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投稿者: bedore_admin

<9/27開催ウェビナー> ACW削減だけじゃない! AI音声認識で若手オペレーターを即戦力化する方法

音声認識AI SaaS「PKSHA Speech Insight」のオンラインセミナーを開催します。

株式会社船井総研デジタル - シェアードサービス特有の問い合わせ負荷をAIチャットボットにより改善

インタビュイー

  • 執行役員 山本 恭仁子様
  • コンタクトセンターグループ グループマネージャー 牛膓 雅美様
  • リレーショングループ依頼書アカウント管理チーム 倉内 恵子様
  • データベースグループ データ管理チーム 西村 早貴様
  • カスタマーサクセスグループ 会員ビジネスチーム 金沢 育美様
  • コンタクトセンターグループ コミュニケーションセンターチーム 新井 友理様

会社概要

  • 業種:経営コンサルティング業、その他サービス業
  • 事業内容:クラウドソリューション開発事業、デジタルマーケティングBPO事業、ITコンサルティング事業、プロダクト開発事業、デジタルHR事業
  • 導入サービス:BEDORE Conversation for Workplace

目的

  • 株式会社船井総研ホールディングスを親会社とするグループ会社の社内問い合わせ工数削減
  • 休日や夜間の問い合わせにもスムーズに対応
  • 属人的な問い合わせ対応からの脱却とログデータに基づく業務標準化

課題

  • 定型的な問い合わせ対応へかかる工数が通常業務を圧迫している。
  • 知識量や経験値の差により、回答者のクオリティにバラツキがある。
  • 回答者のクオリティにバラツキがあることによって質問者を待たせてしまう。

効果

  • よくある問い合わせデータの可視化と属人的な対応をしている質問の可視化
  • 質問者側の視点(キーワードなど)が見えたことで、不足しているマニュアルを追加、修正できるサイクルが構築できた。

 

会社、ご担当者様の紹介

ー 会社概要について教えてください。

山本様:当社では中堅・中小企業様の顧客獲得~バックオフィスのDXを支援しています。デジタルマーケティングに必要なMAやSFA、CRM等(主にZoho関連)のシステムインテグレーション事業および、WEB広告代理店事業を展開しています。また、営業の最適化によるフロントオフィスの顧客獲得支援から事業を側面から支援するバックオフィスの改善も行っております。コンサルティング会社を母体にしたシェアード機能の強みを生かし、事業拡大及び生産性向上を貢献しています。

ー みなさん、どのようなミッション、業務を担っていらっしゃいますか?

牛膓様:ここにいるメンバーはそれぞれ違うチームに所属しているメンバーになります。金沢はグループ会社が運営する経営者向けの勉強会のサポートと顧客管理を行っております。倉内についてはリレーションという部署に所属しております。主にグループ会社とお客様が結ぶ契約書に関わる業務を行っております。西村はセミナーや研究会と呼ばれる勉強会に参加されるお客様の企業情報を管理し、参加いただきたい会社様に対してダイレクトメールをお送りしております。新井はグループ会社とお取引のあるお客様や新しいご相談があるお客様のお問い合わせに対応し、適切な部署につなぐという部分を担っています。

ー みなさんのBEDOREへの関わり方を教えてください

山本様:チャットボットの導入ありきで、その運用プロジェクトを立ち上げました。問い合わせ内容は多岐にわたるため、それぞれの担当者が対応している領域ごとにFAQ の追加・作成を行う必要がありました。そのため、それぞれの部署から担当者を選出して、自身の部署のFAQ を追加するという体制でスタートしました。

チャットボット導入の背景

ー BEDOREを通して叶えたかったのは属人的な業務対応からの脱却

山本様:グループ会社のコンサルタントからの問い合わせは非常に多かったです。問い合わせのほとんどはGoogleチャットもしくはチャットワークによるダイレクトメッセージ(以降、DM)でした。DMが来ると個人の業務を止めて、それに対応しなければなりません。それによって個人の業務が逼迫する事象が頻発していました。また、会社の特性として仲が良いところが強みである一方、聞きやすい人には問い合わせが集中してしまうという課題もありました。1対1のコミュニケーションが深く分かり合えるというメリットも理解していましたが、それでは属人的になっていて組織としての生産性が上がっていかないというという思いから解決に踏み切りました。

チャットボットサービスの選定

ー AI搭載のチャットボットでなければならない理由

山本様:FAQサイトなどは検討せず、AIチャットボット1本で検討をしていました。よくチャットボットで名前を聞く会社は全て話を聞きました。もちろん、BEDOREも名前を聞いたことがあったのでお声がけしました。まず、チャットボットの中でもAIチャットボットかどうかは非常に重要視していました。ルールベースでFAQを返してくれる製品があることは認識しています。そういった製品のほうが安価で始めやすいのも認識していました。しかし、ユーザーの利用シーンを考えると曖昧な文章で質問しても回答を返してくれることこそが重要だと考えていました。その上で、AIチャットボットを比較していて最も大切なところは最初の段階での精度だと思っています。導入初期の段階で回答精度が低いとメンテナンスが負荷が非常に重くなってしまいます。また、回答精度が悪い=使われなくなってしまうというところから最初の段階でどの程度精度が出るのかは非常に重要だと考えていました。その結果、残ったBEDORE以外に3社と比較検討を行いました。

ー 直感的に使える管理画面とシステムとの連携性も重要なポイントに

山本様:AIの精度以外で重要視していた点は、メンテナンスのしやすさと今後の展開性です。精度については全ての会社でデモを見せていただいて検証を行いました。回答精度を他社と比較したところ曖昧な単語で意地悪な聞き方をしたとしても回答を返してくれて非常に精度が高い印象でした。初回で精度が高かったとしてもメンテナンスを行っていく必要はあると考えています。そこで、メンテナンスを行う画面がどれくらい使いやすいのかは非常に重要だと思っていました。BEDOREさんの管理画面は非常に直感的で操作しやすく、操作に対して迷うこともなかった印象です。今後の展開性についてはカレンダー予約などを他社様で行った実績や機能のアップデート速度から評価しました。弊社ではRPAなども取り扱っていることから、単純なチャットボットに留まらず、複数のシステムと連携させていきたいと考えています。そういった実績が複数あったことから今後についても期待できると判断できました。

リリースまでの構築工程

ー ユーザー目線でどのようにFAQを作成すれば良いのか苦戦

倉内様:部署ごとにある大量のFAQをまとめるところに苦戦しました。日々のチューニング作業の中で追加していけることは認識していたのですが、利用するユーザーからするとリリース初期の掴みが非常に大切だと考えていました。そのため、初期の段階でできる限り多くのFAQを取りまとめるのが非常に大変でした。しかし、特にFAQの元データがあるわけではなかったため、一から作る必要がありました。また、ユーザーがどのように聞いてくるのかという「聞き方」の部分を考えるところに苦戦しました。普段受けている質問をそのまま落とし込めば良いと考えていましたが、いざFAQを作成するとなると様々なシーンを想像しながら作る必要がありました。FAQごとの文法や語尾などを統一して、ユーザーにとって使いやすいチャットボットとは何かということを非常に重視して作りました。

ー 少数精鋭でFAQを準備したことにより1ヶ月でFAQリストが完成

倉内様:まずは各部署のリーダーからできる限り多くのFAQを募るという部分を意識しました。メンバーにもFAQを募ることは実施したのですが、考えるメンバーが多くても取りまとめることができないと思いました。少人数で且つ業務を深く考えることができる人からFAQを募って精査していくほうが効率的だと考えて実施しました。特に制限は設けず、まずは各部署のリーダーからスプレッドシートに思いつく限りFAQを記載してもらいました。それを上長や役職の高いレイヤーも含めた場で確認してもらいました。そのミーティングの場では、「このFAQは分けたほうが良いのではないか」、「こういったFAQも必要なのではないか」といった意見が出てきました。そのような意見を集約して、修正点を反映させるを繰り返し行うことで泥臭くはありますが完成まで漕ぎ着けることができました。FAQの準備は1ヶ月ぐらいで、十分に時間があるわけではなかったのですが時間を捻出してやり遂げることができました。

ー こだわったのは親しみが持てるようなデザイン

西村様:チャットボットのデザインを決定する上で、社内でデザインを募集したりしました。船井総研グループとしてはブルー系の色を基調としていることから、それらに馴染むようなデザインである必要があると思っていました。そこで、社内でデザインを募集して良いものを採用しようという話になりました。最終的には採用されなかったのですが、ユーザーに質問したいと思ってもらうための工夫としてデザインにも注力しました。

