は非定型な内容の問い合わせに対する回答を、他メンバーに共有できていませんでした。電話の問い合わせに対して全員が一次受付できるような体制です。その後、複雑な内容については各システム担当に引き継ぎをするフローですが、引き継ぎ後どんな回答をしているのか不明なため、情報システム部全体における知識の底上げと対応力の向上が必要な状態でした。これはチャットボットを導入した今でも、引き続き意識的に向き合っていく課題と捉えています。

それ以外だと、導入前は問い合わせ対応の履歴を全件残せていなかったので、その点もチャットボットで解消できた課題でした。

複数社を比較し、日本語理解の精度に惹かれBEDORE Conversationに決定

ー 極めて高い日本語の認識精度、ユーザー・管理者双方の視点から見た使いやすさの観点から、3社比較の末PKSHA Workplaceに意思決定

杖池様:2020年6〜7月頃から、複数社のチャットボットを調査し始め、同年10月頃に御社からお声がけいただき、PKSHA Workplaceのチャットボットについて詳しく話を聞きました。そこで是非使ってみたいと感じ、1ヶ月間のPoCを実施して実際に使い勝手を確認した後、予算を組み、2021年から本格始動したという流れでした。

中山様:そもそも、問い合わせ対応に関するソリューションとして、チャットボットかヘルプデスク系のFAQサイトどちらが適切なのかを最初に検討しました。そこで、世の中の浸透度的にチャットボットの方が導入後社員もすぐに受け入れ、継続的に使っていけるのではと感じ、チャットボットを選択しました。

そして、どのチャットボットを使うか考える際「日本語の認識精度が極めて高い」独自のエンジンを持つBEDORE Conversationが目に留まりました。計3社を比較していましたが、BEDORE Conversation以外は海外のAIエンジンだったため、日本語の表現、言い回し等に対応できるのか不安に感じていた部分もあったんです。

その後PKSHA WorkplaceのチャットボットをPoCで実際に触り、精度はもちろん、ユーザー視点・管理者視点から見た使いやすさという観点でも非常に好評だったので、導入の意思決定をしました。

ー ユーザー視点で感じる細やかな機能が多数

中山様:ユーザ視点では、例えば「サジェスト機能」なんかは非常に良いと感じました。チャットボットに文章を入力していると、入力した単語に関連する登録FAQが予測変換のように表示され、その表示スピードもとても速いため、「どこまで入力すればいいんだろう」と迷うユーザーにとってはとても助かる機能だと感じています。

管理者視点だと、管理画面へログインするとトップページにすぐ利用状況のグラフが表示されるので、直感的にどのくらい使われているのかを知ることができるのはとても分かりやすいです。あとは、FAQ作成や運用のための作業も難しくないので、他部署に横展開するとなった際も、特に質問や不安の声はなく、みんなスムーズに触れています。BEDORE Conversationには多数の機能がありますが、部署によって説明する機能を取捨選択し工夫して展開しているので、難しいという意見はあまりないですね。また、BEDORE Conversationの使い方が詳しく記載されているマニュアルのFAQサイトも非常に便利で活用しています。

 

各システム担当者の声をもとにFAQを作成

ー メンテナンスコストが低くユーザーに検索されるFAQを作成

中山様:問い合わせの自動化において、どの質問をFAQとして登録すべきかという話し合いは非常に大事だったので、各システム担当へのヒアリングはしっかり時間をかけて行いました。それぞれの担当とミーティングをして、そこからFAQの作成を進めてもらい、1〜2ヶ月間で約250件のFAQが完成しました。よくある質問、マニュアル化できそうな内容のものを中心に揃えてもらいました。

その中で、回答が動的に変わってしまうものをどう扱うか悩みましたね。メンテナンス性が上がってしまうと情報システム部の工数がかかってしまうし、一方でユーザーに検索されないものを登録することもできないので、そこのバランスは気にしながらFAQを準備しました。

 

問い合わせログの自動蓄積による業務効率化

ー これまで手動で残していた履歴が全て管理画面で確認可能に

中山様:まず電話以外の新たな窓口として、徐々にチャットボットの認知度や利用率が上がっています。これからも継続的にPRし、チューニングで精度もさらに上げていくことで、目に見える結果が出ることを期待しています。