リリース後の感触

ー チャットボットのログデータからわかる社員の関心事

金沢様:弊社では日報文化というものがありまして、日々の業務で感じたことを報告し合う文化があります。そこでチャットボットでの運用のことを日報に書くと必ずグループ会社の社員から何かしらリアクションをもらえています。「日報でチャットボットの運用で金沢さんが動かれているのを知って、チャットボットを使って問い合わせしてみました」というような連絡もありました。また、問い合わせのログを見ていると「このようなことって気になるんだ」というような新たな発見があります。例えば、簡単な申請について、私たちとしては当たり前だと思っていた内容であえてFAQ として登録していなかったものがありました。
しかし、問い合わせ者からすると全然理解されていなかったのか質問のログとして多く上がってきました。そこから新たにFAQ を作成してみたり、もっと回答内容を詳しくしてみたりしています。それらの積み重ねで徐々に問い合わせ件数の削減に繋げていけたらと考えています。

ー リリース後のメンテナンスは週2回30分ほど

新井様:現在は1回30分程度で週に2回メンテナンスを行っております。初めは慣れていなかったので、作業に詰まる部分があり今よりも時間がかかってしまっていました。複数人で作業していたので、運用管理する上でそれぞれがそれぞれのルールで対応してしまい、煩雑になってしまいました。そこで、作業する上でのルールを明確にして、このパターンはこうしようと決めました。すると、スムーズに進むようになり、管理にかかっていた時間を短縮することができました。 

今後の展望

ー 本来の営業支援に充てられるような体制を

山本様:大きな展望としては、BEDOREを活用されている企業の中で活用率が高いところはどこかと聞かれたときに自社の名前が真っ先に挙げていただけるようにしたいと考えています。また、基本的なお問い合わせに対してはFAQやマニュアルで完結して、個別対応に費やしてきた時間を本来の営業支援に充てられるような体制を実現することが最優先だと考えています。また、回答するスタッフによって回答精度が異なる現状があるというのは否めないと思います。そのため、ばらつきのない状態を実現したいと思います。まだまだチャットボットを知らない社員もいるので、そのような人たちにチャットボットの存在を知ってもらってより使ってもらうように動いていきたいと思っています。

以上、ありがとうございました。

九州産業大学 - AIチャットボットで変わる学生とのコミュニケーションスタイル

インタビュイー

  • 総合情報基盤センター 事務室長 福田 仁志様
  • 総合情報基盤センター 事務部長 石岡 正次様
  • 教務部 教務課長 伊東 真比呂様
  • 教務部 教務第二係長 古賀 郁子様
  • 教務部 後藤 裕美子様

概要

  • 業種    :教育、学習支援
  • 導入サービス:BEDORE Conversation for Workplace
  • 導入目的  :問い合わせ削減、学生満足度向上

導入前の課題

  • 定常的に発生する問い合わせ対応へかかる工数が大きい
  • 時間外での学生対応ができず、学生満足度の低下

導入後の効果

  • 台風での休講や時間割変更に関する問い合わせ電話が大幅に減少
  • AIチャットボットを使った24時間対応窓口の構築

大学、ご担当者様の紹介

ー 大学概要について教えてください

石岡様:九州産業大学の歴史は、創設者中村治四郎が1960年に「産学一如」を建学の理想として開学しました。以後、時代とともに規模を拡大し、現在では9学部21学科・大学院5研究科と短期大学部を擁しています。

本学は2020年度に創立60周年を迎え、次の目標である創立100周年に向けたビジョン「新たな知と地をデザインする大学へ―もっと意外に。もっと自由に。―」を掲げています。さらに、文理芸が融合した多様なプログラムの構築や学際的研究の推進、国際的感覚を養うプログラムの実施など、多方面に亘る事業を推進しています。

ー みなさん、どのようなミッション、業務を担っていらっしゃいますか?

伊東様:教務部内で「教務課」と「大学院事務室」に分かれています。教務課というのは他大学さんと同じような形ですが、教育課程カリキュラムの作成と編成、それから学則とか履修規程に関することを業務として扱っています。また、時間割や試験などに加え、学生の入学、退学、卒業に関する業務も行っています。大学院事務室は、教務課の業務に加えて大学院の入試関連の業務も行っています。教務部は全体で30人近くのスタッフがいますが、業務が多岐に亘っているため、煩雑な業務が多く忙しい部門の一つです。

石岡様:総合情報基盤センターは、大学の情報基盤整備、そして利用者に様々な支援を行っている部署です。コロナ禍になってオンライン授業が増えたことで、非常に重要性が増したと感じています。ここ2年ほどで、オンライン会議やLMSの利用が当たり前になりました。学生、教職員がこれらのICTツールを自由に使いこなせるために必要なことをしっかりと支援していきたいと考えております。学園のDX化推進をICTの力で支援する部署でもあり、その一環でAIチャットボットについても推し進めているところです。

BEDORE Conversation導入の背景

ー チャットボットの試行により選定ポイントが明確に

福田様:DX化を推進して学生支援の強化を掲げている本学では、窓口業務の改善は喫緊の課題だと認識していました。そこで、定例的な質問に自動で答えるシステムの導入により窓口の問い合わせ工数を削減し、適切な回答の提供及び24時間対応を可能にすることを目的にAIチャットボットの導入を検討しました。

2021年にまずは手軽に始められるチャットボットを総合情報基盤センターで導入し、試行運用を行っていました。しかし、メンテナンスなどの管理運用面における煩雑さが重く業務負担が下がっていきませんでした。自分達で質問してみると、正しい答えが出ない!ということが度々ありました。その場合には同義語を登録したり類義語を登録したりして対応していましたが、そのメンテナンスが非常に大変だというのが導入して初めてわかりました。

試験運用の結果を踏まえて、より良いAIチャットボットの検討を始めました。自己解決率の高さ、自然言語処理能力の高いAI、メンテナンス性の高さを選定の軸として検討を進めていきました。

チャットボットサービスの選定

ー ユーザーの立場となって精度を検証すると違いが明確に

福田様:候補として資料請求やネット上での調査をさせていただいたのは、PKSHA Workplaceを含む3社になります。また、選定の優先順位で言いますと「自然言語処理のAI学習」、「自己解決力の高さ」、「メンテナンス等の管理のしやすさ」だと考えていました。

複数の比較検討を行った中で、最もBEDORE Conversationが良かったと思ったポイントとしては対話エンジンの良さがまず1番に挙げられるかなと思います。実際に事例記事として公開されている企業様のAIチャットボットを操作してみてどれくらいの精度で返答が返ってくるのか試してみました。すると違った言い回しでも正しい回答が返ってくるのがBEDORE Conversationでした。導入の背景にもあったように以前のチャットボットでは正答率が上がらず、なかなか窓口業務の削減ができていませんでした。そのため、自然言語処理のAI学習が非常に魅力的に感じました。FAQを準備するだけで動いてくれるというのは非常に大きいと思います。

また、運用面でのメンテナンス性も直感的でわかりやすく、運用のしやすさも感じました。最後に日本を代表する数々の企業や大学への導入実績があることから安心して導入を決定することができました。

リリースまでの構築工程

ー 粘り強く呼びかけをおこなったことで集まった良質なFAQ200件

伊東様:教務課の窓口業務からFAQを作成してほしいと言われ、2022年2月から作業を開始いたしました。FAQの元になるようなデータなどはなく、職員が今までの問い合わせ内容を記憶しているので、まずは1ヶ月くらいを期限としてどのような問い合わせが多いのか思いつくままに簡単なフォームで提出してもらいました。出揃ったデータから内容確認→複数内容の分解・分類→重複・類似内容の絞り込みの順に整理していきました。

当初、210件あった想定質問を146件に絞り込んでスタートいたしました。課内の職員も通常業務がある中でフォームに回答しなくてはならなかったため、最初は回答が集まらずに苦戦しました。しかし、都度フォームに回答してもらえるよう呼びかけを何度も行ったことで結果として210件の回答を集めることができたと思っています。AIチャットボットの利用は学生なので極力学生の生の声をベースに考えることで質の良いFAQを作成できたと感じています。

後藤様:集まったデータを加工していく作業に関しては手間ではありませんでした。作業自体は初めてでしたが、語尾の体裁を整える程度でした。当時、教務部では卒業・入学シーズンは繁忙期でもあったため、少しずつ時間を見つけて作業を進めて行きました。

リリース後の感触

ー AIチャットボット導入によって電話での問い合わせが激減

石岡様:AIチャットボットはK’sLifeという学内ポータルサイトにてトップページに表示されるように設定し、全学生・教職員に対して事前の通知を行いました。事前周知に対しては、特に反発などはなく、電話での問い合わせが減ったと感じているので、効果は出ていると思います。

定量的には運用を開始した7月の1ヶ月間に6,500件の質問があったことから、学生は興味を持ってくれているように思います。自己解決率を見ると、7~8割となっており、定性的に見ても、評価できるのではないかと思っています。

古賀様:コロナ禍での遠隔授業ということもあり、以前はポータルサイトで周知しても必ず電話での問い合わせがありましたが、導入してから電話での問い合わせがあったことを忘れるくらい件数が減りました。それくらい大きな変化でした。

直近では前学期の試験時間割発表や大雨で交通機関が乱れたことがありました。問い合わせが増えることを予測して急遽事前にFAQを準備し、「よくある質問」に追加をしたところ以前まで鳴り止まなかった電話がほとんどなくなりました。

ー 情報過多になってしまい本当に必要な情報が学生に届けにくくなっている

古賀様:そこでの気付きとしては、過去にもK’sLife(学内ポータル)で同様の連絡を通知していたのですが、それを見ていないんだなということがよくわかりました。

連絡通知を発信する人が全て「重要」フラグを立てて通知するので、どれが一体重要な情報なのかが学生も読みきれないんじゃないかと思います。我々は送ってますよ、連絡してますよって言っていますが、受け取る側の立場で考えると大量に来ている連絡通知の中から自分に関係のあるものだけを見つけるのは難しいと思います。

そのため、AIチャットボットに質問をして学生が聞きたいことが聞ける、答えにたどり着けるというのがAIチャットボットの良いところなんだろうなと思いますね。

今後の展望

ー 対面でのコミュニケーションとの併存をどのようにしていくのか

石岡様:まずは教務課での実績を上げ、次は教務に関係する語学教育研究センター、基礎教育センター、そして学生部、キャリア支援センター、入試部などに順次利用を拡大して行きたいと思っています。

部署によっては就活の支援などはやはり対面でのコミュニケーションが必要なこともあります。対面でのコミュニケーションも大切にしていきながら、AIチャットボットとどのように併存させていくのか検討していきたいと考えています。

ー 親しみのあるAIチャットボットを作ることで質問できない学生を救いたい

古賀様:BEDORE Conversationの履歴を見ていると「おはよう」など直接的には学校に関係しない質問も見受けられます。雑談のような質問や回答を増やすことで学生が質問するハードルを下げられたらなと思ってます。

窓口や教員などに直接質問できない、もしくはしないような学生にぜひ使ってほしいと考えています。そのためにも学生が気軽に質問しやすいBEDORE Conversationを作っていきたいと思います。

最後に一言お願いいたします。

石岡様:導入してまだ1ヶ月ですが、関係者の皆様のご協力もあり、導入してよかったなと思っています。まだスタートラインで始めたばかりですが、時期に応じてのチューニングや色々なブラッシュアップをしていきたいと思います。また24時間365日、どのような質問が入っているかなどの分析も行い、どんどんBEDOREの精度を上げていきたいと思います。

古賀様:最初は本当に精度が高いのか少し疑っていたのですが、思った以上に効果が出ているので導入して良かったです。学生が困っていることをAIチャットボットを通じて解決に導いてあげることが出来るといいと思います。

後藤様:操作面で使い勝手がとてもよく、UIの部分もわかりやすいのが非常に良かったと思います。AIチャットボットのアイコン設定を自動で調整してくれるので、初心者でも簡単に操作できて助かっています。

伊東様:導入まで現場の立場からすると抵抗感や作業が億劫に感じることが多いのですが、定期的なサポートのおかげでスムーズに作業も出来きたおかげで印象が「簡単だった」になったのだと思っています。定期的に御社のアップデート通知が来ているのでこれからどのように進化していくのか非常に楽しみです。

以上、ありがとうございました。

東京理科大学 - 大学初!FAQシステムOKBIZとの連携により、導入1ヶ月で昨対21%の問合せ削減を実現!

インタビュイー

  • 情報システム部 情報システム課 田畑 暢晃 様
  • 情報システム部 情報システム課 吉田 孝将 様

会社概要

  • 事業内容  :教育、学習支援
  • 導入サービス:BEDORE Conversation for Workplace
  • 導入目的  :問い合わせ対応件数の削減、FAQサイトの利活用

課題

  • 従来のチャットボットが利用されていなかった
  • 学生・教職員の意見を回収し、メンテナンス時に生かすサイクルが回せていなかった
  • オンライン授業開始などの影響でヘルプデスクへの問い合わせ件数が急増していた

効果

  • 3月末に導入後、4〜5月の問い合わせ数が対前年比で24%ほど削減
  • 問合せの動線を見直し、AIチャットボットを活用することで窓口や電話対応の負荷を軽減
  • 問合せ対応の標準化を実現  

 

大学、ご担当者様の紹介

ー 貴学の概要について教えてください。

東京理科大学の創立は1881年であり、この年、東京大学出身の理学を勉強した21名により東京理科大学の前身となる「東京物理学講習所」が創立されました。昨年2021年、創立140年を迎えた歴史ある大学です。
建学の精神に「理学の普及をもって国運発展の基礎とする」を掲げ、この精神は現在も受け継がれています。また、教育方針である「真に実力を身につけた学生を卒業させる」という「実力主義」は、わが国私学随一の理工系総合大学に発展した現在も受け継がれています。更に、「自然・人間・社会とこれらの調和的発展のための科学と技術の創造」という教育研究理念を掲げています。

ー みなさん、どのようなミッション、業務を担っていらっしゃいますか?

田畑様:私は情報システム部に入職して5年目です。入職当時から学内のシステム、中でもWebシステムの開発や企画、既存のシステムの補修などを担っていて、特にSaaS系のシステムを担当することが多いです。

吉田様:私は入職30年目で、現在はヘルプデスクのチームリーダーをしています。学生や教員、ご家族の方からの問い合わせに対応するのが主な役目です。私たちが課題解決できない場合は、田畑を含めた(システム関連の)チームメンバーにエスカレーションしたり、関連部署へ取り次ぎをします。今回のAIチャットボット導入は、我々チームにとってとても重要度の高いものでした。問い合わせされる方々への満足度を高め、かつ私たちの業務効率化のきっかけにもなる、双方にとってwin-winな選択肢だったと思います。

 

デジタルネイティブな学生に適したサービスの導入を推進

ー 従来のチャットボットの利用低迷や、FAQサイトで検索する手間を省くために

田畑様:以前よりFAQサイト「OKBIZ(※1)」自体は早く準備・公開しており、運用が安定してきたタイミングで別のチャットボットを導入していました。その際は「とりあえずやってみよう」という姿勢で、AIが搭載されていないタイプのチャットボットを試験的に入れていたんです。

※1:FAQナレッジ構築とインシデント管理ができるクラウド型システム

FAQのメンテナンスをするOKBIZの管理画面

実際運用してみて出てきた一つめの課題は、まったく使われなかったことです。これに関しては、導線設計にも問題があったと反省しています。二つめの課題は、学生・教職員側の視点で知りたい答えを探すのが大変という点です。利用する学生さんはデジタルネイティブ世代なので、結果がずらりと一覧化されるFAQサイトの仕様はあまりフィットしていませんでした。

振り返って、FAQ普及ができなかった最大の原因は認知の低さだったと考えています。当時は、画面右下にチャットボットのボタンが出るスタンダードなタイプのデザインを採用していたのですが、それが学生・教職員の目に留まらなかった可能性もありますね。

デザインを改善する、回答を充実させる、あるいは回答を適切な内容に修正するなど、利用率を高めるために想定される手段はさまざまです。しかし、仮にそれらに取り組むとしても、不満を感じた学生・教職員視点のフィードバックを取れておらず、改善のサイクルを回すことができていませんでした。

そのため、結局FAQが十分に機能せず、窓口に問い合わせが集中しヘルプデスクが問い合わせ対応に追われてしまっていました。FAQサイトによって全体のシステムはたしかに発展しましたし、問い合わせの母数も減ったのですが、あと一歩の改善を目指してたどり着いた結論が、AIチャットボットによる対応の強化でした。

 

ー 導入の決め手はOKBIZとの連携機能

田畑様:最大の決め手は、OKBIZとの連携が始まったことです。私たちは問い合わせ管理と履歴の蓄積にOKBIZを利用していたので、その基盤を活かしたいという思いがありました。

BEDOREへFAQを取り込むとなった際、はじめに200件登録をしたのですが、これはOKBIZに対応履歴として蓄積していたデータの中から、FAQ化できると判断されたものを上位から選抜したものでした。

 

ー FAQを200件から700件へ拡充し、自動化できる範囲を拡大

田畑様:現在は700件程度のFAQコンテンツがあります。この追加された内容は、もともと学内ポータルシステムの各システムに分散していたFAQによるもので、これを機に全データをOKBIZに集約し、ヘルプデスクチームでブラッシュアップしていきました。