伊藤様:あとは、管理者視点にはなりますが、これまで一次受付をした際、自身で回答できなかった内容については担当に引き継ぎ別途フォームに履歴を残すという作業がありました。それがチャットボットの管理画面で履歴を全て確認できるので、そういった手間もなくなり、業務が効率的になっていると思います。

ー 1日10〜15分程度の運用で精度向上へ

中山様:毎日10分〜15分程度確認はしています。弊社の場合、ユーザにFAQを提示した後に表示される「役に立ちましたか?」のアンケート回答率がまだあまり良くないので、回答率をどう上げていくか施策を検討しているところです。チューニングの作業自体は時間をかけずに実施できているので、負担にはなっていないですね。

 

情報システム部からバックオフィス全体への展開

ー 経理部、総務部を巻き込み、FAQを計700件以上登録

情報システム部からスタートし、現在は経理部、総務部で導入が進んでおります。経理部、総務部でも、これまでの問い合わせ内容をふまえ、それぞれで作成を進め導入に至りました。機能説明等は情報システム部からインプットをし、スムーズに公開まで進めることができましたね。

ー 積極的な他社事例の共有で、次ステップのヒントを常に収集

中山様:担当の方が非常に細かく丁寧にサポートしてくれたので、導入が決まってからはとてもスムーズに進められました。あとは、他社事例の情報を教えてくれるので、新しい活用方法やより効率的な運用についてを常にアップデートしていけるのはありがたいです。

運用に関しても、担当の方と一緒にログを見ながら分析したり今後新規のFAQとして追加すべきか気軽に相談できるので、とても助かっていますね。

 

全社的なチャットボットの普及によるDXを目指して

ー 定型的な問い合わせは50%減を目標に

杖池様:定型の問い合わせに関しては50%をチャットボットに対応してもらうという数値目標を立てています。導入前とある部署で問い合わせ対応にかける工数を確認したところ、1週間で40%の時間を対応に当てていたので、そこを20%程度に抑えるのを一つのゴールとしています。

伊藤様:50%削減は決して簡単な目標ではないですが、これまで情報が点在していたものをユーザに正しく認識してもらうことで、ゆくゆくは目指していける目標値だと思っています。

ー 社員の出社状況をチャットボットで確認可能に

また、今後はチャットボットを活用して、社員の出社状況を確認できたら便利だと考えています。出社、在宅勤務のハイブリットな働き方を推進していく上で、社員同士がより効率よくコミュニケーションをとっていけるように、チャットボットへ従業員の名前を入力すると、「本日は出社しています。連絡先はこちら…」のように一目で出社状況と連絡先がわかるような世界観をイメージしています。

ー その他今後の展望や展開予定について教えてください

バックオフィス全体での利活用促進に加え、営業部での導入も進めたいと検討しております。また、ゆくゆくは社内だけでなく、外部向けにチャットボットを通じてお客様マニュアルを展開していくことで、社内外のあらゆる問い合わせ対応を自動化し、関わる全ての方々の工数削減に繋がる未来を想定しています。

最後に一言お願いいたします。

伊藤様:チャットボットの導入前に感じていた課題を全て解決するのは中長期的な話になりますが、スタッフ部門の業務効率化、生産性の向上を図る上で、チャットボットの存在は非常に大きいと感じています。そしてこの導入が良いきっかけとなり、弊社内のデジタル化もさらに加速していけばいいなと思っています。

杖池様:PKSHA Workplaceは新しいことに前向きにチャレンジする会社だと感じています。チャットボットの進化はもちろん、他製品の開発や連携などもどんどん提案してほしいですね。末長くお付き合いしていければ嬉しいです。

中山様:これまでPoC〜導入〜リリースにあたって非常に手厚くサポートいただきました。質問に対するレスポンスも速く、引き続きそのサポート品質の高さは期待しております。今はまだ問い合わせの自動化という大きな目標がありますが、そこで結果を出せれば、今後チャットボットの在り方、用途も変わってくるのではないかと思っています。そのため、新しく斬新なアイディアや情報は常にシェアしていきたいと感じています。