吉田様:もともとFAQサイトの立ち上げ時に準備していた200件のFAQについては数ヶ月で作成が完了しており、その直後のコロナ禍によって問い合わせ数が急増し、さらなるFAQの増加に至ったという流れです。分散していたFAQの移行も含め、私たちのナレッジをFAQに落とし込むまでの期間は半年ほど、その担当者は2~3名でした。

コロナ禍によって急きょ始まったオンライン授業開始が影響し、2020年4月後半から問い合わせ件数が急激に増えたので、同年のGWは連休全部出勤するほどの忙しさでしたね。この状況ではどうにもならないということで、最優先事項としてFAQの充実にリソースを充てました。

田畑様:吉田をはじめ日頃からヘルプデスクで対応するメンバーが、その豊富な知見を活かし、ある程度質問の予想を立てながら先読みしてFAQを作っていたことも、スピーディなコンテンツ化が実現した要因かもしれません。

 

ー 最大の魅力は二重管理の必要がないこと

田畑様:最大の魅力は、OKBIZとの連携によって二重管理の手間が省けることです。BEDORE導入前はヘルプデスク業務を外注した時期もありましたが、OKBIZとBEDOREの連携が実現したと聞いてすぐにBEDORE導入を決断しました。

吉田様:FAQとAIチャットボットの両輪を回すうえで、AIチャットボットのメンテナンスにリソースを割かなくていいことは大きな魅力でした。回答が適切でなかったところだけ調整すればいいので、私たちはFAQサイトの改善に注力することができます。導入時にリソースを充てるのは当然のことだとは思っていますが、そのあとの運用時のメンテナンスにかかるリソースについてはできるだけコストを削減したいところだったので、ヘルプデスク対応当事者という立場からすれば評価できるポイントでした。

 

チャットウィンドウのデザイン・画面設計の検討のみで公開準備は完了

ー 1ヶ月弱でのスピードリリースを実現

田畑様:2月末に契約し、3月末にはリリースしていたので、準備期間は約1ヶ月です。そこまでの道のりとしては、契約後の初週にインターフェース定義書を提出し、続いて画面設計の検討を進めました。BEDOREチャットウィンドウの設置はウェブサイトのHTML部分に指定のタグを入れるという方法で、我々は手元でHTMLの修正ができる状態でしたので、その点もスムーズに進んだ要因だと思います。

それを踏まえてテストサイトを作成し、ヘルプデスク担当者にフィードバックをもとにいくつか改善を重ねました。コンテンツについては新規のFAQを作る必要はなかったので、PKSHAさんに任せてOKBIZとの連携を待って、そのままリリースしたという流れです。

良かったところは、シナリオ設計が要らなかったことです。通常のチャットボットだと「この選択肢をクリックされたらこのFAQを表示する」というシナリオを組まなければならないこともあるのですが、BEDOREはシナリオを作成しなくても、一問一答で高精度な回答を返すため、シナリオを作成する必要がなかったのが印象的ですね。全体として特に苦労なく、リリースまで進めることができました。

 

ー Webサイトから電話番号・メールアドレス等の問い合わせ先記載を排除

田畑様:もともと変更したいと思っていた点なのですが、Webサイトから電話番号やメールアドレスといった問い合わせ先の記載を削除し、FAQサイト内に移行したのが大きな挑戦でした。「認知度の低さ」という課題を踏まえ、FAQサイトを経なければ連絡先を確認できない形の導線にしてみました。

吉田様:変更前は「問い合わせ先がどこかわからない」といったクレームが来るのではないかと不安でしたが、やってみれば意外とそういった問い合わせはありませんでした。私たちがチャットボットの精度をより高めていけば、なんの問題もないと感じています。

東京理科大学 ITサービスに関する問い合わせ トップページ

 

問い合わせ数の削減と対応の標準化において明確に効果を実感

ー 4〜5月で、前年比21%の問い合わせ削減に!

吉田様:ヘルプデスク担当者が対応する件数を前年比で21%削減できました。2年前のコロナ禍のタイミングは異常事態だったとして、昨年と今年の比較を見てもこれだけ明らかな結果が出ているので、施策の効果はあったと判断しています。

数字だけでなく体感として、私個人はとても大きな変化を感じています。今までは他メンバーが対応できなかった問い合わせが私のところに回ってくることも多かったのですが、今はそういった対応が全くなくなりました。これに関しては、ヘルプデスク内で回答を探しやすくなったことが理由だと思います。

また、対応の標準化という効果も感じています。コンテンツを見直して、より良い説明を検討したり、間違えた内容を確認したりといったことを繰り返し、改善していることの効果が出ているのかもしれません。担当者側もチャットボットを利用してナレッジを検索し、学生・教職員の視点を体感できるので、そこも良いところですね。情報整理やナレッジ共有に対する副次的効果が想像以上に大きいと思いました。

各年度ごとの4-5月期の問合せ件数推移データ

ー 継続的な改善活動への伴走、問い合わせ対応のコンサルティングをしてくれるPKSHAのサポート

田畑様:全体として、大変満足しています。製品知識について素人目線での質問をしても、すぐに回答していただけたところが良かったです。マニュアルも手元にはあるのですが、実際触ってみて直接聞きたいことが出てくるものなので、レスポンスの速さに対しては特に良い印象を受けました。

定例会議を通じて継続的な改善活動に伴走していただけるところもありがたいです。私たちは学内の対応については熟知していますが、一般的な問い合わせ対応についてのトレンドや理想といったところを共有いただけるのが助かります。いわば問い合わせ対応のコンサルティングをしていただいているような感覚ですね。

また、営業担当者とSEの乖離がなかったのも印象的でした。システムを提供して終わりというわけではなく、運営面まで踏み込んだ提案もしてくれましたし、一貫して私たちの視点に立ったサポートをしてくれています。

 

ー 問い合わせ内容からの感情分析等、新機能に期待

田畑様:問い合わせの感情分析機能があるとおもしろいかもしれません。使っている言葉によって相手の感情や状態を分析し、問い合わせの重要度を判別して差別化できると、最適な優先順位で対応ができるのかな、と考えています。

もう一つ欲を言えば、簡単に個人識別できる機能があると良いですね。例えば、同じ学部から複数の学生さんからの問い合わせが多いといったケースが判別できれば、その問い合わせが多い学部に紐づく何かしらの問題があるかもしれません。こういった機能が増えてくると、今後より精度の高い問い合わせ対応ができるのではないか、と開発に期待しています。

 

問い合わせまでの新たなフローを浸透させる

ー 他部署への横展開、最終的には全学・学外展開へ

吉田様:最終的には、直接私たちのところに届く問い合わせ件数をゼロに近い状態までもっていきたいですね。数についてだけでなく、自分で調べたあとにお問い合わせいただくのか、何もわからないままお問い合わせいただくかによっても、対応の内容は変わります。まずは自分で調べる → 事前情報を理解したうえで不明点に回答するような流れが浸透していくことが理想的です。

田畑様:もう少し視野を広げると、他部署へもこの取り組みが波及し、最終的には大学全体のDXへとつながっていくと良いなという展望もあります。対象も学生だけでなく、受験生の方々や、産学連携で関わる企業の方々など、あらゆるステークホルダーの疑問をすべて解決する窓口としても機能させていきたいです。それぞれ窓口が分散している現状を変えていくのが、今後の目標です。

 

最後に一言お願いいたします。

吉田様:AIチャットボットが問合せ対応の救世主になるまでは、もう少し時間がかかるだろう、というのが導入してみての率直な感想です。 しかしながら、日頃から問い合わせ対応に時間がかかり、「そのための人員が必要」や「業務に時間が割けない」といった悩みを抱えている方は、ぜひご検討される価値があると思います。 利用者が増えることにより、AIチャットボットがより賢く成長し、いずれは「あの時に導入しておいてよかった」と思える日がくることを期待しています。


田畑様:BEDOREは管理者にとって非常に使いやすいシステムでありますが、複数部署で共同管理する場合のアカウント毎の権限割振りのバリエーションがより豊富になれば良いと思います。例えば、現在は他部署のインテントも更新でき、KPI等も閲覧できるため、このあたりの機能が拡充してくるとより使いやすいシステムになると思います。

 

以上、ありがとうございました。

株式会社KDDIエボルバ: 社内の電話問い合わせを「BEDORE for Microsoft Teams」へ移行し 「電話受付完全廃止」までつなげたサクセスストーリー

インタビュイー

  • 情報システム本部 システム運用部 ヘルプデスクサービスグループリーダー 後藤 恭一様
  • 情報システム本部 システム運用部 ヘルプデスクサービスグループ 佐々木 聖人様
  • ITコンサルティング部 セールスエンジニアグループ 課長補佐 佐々木 健太様
  • ITコンサルティング部 セールスエンジニアグループ 千葉 孝士様(※オンライン参加)