以上、ありがとうございました。

<7/26開催ウェビナー> 〜事例とノウハウ〜 BEDOREのボイスボットができること・得意なこと

BEDORE Voice Conversationにご興味がある方向けのセミナーを開催いたします。

阪和興業株式会社 ー Teamsでの有人チャット連携でシームレスな問い合わせ対応へ ー

インタビュイー

  • 人事部厚生課 課長 楢本 有毅様
  • 人事部厚生課 清水 拓海様
  • 人事部人事課 杉村 拓朗様

会社概要

  • 業種    :商社
  • 事業内容  :鉄鋼、鉄鋼原料、建材、非鉄金属、石油、化成品、食品、木材、セメント、機械の国内販売および輸出入
  • 導入サービス:BEDORE for Microsoft Teams
  • 導入目的  :人事部における問い合わせ自動化

導入前の課題

  • 人事宛の個別問い合わせ対応による業務負荷が大きい
  • 誰がどんな質問に対してどう回答しているのか把握できていない
  • 時差のある海外からの問い合わせに対してリアルタイムで回答できていない

導入効果

  • 「転勤」「引越し」「子どもが生まれた」等のような人事に申請・書類提出が必要なものに関する問い合わせの削減
  • 普段業務でヘビーに利用しているTeams上で問い合わせ対応を完結
  • 電話と比較して、複数人同時に対応できることによる業務の効率化

 

会社、ご担当者様の紹介

ー 会社概要について教えてください

阪和興業は鉄鋼をはじめとして、非鉄・金属原料、食品、石油・エネルギー、木材、機械などの商品を販売する商社です。70年以上の歴史を持ち、従業員数は単体で2,000名に迫ります。
独立系の商社ならではのフットワークの良さを生かした営業力を強みとしています。

ー 普段どのような業務を担っていらっしゃいますか?

楢本様:人事厚生課では、全社員の給与、税、社保に関わる業務全般を担当しています。

清水様:その中で、私は上記業務に加え、チャットボットの有人対応を担当しています。

杉村様:私は、東京本社で労務管理、労災の申請手続き、チャットボットの有人対応を担当しています。

 

チャットボット導入の背景

ー チャットボット、有人チャット機能を検討されるようになった背景を教えてください

楢本様:チャットボットの導入時、人事部での過重労働が大きな課題になっており、社員からの問い合わせを効率良く答えていく良いやり方がないかと情シスに相談したのが一番最初のきっかけです。そこから複数あるソリューションの中から「チャットボットをやってみないか」となり、導入することとなりました。その中で、弊社では以前からTeamsが社内コミュニケーションツールとして浸透していたので、Teams上でも利用できるBEDOREのチャットボットは、弊社環境に非常にマッチしているなと感じました。

チャットボットに期待していたことは、①問い合わせ対応の効率化、工数削減、②回答の標準化、③属人的な構造を変える、④時差のある海外各拠点からの問い合わせに対して迅速に回答する、の4点です。

ー それぞれの詳細について教えてください

楢本様:「①問い合わせ対応の効率化、工数削減」に関しては、これまで内線電話、メールで問い合わせを受け付けており、詳しい担当者がそれなりに対応している状況でした。また、特にルール等を設けていなかったので、問い合わせ対応における実情がどうなっているのか、担当者にどの程度の工数や負荷がかかっているのか見える化できていませんでした。

「②回答の標準化」に関しても、チャットボット導入以前は問い合わせの履歴や詳細なデータはストックできておらず、各問い合わせにどう回答しているのか、同じ内容の質問に対して全員が同じ回答をできているのか等を把握できていなかったんです。

また、社員から「〇〇さんに聞けば分かる」と名指しで問い合わせが来ることもあり、各担当者の問い合わせ対応にばらつきが出ていたため「③属人的な構造を変える」目的もありました。

そして、海外駐在員が多くいる弊社では「④時差のある海外各拠点からの問い合わせに対して迅速に回答する」必要もあり、総合的に見て、チャットボットが活躍してくれるだろうと感じたのが主な背景になります。

ー 課題はどんなところにありましたか?

清水様:チャットボットを導入してから有人チャット機能を取り入れるまでの間、チャットボットの利用率が頭打ちになってしまっていて、メンテナンス不足でFAQの中身もアップデートができていない状況でした。そんな中で、今後もチャットボットを利用していくメリットがあるのか結論を出さなければならないタイミングがあり、運用を見直すことになったんです。そこで、2020年秋頃に我々3名体制になってから、既存で登録しているFAQの洗い替えを丁寧に実施しました。

それまで既存で登録されていたFAQの中には社員からの問い合わせ内容をそのまま登録したものもあったため、それぞれ文言や表現の違いがあり統一化できていませんでした。そういったところから、ユーザからの質問に対して適切な回答を返せないこともありましたね。そのため、社員がどんな表現、言葉で質問してくるかを考え、一つ一つ内容を見直していきました。

その甲斐あって、現在では徐々に利用率が上がってきており、メンテナンスやFAQの質を担保することの重要性を痛感しました。特に人事関連は季節業務要素の強い問い合わせも多いので、今後も定期的に手を加えていく必要はあるかと思います。

 

リリースまでの構築工程

ー Teamsでの有人チャット開始にあたって人事部内の反応はいかがでしたか?

清水様:正直、懐疑的な見方もゼロではありませんでした。元々、問い合わせの対応をある程度自動化させたいということが一背景としてありましたが、そこに反して有人連携という形で人的リソースを割いてしまうことに疑問があったのだと思います。
しかし、有人連携というセーフティーネットを用意することで、チャットボットによる自動応答の弱点であった社員の質問をスルーするというリスクを大幅に減らせることを説明しました。
また、チャットボットの利便性の向上によりユーザーが増加すれば、問い合わせを受ける機会やわざわざ担当者を捕まえて取次ぎする機会が減り、問い合わせ対応の効率化に繋がることを示しました。
こうした有人連携のメリットを理解してもらうことで、最終的には運用テスト等に快く協力して頂き、スムーズに有人連携のリリースにあたることができました。

ー 有人チャット開始をする上で、苦労されたことはありますか?

清水様:苦労というよりは、前例のない取り組みを実施する、先行きが見えない不安がありました。人事全体ではなく、我々3名で対応をしていくとスタートしたので、Teamsでの有人チャットを始めることで、2,000名近くの社員からどの程度問い合わせがあるのか、膨大な数が来るのか全く来ないのか、動向が読めなかったからです。社員に使ってもらえるのかと3名体制で運用が回るのかという両方の面で不安を感じていましたね。

また、当時はチャットボットの浸透率をこれから向上させていく段階だったので、その中で新しい機能を取り入れるのも、少々勇気のいる決断だったかと思います。ユーザ側の立場としても、チャットボットへ質問をして、その後どんな風にどのタイミングで有人チャットへ切り替わるのか完璧にイメージしきれていなかったので、どうなるんだろうと思っていた部分もありました。

ー 全社へのPRはどのように行われましたか?

楢本様:弊社には、就業開始のタイミングで勤怠管理のために社員がアクセスする人事ポータルサイトがあり、そこにチャットボットへダイレクトにアクセスできるものを設置しました。ワンクリックでTeamsが立ち上がりすぐ利用できるような動線にし、利用のハードルを下げて、まず使ってもらえるような工夫をしました。

 

リリース後の感触

ー チャットボット、Teamsでの有人対応の導入効果はありますか?

楢本様:弊社も在宅勤務になってから、内線が使えずメールのみで問い合わせを受け付ける状態だったのが、チャットボットという受付窓口が一つ増えたのは非常に大きな変化です。例えば、「転勤」「引越し」「子どもが生まれた」等のような人事に申請・書類提出が必要なものに関する個別での問い合わせは減ったように思います。それらのFAQはチャットボット内に一通り登録しているので、そこで一定対応できているんだと思います。

ー チャットボットが自動応答で一定解決してくれるので、個別対応の件数が急増することはなかったんですね!

楢本様:そうですね、ベースのFAQをしっかりメンテナンスしたおかげもあり、有人チャット機能の導入時に抱えていた「運用が回るのか」という不安は解消されました。

また、有人対応の場合、メール以上にレスポンスの速度を求められるので、運用側としても回答速度を意識しながら効率的に対応するという意識改革につながりました。ただ、「今まで以上に急いで対応しなければならない」というよりは「スピーディに効率よく対応することが可能になった」という印象です。

例えば、Teamsでの有人チャット機能は同時に複数名への対応ができるので、これまでのような一人ひとりに電話でつきっきりになるという状態がなくなりました。あとはメールよりもチャットの方がクイックに返事ができるため、そういった点が結果として社員満足度の向上にもつながっています。

本機能を導入してから、初めての利用以降2〜3回と繰り返し使ってくれる社員多く、利便性に気づいてもらえていると思います。当初抱いていた「社員に使ってもらえるのか」という心配も今では払拭されていますね!