会社概要

  • 事業内容  :コンタクトセンターを中心としたBPOサービス提供
  • 導入サービス:BEDORE for Microsoft Teams
  • 導入目的  :電話による問い合わせ数の削減、社員満足度の向上、パートナーとしての製品知識の習得

課題

  • 問い合わせ電話の件数増加 → 電話応答率の低下
  • FAQサイトの定期的なメンテナンスができておらず、うまく運用〜改善サイクルが回せていなかった
  • 電話対応のため、在宅促進の妨げになっていた

効果

  • 電話による問い合わせ件数が月間50%減少
  • 社内コミュニケーションを電話から、Microsoft Teamsチャット利用の促進に
  • 全社の電話による社内問い合わせ受付を完全廃止し、7月よりMicrosoft Teamsをメインにしたテキストベースの新しい問い合わせ体験を実現

 

会社、ご担当者様の紹介

―会社概要について教えてください。

KDDIエボルバは、BPOサービス提供を主な事業とする「価値共創企業」を目指すKDDIグループ会社です。KDDIグループで培ったノウハウやサービスをもとに、コンタクトセンターを中心としたソリューションサービスをコンサルティングから構築・運用までワンストップで多くの企業に提供しています。デジタルを活用したコミュニケーション社会のDXを推進するアプローチで、クライアント様が事業のコア業務へ集中できるような環境構築やコスト削減、サービス品質維持といった面での支援を行っています。

―皆様はそれぞれどのような業務を担っていらっしゃいますか?

後藤様:私は、システム・ソフトウェア・PC等デバイス関連の社内からの問い合わせを担うヘルプデスクの日々の運用管理および新たな施策や問題点解決に向けた取り組みを行っております。

佐々木(聖)様:私はヘルプデスク運用を担当しています。もともとは電話とメールの対応を主に担当していましたが、現在は管理者側の立場です。今回のBEDORE for Microsoft Teams導入にあたっては、ヘルプデスク側の担当者として関係部署との調整やMicrosoft Teamsとの連携設定作業などを行いました。

佐々木(健)様:私はITコンサルティング部のセールスエンジニアグループに所属しており、PKSHA Workplaceのソリューションをはじめとする製品群の選定や、お客様への提案が主な役割です。御社とは、パートナーとして日々やり取りさせていただいています。

千葉様:私も佐々木(健)と同部署に所属しており、西日本エリアを中心に同様の業務を担当しています。

 

1日100件の電話問い合わせに対する適切な打ち手とは

― 膨大な入電による問い合わせの対応に追われ、応答率の低下が課題に

佐々木(聖)様:いわゆるコールセンターのような体制ではないので、誰かが電話につきっきりになることができない環境です。他の業務対応とも並行して問い合わせに対応するため、入電数が多くなればなるほど問い合わせを取り切れず、応答率が下がってしまうことが課題でした。

後藤様: 電話による問い合わせ件数は、1日あたり平均100件程度、月およそ2,000件にのぼります。その件数をおよそ6名のメンバーで対応しており、ヘルプデスク以外の業務にも担当を割り振っていたので、実質電話対応にあたれていたのは約4名です。

電話をかけてくる方は、何かしらの困りごとがあってわざわざ電話で問い合わせをしています。ヘルプデスクへのつながりにくさに対しては社員からの期待値が下がり、不満が高まる状態となり、なんとか対策したいと考えていました。

― FAQサイトの定期的なメンテナンスが困難…

後藤様:FAQの内容に関しては、日頃から拡充しようと試みてはいました。しかし、手を動かすメンバーのリソースの問題もあり、なかなか思うように進みません。今「できること」と「できないこと」のギャップのようなものを痛感しつつも、定期的な内容の更新ができておらず、どう上手く運用していけるのか、常々考えていましたね。

 

社内向けAIチャットボットの存在を知り、すぐに情シスへ連携

― パートナーとして、まずは社内でドッグフーディングを開始

佐々木(健)様:きっかけは御社からのご提案で「BEDORE for Microsoft Teams」のリリースを知りました。もともとパートナーとして外部のお客様へ販売していた「BEDORE Conversation」等の既存製品が非常に良いことは知っていたため、社内向けのAIチャットボットがでた、という朗報に、非常に期待値が上がりましたね!そこで、問い合わせ件数について課題を抱えている情報システム部へ、私から紹介したという経緯です。導入を決定するまでの期間は1ヶ月程度だったと思います。

後藤様:社内でも導入することに対して、特に反対意見はありませんでした。むしろ社外のお客様に PKSHA Workplaceの製品を提案しているのに、自社のヘルプデスクで利用していないのはどうなのか、という意見も出てきたくらいです。積極的に利用し、我々のお客様にも利用者観点での話ができるようにしていこう、という方向で話が進みました。

 

BEDORE製品の魅力と連携のプロセス

― 「BEDORE for Microsoft Teams」による最大の魅力「有人チャット × ヘルプデスク」

佐々木(健)様:BEDORE for Microsoft Teamsの導入当初、ちょうど弊社内でもMicrosoft Teamsを導入したばかりだったんです。そのため、今後全社的にMicrosoft Teamsを活用していくタイミングでもあり、その中でBEDORE Conversation がMicrosoft Teamsと連携可能、さらにチャットボットが自動応答で解決しきれなかった場合は、個別でシームレスに有人チャットに繋ぐことができるという点は、大きな魅力でした。Microsoft Teamsの画面上で問い合わせのチケット管理もできるので、初めて挙動を確認した時、非常に便利と感動したことを今でも覚えています。

実際の有人チャットによる問合せ対応画面

― Microsoft Teams連携により一気に2,000名へ展開

佐々木(聖)様:弊社にはMicrosoft Teamsのテスト環境がなく、本番環境でしか試せないことが原因で、BEDORE ConversationとMicrosoft Teamsとの連携作業を進めるのに少々苦労しました。
もともとは、第一段階として本部100名に対して個別にアプリを設定し、1週間ほど試験的に運用 → そこで挙動に問題がないことを確認し、第二段階で2,000名に個別設定という段階を踏む予定だったんです。
しかし、当時の上司が「それだと(時間や手間がかかって)大変だろう」と提言してくれたこともあり、一気に全社展開することができました。また、Microsoft側の管理画面の設定について、社内メンバーでも触れる権限の範囲が異なるので、今後もし導入を検討する企業様があれば、管理権限の把握や調整を早めに対応すると、より導入がスムーズになるかもしれません。

  

電話窓口の廃止を決定!新たな社内問い合わせフローへ

― これまで電話で問い合わせていた社員の多くが徐々にチャットボットへ移行

佐々木(聖)様:2022年3月でちょうどリリースから1年になりましたが、電話での問い合わせ減少に明確な効果が現れていますね。現状、入電減少数とチャットボットの利用数がだいたい一致しているので、電話をかけていたユーザーがチャットボット利用に流れたと言えます。

一方で、チャットボットで解決できない個別具体性の高い問い合わせは、変わらず一定数あります。そこに対してどのようなに対応するかについては、まだ課題が残っていると感じています。

― 社内普及を大きく促進した期間限定の電話受付STOP施策

後藤様:社内浸透に向けては、新たにチャットボットサービスを始めることを社内ポータルサイトで告知しました。その後、ボットや有人チャットの利用数が伸びず低迷した時期にも社内告知を繰り返し実施し、利用促進につなげています。今年2月には一時的に電話対応を止めるという施策を実施しました。はじめの一歩は重たいものの、一度使ってみたら「使える」という手応えを感じてもらえたようで、社内からのネガティブな意見はほとんどなく、利用数も日増しに増加していくことでこの施策は効果があったと感じています。電話からチャットへの移行を強制するわけではありませんが、普及という点で、こうした大きなアクションも必要だったのだと思います。

― 7月より社内問い合わせの電話受付を完全に廃止

佐々木(聖):2月に一時的に電話対応を止める施策を実施しましたが、大きな混乱もなく終えられたこともあり、7月より電話受付を完全に廃止することになりました。

電話受付の完全廃止については、オペレータをしていた立場からするとかなりハードルが高い印象でしたが、「チャットボット」→「解決できない案件は有人チャット」という動線が定着したことで実現に至ったと考えています。

また、電話受付の完全廃止のメリットとしてオペレータの研修期間を短縮できるということもあると思います。研修のおおまかな流れは、電話対応の基礎や各種申請の作業などについて半年ほど掛けて行い、業務範囲を狭めた状態で入電対応を開始します。
その後、徐々に業務範囲を広げていきますが、業務範囲全体の電話対応が可能となるまで2年程度はかかっていました。電話対応を無くすことで応対品質などを重視する必要がなくなるため研修期間を短縮できると考えています。今後はオペレータのリモートワーク対応を進めて行く予定です。