ー ヘビーユーザーの社員が徐々に増えているんですね…!

清水様:これまでは5〜10秒で終わるような単純な質問も「〇〇さんいる?」と内線があり、時には「今不在なので折り返します」といったような無駄なやり取りが発生していましたが、それがチャットボットで自己解決できるのはとても効率的です。従来の掲示板上ではたどり着けなかったFAQも、チャットボットで適切な回答を返してくれるので、「まずチャットボット」という問い合わせのプロセスが出来上がりつつあります。

ー 現在の運用状況について教えてください

杉村様:メンテナンスは1回10分〜15分ほどです。毎日FAQの更新をする必要はなくて、例えば「年末調整」のような季節もののFAQが必要になったタイミングで、新規登録や既存のものの内容修正をしています。そのため、メンテナンス作業が負担になっていることはないですね。

ー Teams上での有人対応について、阪和興業様独自のルールはありますか?

楢本様:現状、人事部内では我々3名体制でBEDOREの運用を担当しており、そのうち私以外の2名が、チャットボットが解決できなかったものを有人対応をしています。厳密に問い合わせのカテゴリごとに担当者を割り振っている等はないですが、日々の対応内で意識していることは「一次受付をした返事はすぐに返す」ということです。チャットで問い合わせをしてくる=ある程度スピーディな回答を求めているので、詳細な確認が必要な問い合わせに関しても、まずは「ただいま確認しているのでもう少しお待ちください」のような返答を担当者から返すようにしていますね。問い合わせが来た場合、社用のスマートフォン、iPadそれぞれに通知が来るように設定しているので、長時間気づかないという状況は生まれない工夫をしています。

実際の有人チャットの様子

ー BEDOREのサポートや、メンバーについての印象・感想を教えてください

清水様:我々の意見や要望を取り入れて、機能の改修やアップデートを頻繁に行なっていただけるのが非常にありがたいです。リアルなユーザの声を実装してくださると、こちらも日々使っていく上で「ここはこうした方がいいんじゃないか」「こんな機能を追加するのはどうか」等とより積極的にチャットボットと向き合っていけます。

楢本様:Teamsとの連携をする上で弊社の情報システム部ともコミュニケーションをとっていただいていますが、Microsoft側の仕様変更なども含め、いつもタイムリーにご連絡いただいている印象です。

 

今後の展望

ー 最終的な目標値があれば教えてください

清水様:短期的には、FAQの精度をあげ、よりチャットボットの利便性を認知していただき、ユーザーを増やすことを目指しております。
中長期的には、人事関連のあらゆる質問の一次窓口として社員に活発にチャットボットを利用してもらい、阪和興業におけるDXへの代表的な取り組みとなることを目標としております。

ー その他今後の展望や展開予定について教えてください

楢本様:序盤にお伝えしたとおり、弊社は海外駐在している社員も数百名おりますので、海外駐在員が時差を気にせず問い合わせをどんどんしてくれるよう、今以上にチャットボットが全社に浸透していけばいいなと思います。これまで時差や対応時間を気にして電話やメールでの問い合わせがしにくいといった声もあったので、そこをカバーするツールになっていければ嬉しいです。

今では、新卒採用、中途採用問わず、入社研修の中でチャットボットに関する説明を新入社員向けに実施しています。新しく入ってきた社員たちへの意識づけを積極的に行い、さらなる利用率の向上と認知度アップにつながればいいですね。

清水様:電話、メールできている問い合わせも、徐々にチャットボットに誘導していけたらと思っています。

杉村様:今後も大幅なアップデートを予定しているとお伺いしているので、とても楽しみにしています。BEDOREはかなり多くの機能を持っているので、そこを使いこなし切れるように弊社もあらゆるシーンで活用していきたいです!

 

以上、ありがとうございました。