 

一時的な電話STOP施策を実施した2月以降の利用数増加
※BEDORE管理画面から月間利用数を確認可

 

パートナー視点で見るBEDORE AIチャットボット

― 日本語認識力の高さ・シンプルな画面構成・改善ポイントの分析結果共有などBEDORE Conversationならではの魅力が満載

佐々木(健)様:PKSHA Workplaceのソリューションは、圧倒的に日本語の揺らぎに強い印象です。お客様への提案時にも、構築や設定に関して、他社製品と比較して非常に簡単と自信をもってお伝えすることができます。

また、管理画面の見やすさも魅力のひとつです。ログインすれば必要な情報がほぼすべて目に入るので、シンプルで使いやすい画面遷移です。パートナーという立場からすれば、こうした利点をアピールしやすいので、とても助かっています。他社比較をした際に「何が違うのか」と疑問に思うお客様に納得していただきやすいですね。

千葉様:導入する前は、正直チャットボットという手法自体に少し構えていました。しかし、実際に触ってみて、こんなに簡単に導入できるのかと良い意味でギャップを感じています。また、チューニングや改善ポイントを分析結果、資料とともに明示してくれるので、改めてユーザーの視点に寄り添ったサービス・プロダクトだと感じます。こうした点はBEDORE Conversationならではの魅力ですし、同時にお客様にアピールできるポイントです。自社活用を通じ、より洗練された提案ができると感じています。

 

全社的にテキストベースでのコミュニケーションへ移行

後藤様:コロナ禍でリモートワークに切り替わったものの、電話対応がネックとなって毎日出社せざるを得ないメンバーがいました。そんな中、思いきって電話対応の削減を決断したことで、リモートワークへの完全移行の可能性も見えてきています。

全社的にも電話からテキストベースのコミュニケーションに切り替えていく方針が立っており、今後ますますチャットによるサポートがメインになっていきます。ヒアリングしないと解決に至らない問題も多いなか、対応する側と問い合わせる側、双方にストレスのない切り替えを今後も模索していく予定です。

KDDIエボルバ様の現状 〜 今後の社内問い合わせ体制

 

最後に一言お願いいたします。

後藤様:「BEDORE for Microsoft Teams」にて長年培ってきた電話対応という大きな音声チャネルからテキストチャネルのみのサポート運用に乗り出しました。今後は、情報システムにかかるヘルプデスクのみならず社内全体の問い合わせ対応を行っている部署にも広げていきたいと考えています。

佐々木(聖)様:導入や日々の運用は大変な部分もありますが、それに見合う効果は十分に実感できています。今後もサポートいただきながらサービスレベルの向上に努めていきたいです。

佐々木(健)様:「BEDORE for Microsoft Teams」の自社導入、運用ノウハウを元に、社内DX推進に悩んでいらっしゃるお客様へご提案をさせていただければと思います。

千葉様:日本企業がいまDX推進をトレンドとして進めているなか、まず社内DXに目を向け、社内のナレッジ共有、社内問合せ対応改善が課題で、どのように対策すれば良いか悩まれている企業、ご相談が増えてきている傾向があります。弊社が取り組んできたリアルな実績を共有し、ソリューション提案として「BEDORE for Microsoft Teams」の認知を広めて行きたいと思います。

 

以上、ありがとうございました。

パナソニック フィナンシャル&HRプロパートナーズ株式会社 - パナソニックグループ全体の問い合わせをTeamsに集約化しAIチャットボットで効率化

インタビュイー

  • ファイナンスセンタープロセスイノベーションDIVワークフォースマネジメント1グループGM:辰巳様
  • ファイナンスセンタープロセスイノベーションDIVワークフォースマネジメント1グループ:野崎様
  • ファイナンスセンターセルマネジメントDIV1グループ:木村様

会社概要

  • 業種     :経理・財務、人事
  • 事業内容   :パナソニックグループの経理・財務、及び業務・人事業務
  • 導入サービス :BEDORE Conversation for Workplace
  • 導入目的   :経理処理社内問い合わせに対する有人対応の削減

導入前の課題

  • 経理処理関連の個別問い合わせが多く業務負荷が大きい。
  • 問い合わせのエスカレーションが適切でないために、たらい回しが起こっていた。
  • 問い合わせがダイレクトメッセージ内で処理されることから業務標準化のヒントが組織に還元されない。

導入後の効果

  • 経費精算のルール確認など簡単な問い合わせ負荷削減
  • 問い合わせ状況を一覧化して問い合わせに対して適切な人がBEDORE Conversation内で対応することによりたらい回しを防止
  • Teams上で問い合わせを見える化したことによって業務標準化のヒントが組織内に還元されるようになった。
  • システム移行に伴う問い合わせ工数700時間自動化(月間)

月間の問い合わせ2,000件を使い慣れたTeamsに集約化

ー 会社概要と皆様がどのようなミッションを担っていらっしゃるのか教えて下さい。

辰巳様:パナソニックグループの国内事業をメインにシェアードサービス会社として、経理財務や人事業務を担っています。私たちは経理業務の組織に属しながら、間接部門の業務プロセス改革に携わっています。ハイレベルな生産性向上の実現をミッションとし、これまでの枠にとらわれずに外部の知見や最新のIT技術を柔軟に取り入れ、ノウハウのレベルアップを目指しています。

ー 課題として挙がった問い合わせ対応の950時間について

辰巳様:パナソニックグループにおいて、経理業務は各事業部や事業会社に根ざしていました。それゆえに業務が属人化し、さまざまな業務プロセスが統一されていませんでした。また、非常に大きなグループであることから、効率化という点で大きな課題がありました。そこでバックオフィス業務の標準化を急務として全社的なプロジェクトが立ち上がり、その中で従業員からの問い合わせ業務の効率化も目指すこととなりました。

従業員からの問い合わせはメールだけでなく電話、ともすれば直接事務所にやってきて尋ねられることも。問い合わせのたびに手が止まってしまい、本来やるべき日々の業務を阻害していました。

そんな中、コロナ禍によって在宅勤務が増え、Microsoft Teams(以下、Teams)の利用が普及しました。メールや電話による問い合わせは減ったものの、その分TeamsにおけるDMでの問い合わせに比重が高まりました。

業務量調査をした際に業務時間の1割ほど、時間に換算して合計すると月間950時間が問い合わせ対応だったということが分かりました。それによって、我々の中で従業員問い合わせの効率化の重要性が高まりました。

ー こだわったのはTeams上でいかにスムーズに有人に接続させていくか

野崎様:社内で最も使われているチャットツールがTeamsだったため、そこに設置できるかどうかは大きかったです。社員が普段から使っているTeams上にチャットボットを入れるのが一番使いやすいだろうと判断し、サービスの選定を行いました。プロジェクトメンバーとともにどんな企業やツールが良いか調べ、最終的にBEDORE Conversationの導入を決めました。

辰巳様:その次に重視したのが有人連携のスムーズさです。全ての問い合わせをAIが解決までできるとは思っていませんでしたので、いかにストレスなく有人連携が行えるかは非常に重要な評価軸でした。

次に重視したのは分析のしやすさです。どういう項目の問い合わせが多いのか、正しく回答できているのかなどの結果が数字で見えることで次の打ち手が出しやすくなるため、この点にも注目していました。また、IT領域に詳しい社員ではなく、いわゆる一般的なユーザーレベルでも分析結果を見て判断できるかという点も評価軸のひとつでした。

木村様:最初にBEDORE Conversationの管理画面を見たときに、グラフで定量的に見える結果を見て、思わず感動してしまいました。次の施策につながるデータがしっかり取れるという点が魅力だと思います。

ー 問い合わせ一覧の見やすさからメンバーのフォローがしやすくなった

野崎様:新規の問い合わせや現在対応中の問い合わせ、さらには誰がどの問い合わせに対応しているかなどの一覧がひと目で分かり、管理のしやすさという点で非常に便利です。メンバーの対応が遅れているなどの確認もしやすく、フォローにも入りやすくなりました。

辰巳様:例えばメールでのやりとりにおいては、同報されていなければ情報が見られなかったり、やりとりが途中で消えていたりといった使いにくさが以前はありました。これはTeamsのメリットでもありますが、全員が同じデータや問い合わせのやりとりを見られるため、フォローする側からも使い勝手が良いと思います。

グループ組織再編によって急増した問い合わせの多くをBEDORE Conversationが自己解決

ー 粘り強く行ったチャットボットへの誘導が多くの利活用を促進した

野崎様:とにかく導入対象となる従業員数が多いので、導入のアナウンスに注力しました。メールの署名欄などを活用し、システム変更の案内を早期に徹底したことは大きく影響していると思います。社内ポータルサイトでもアナウンスし、案内と同時にURLを添付して、クリックするとプリインストール画面へ飛ぶようにするなどの仕組みも作りました。

木村様:正直なところ、導入後でもチャットボットではなく、DMを利用した問い合わせもありました。現在も若干あります。そういった場合には問い合わせには答えつつも、次回からはチャットボットの利用を促すようにしています。短期的に見ればDMで解決したほうがユーザーとしては喜ぶかもしれません。しかし、長期的に見たときにチャットボットに質問してもらったほうがユーザーにとってはより良い改善になると考えていました、そのため、強い意志で「次回からはチャットボットを利用してください」と促すようにしていました。

ー BEDORE Conversation導入によって最大700時間の自動化に成功

辰巳様:実は導入の1ヶ月前に社内システムの刷新がありました。これによって問い合わせが急増することは予想できたので、本当はそのタイミングでBEDORE Conversationを導入したかったのですが、さまざまな事情で叶いませんでした。当時はまだメールベースで対応しており、1日200件ほどの問い合わせが発生し、非常に苦労しました。

一方で、導入後2ヶ月ほど経った頃にパナソニックグループで組織再編がありましたが、その際には非常にスムーズに乗り切ることができました。BEDORE Conversationが自己解決した問い合わせが1ヶ月あたり2,000件弱あったと分析されています。1件あたりの対応時間が20分ほどと仮定すると600〜700時間ほどが効率化できた計算になり、非常に助かりました。

木村様:これまでDMでの問い合わせ業務では個別に対応しており、周りからやりとりが見えず、周囲がフォローに入りにくいという側面がありました。それゆえ、担当する社員はストレスが溜まっていたと思います。しかし、BEDORE Conversationを導入したことで問い合わせが可視化され、対応に困っているメンバーに対してすぐフォローに入れるようになりました。私自身も問い合わせ業務に対し、精神的な安心感が得られるようになったと感じています。

ー 定量的なレポートとスピード感のある開発体制が良かった

野崎様:ありがたいのが、毎月定量的なレポートをいただけることです。私自身、このような社内DXに関するプロジェクトに初めて携わり、何も分からない状態からスタートしたので、一つひとつ教えていただき助かっています。

辰巳様:我々からのさまざまな提案や改善の要望に対し、非常にスピード感ある対応をいただけている点が非常にありがたいと感じています。

木村様:BEDORE Conversation製品を実際に使ってみて、さまざまな課題や意見が出てきました。そういった改善・要望に対してもすばやく対応していただいています。打ち合わせで相談し、次の打ち合わせでは新たな機能が実装されていることもありました。

今後は得られたデータを活用し、さらにハイレベルな生産性の向上を

ー 今後の展望をそれぞれのお立場から教えてください。

辰巳様:実はBEDORE Conversation導入以前に他社のチャットボットを利用していましたが、活用が伸びず、行き詰まってしまった経験があります。今回BEDORE Conversationの導入で、Teamsと組み合わせたことで課題だった問い合わせ業務のDXは実現できたと思っています。今後は問い合わせの対応範囲をさらに拡大し、「チャットボットに聞けば経理に関する疑問はすべて解決できる」レベルを目指したいと考えています。私たちが最終的に目指すのは問い合わせそのものの削減です。日々のユーザーとの会話がログとして管理画面上から確認することができます。その中で、ユーザーから集中して質問が来ているものの、業務プロセスが統一されていないため、属人的な問い合わせ対応にならざるを得ないところがいくつか出てきました。そういった業務プロセスや仕組みの改善を特に進めていきたいと思っています。また、将来的には問い合わせと処理が同時にできるようなシステムにできたらという思いもあります。さまざまなハードルがありますが、諦めずに取り組みたいですね。

木村様:問い合わせ業務に対する課題に対して、これまで年月をかけて改善に取り組んできたものの、なかなかうまくいっていませんでした。しかし、BEDORE Conversationの導入で、そういった状況を打破でき、改善へ向かっていると感じています。先日、入社後2日目の方から手続きに関する問い合わせがあり、「困ったことがあればチャットボットへ」という認知度の高まりを実感しています。

野崎様:今回のプロジェクトメンバーは辰巳を除いて、こういった社内DXの経験がほぼありません。そんな中でも早期の導入につながったのは、きめ細かなサポートをいただけたことが大きな要因だと思っています。改善要望のレスポンスも早く、どんどん新たなフェーズに進めています。とはいえ、まだ導入して日も浅く、これからさらに分析レポートなどを活用していきたいですね。

城南信用金庫-信用金庫におけるコミュニケーションDX-  本店と支店の問い合わせ削減、属人化の解消へ

インタビュイー

※所属、役職名は取材時(2022年4月)のものです。
  • 未来システム戦略室 室長 篠原 稔 様
  • 未来システム戦略室 室次長 高見 真司 様
  • 未来システム戦略室 吉野 瞳 様
  • 人事部 武藤 耕資様
  • お客様部 沢井 歩様
  • 事務統轄部 高橋 留理子様

会社概要

  • 業種:信用金庫
  • 事業内容:預金、貸出金
  • 導入サービス:BEDORE Conversation for Workplace
  • 従業員:2,101名

目的

①営業店からの多数ある事務関連や労務関連等の問い合わせの削減
②営業店、営業職員の自己解決率向上による営業の生産性向上
③問い合わせを受ける「人事部・お客様応援部・事務統轄部、未来システム戦略室」の属人性の解消へ

課題

①事務部門からバックオフィス部門まで、電話問い合わせの業務負荷が高い
②テレワークを実施しているが、固定電話での問い合わせの対応に課題があった
③各部署で、ナレッジが属人化しており、一部の人に相談や問い合わせが集中していた

効果

①自動応答可能な問合せ対応業務をチャットボットへ移行することで、職員の生産性が向上。

よくある問合せをFAQ化し、BEDOREにデータとして蓄積することで、自動応答可能な問合せにかかっていた対応工数の削減が実現。

②問合せに対する回答内容の正確性が向上。

業務の多様化に伴い、職員それぞれが新しい領域に関する知識や既存業務に関する業務キャッチアップが必要であったが、自動応答可能な問合せをチャットボットへ移行することで回答内容の属人性を排除。さらに、空いた時間で人が対応する必要のある業務や問合せに時間を集中的に使うことが出来るようになった。

会社、ご担当者様の紹介

ー 会社概要について教えてください

未来システム戦略室 高見様

弊金庫は1945年の8月10日に、都内の十五の信用組合が合併して誕生しまして、今年で創立77年になります。信用金庫というのは、地域の中小企業やお客様のお役に立つ協同組織になります。弊金庫は金融機関の枠を超えたお客様応援企業として、公共的使命を持った社会貢献企業を目指しております。「困ってる人を助けることが信用金庫の使命」というモットーを掲げまして、お客様が笑顔になっていただけるよう、取り組んでおります。

ー みなさん、どのようなミッション、業務を担っていらっしゃいますか?

お客様応援部 沢井様

お客様応援部の業務は、弊金庫、金融機関業務の内、融資以外の業務を担う部署になっております。たとえば、預金商品や保険商品の運用、法律の対応を行っております。また、個人情報管理の観点や、個別商品のチラシポスターの管理等など非常に幅広い業務を担当している部署になっています。

人事部 武藤様

人事部は、職員の給料や休暇など人事関係の手続きを行っています。新卒採用業務などのほかにも、職員それぞれの家庭環境や働き方を考慮した、個別に親身になって応える業務が多いです。私は採用業務と社会保険業務を中心に担当しています。

事務統轄部 高橋様

事務統轄部は、主に営業店からの事務業務に関する問い合わせや、機器に関する問い合わせに対して回答を行っている部署です。特に事務に関わる内容全般に対応している事務指導課では、6名で全営業店の問い合わせに対応しています。

チャットボット導入の背景

ー 業界内で話題になっていたAIチャットボットによる業務効率化

未来システム戦略室 高見

職員向けのAIチャットボットを導入するにあたりまして、弊金庫の新しい取り組みを企画する未来システム戦略室、室長の篠原が中心となり、特に普段から問い合わせの多い部署である、お客様応援部、人事部、事務統轄部の3部署で検討を開始しました。この3部署からは本部や営業店からの質問を受ける職員が、本当に1日電話から離れられないということも耳にしていたので、何とか改善して他の業務に時間を当てられるのではないかと考えていました。

未来システム戦略室自体は2019年4月に設立されていたのですが、現業が忙しく、なかなかDX推進が出来ていませんでした。そんな時、貴社営業の方から営業を受け、お客様にとって、より利便性の高いサービスやチャンネルを提供するためにAIチャットボットを検討してみることになりました。すでに他の地域金融機関さんのほうで、AIチャットボット導入による利便性向上や生産性向上が図られていることは耳にしておりましたのと、弊金庫内の業務が多様化していたことによる業務の属人化の進行や、在宅勤務の必要性が高まったことも検討開始の理由になります。

ー 過去に他のチャットボットを利用して失敗した経験も

未来システム戦略室 高見

数年前に、他ベンダーの人工知能を使ってチャットボットを試行する、期間限定の「研究会」に参加いたしましたが、導入までに至らなかった、という経緯があります。

そのときに学んだのは、チャットボットを導入して継続的に使用していくためには使いやすさとメンテナンスをしやすいかどうか、日本語を正しく認識できるかどうかが非常に重要だと感じました。

チャットボットサービスの選定

ー 検証期間を通してわかったのは回答精度の高さとメンテナンスのしやすさ

未来システム戦略室 高見

貴社からご提案をいただいて検証期間を設け、2ヶ月でトライアル利用したところ、以前利用していたチャットボットと比較して、回答精度が格別高く、チューニング作業などを始めとしたメンテナンス性のし易さというところがポイントとなり、導入を決定しました。特にBEDOREの回答精度を上げるためのチューニング作業については誰でもわかるレベルのものになっていて、FAQをドンドン追加して成長していくのが実感できました。コロナ禍で今後絶対にチャットボットを通して質問を受け付ける状態になると思っておりましたので、導入をこのタイミングで逃したらいつ入れるのかわからないと思っていました。そのため、とても良いタイミングで検討ができたと振り返って思っています。

事務局 吉野様

チューニング作業について私からも感想をお伝えすると、操作自体がワンクリックで分類できて非常に簡単なのと便利機能が豊富なところが評価ポイントでした。各担当の部署がそれぞれのFAQに対して作業を行うため、部署の方が操作に迷うことなく手軽にログ確認やチューニングできたのが良かったです。

人事部 武藤様

私もチューニングのしやすさというのは強く実感しています。FAQをブラッシュアップしていく必要があると思っています。ちょうど今それを行っている最中になるのですが、このようなFAQを増やしたほうが良いというものをBEDOREが炙り出してくれるので、非常に助かっています。そういった検討材料をBEDOREが提供してくれるので部内でどのFAQを追加するのか検討しやすいのが特に良いと思っています。

リリースまでの構築工程

未来システム戦略室 高見

今回は問合せが多い3部署(お客様応援部、人事部、事務統轄部)を対象にしてスタートしましたが、FAQとしてまとまっているものは一部しかありませんでした。そのため、FAQを作っていく必要がありましたが、多くの人に使ってもらうことを考えたときによくある質問を優先的にまとめる必要があると考えました。そこで、各部署で100個ずつよくある質問をまとめて登録しようという話になりました。

ー 紙での掲示から恒常的に見れるFAQデータベースの作成

人事部 武藤様

人事部では特にはデータベースは無かったです。電話で問合せを受けることが多く、人事に関わることなので個別の相談なども多かったです。そのため、よくある質問をまとめることは難しかったです。ただし、その中でも営業店や他部署から同じような問合せが来ていたため、それを部内で聞いて回りました。それらを今回の取り組みの中で優先的にFAQとして登録しました。人事部としては事務の手引きみたいなマニュアルを対外向けに紙で作成していました。そこに記載されている内容をもとに、「ここはよく電話かかってくるな」という部分を優先的に抜き出してFAQ化していきました。

お客様応援部 沢井様

お客様応援部は、業務の範囲が広いものの、電話でよく受ける質問はおおよそ決まっています。そのため、私一人で考えるのではなく、部内の職員全員に依頼して、それぞれの立場でよくある質問を考えてもらい、まとめていきました。ただ、時間をかけようと思ったらいくらでもかけらえるところだと思っていて、そうはいっても時間が限られていたため未来システム戦略室の力をお借りしてなんとか作成まで漕ぎ着けることができました。

事務統轄部 高橋様

事務統轄部では以前より事務手続きに関する質問に対応していたこともあり、それらをとりまとめ、営業店に書面で周知していました。今回、FAQデーターベースを作成するにあたっては、その書面と各マニュアルと照らし、BEDOREさんのアドバイスを受けて、言葉に統一感を持たせるように意識して作成しました。

ー 利用レポートの発信が職員の興味を引いて利活用を進めた

未来システム戦略室 高見

導入する前は全職員に対して、通知文書を発信したのみでした。ただ、そこから工夫したこととしては、1ヶ月経過するごとに全職員に対してレポートを出して金庫内にアピールしていました。実際にレポートを出した日は、BEDOREへの問合せ数がグンと増えましたね。金庫内への啓蒙活動は大事だなと感じました。今回スタートしたのが3部署で限定的でありましたし、事務統轄部については業務範囲を特定している部署になりますので、BEDOREを使ってみて「この質問の回答がないのでは・・・」と言われたくありませんでした。そのため、チャットボットを開いたらすぐに「こういったことを聞いてください」といった案内画面に表示するようにして工夫していました。

リリース後の感触

ー より業務効率化に向けて金庫内での意識が高まっている

人事部 武藤様

人事部は、事務手続きにおいてBEDOREからの回答を見ながら業務を進められるので、事務手続き関連の問合せが減りました。また、電話が来るとしても「チャットボットをみて分からなかったので電話しました。」という形で、前提情報のベースアップが出来ているのが良いと感じています。また、チャットボット以外のところにも良い影響が出ています。具体的にはコロナに関する問い合わせでの対応です。濃厚接触者になった場合の対応方法は国で定められた標準的なルールがあります。そういったものを緊急でFAQ化して対応していこうといった流れが部内で起こっていました。そういった業務効率化ですとか電話対応を減らしていこうという意識づけが金庫内に生まれているのは良い傾向だと思っています。

ー リリース後、BEDOREの運用管理にどれほどの時間をかけられていますか。

お客様応援部 沢井様

ログ確認やチューニング作業について、毎日は出来ていないですが、週1回の実施だとしても30分程度集中して対応すれば充分対応できる範囲です。通常業務を行っている中で対応しなければならないため、対応できる時間は限られています。そのような中でも対応できる操作の簡単さと手軽さがあるので助かっています。

今後の展望

ー 金庫内外へいち早く展開していき、DX戦略を推し進める

篠原室長

本当に良いご縁を頂いてBEDOREを導入しました。DX戦略というと、システムを活用した業務効率化するのが全てと言われることがありますが、それ以外にもたくさんあると思っています。DX戦略の中の1つの枠として、システムを活用するということがあります。今回せっかく始めた取り組みになりますので、決して無駄にはせず、これからもBEDOREの活用をはじめ、大切に進めていきたいと考えています。ただ、参加しているメンバーも言っている通り、まだまだスタートしたばかりだと思っています。これから全部署にこの流れを広げていって、対お客様向けとして今後リリースする予定のバンキングアプリに今回のAIチャットボットを搭載したいと考えています。その際にはPKSHA Workplace社からは良いアドバイスを頂きたいと思っています。


また、他の信金さんからお問い合わせをたくさん頂いており、「BEDOREはどうですか?」と聞かれることは多いです。その際には「BEDORE良いよ」とおすすめしておりまして、業界全体でこの流れが広がっていくと良いなと思っております。

ー 各部署で目指すのは目の前の業務の効率化と創造的な業務への注力

人事部 武藤様

人事部ではチューニングしながら「やっぱりこういう質問も来るんだな」と日々感じておりますので、そういったものを日々並べていっております。その内容を含めて部内で月1回、業務効率化や今やっている業務の見直しを話しております。その中で、もっとチャットボットの運用をブラッシュアップしていきたいところがたくさん出ています。まだまだ「チャットボット見たけど回答がなかったよ」という電話があるので、そういった問い合わせを減らしていきたいと思っています。

お客様応援部 沢井様

よくある問合せは減らすことが出来たので、今後は個別の相談業務を減らしていきたいと考えています。なかなかFAQ化することが難しい領域になりますが、「こういった質問があったらこのように答えます」というFAQが1つでもできていくと営業店の方々に対して考え方・方針を示すことができるかと思っています。それを営業店の方が見ることによって理解してくれて、結果的に問合せが減るという風にしてきたいと思っています。

事務統轄部 高橋様

今後はチューニングにより回答精度を向上させ、「営業店が使いたい、使いやすい」と感じるチャットボットにしていきたいと思っています。結果電話による問合せ件数が減り、営業店、事務統轄部共に、他に注力したい業務にその分の時間を活用できるようにしていきたいと考えております。

以上、ありがとうございました。