三井住友海上あいおい生命保険株式会社

給付金請求お申出受付を自動化しBCP対策強化と応答率改善を実現

導入サービス PKSHA Voicebot
業種 保険
活用対象 一般ユーザー、社員、オペレーター
導入目的 応答率向上とBCP対策強化
三井住友海上あいおい生命保険株式会社

デジタルイノベーション部(旧成長戦略室) 次長 兼 DI企画・開発グループ長 星 憲博様
保険金サービス部 次長 兼 請求サポートグループ長 白井 佐代子様
保険金サービス部 請求サポートグループ 課長 田中 静江様

オペレーター不足からボイスボットを検討

白井様 私と田中が所属している保険金サービス部請求サポートグループは、保険金・給付金のご請求を承る専門のコールセンターです。お客さまからのお申し出に対して迅速かつ丁寧に受付から保険金・給付金のお支払いまで完結させることが求められています。

星様 私の部門では、全社的なデジタル技術の導入推進役として、各部門におけるデジタル化可能な業務の棚卸しやデジタル技術導入の取りまとめ役を担っています。お客さまの体験価値向上につながる投資を積極的に行っていく方針です。

PKSHA Voicebotを導入することになったきっかけを教えてください。

白井様 コロナの感染拡大により給付金の請求件数も急増しましたが、オペレーターの採用、育成は短期間では難しく、電話が繋がりにくい状況が度々発生しました。 また、緊急事態宣言下における出社制限なども重なり、BCP対策という課題が顕在化してきたのです。

オペレーターの育成で苦労していることは。

白井様 オペレーターは現在販売している商品だけでなく、販売は終了したが、契約が残っている10~20年前の商品についても熟知している必要があります。

田中様 そうした広範な商品知識が必要となるため、研修も高度かつ長期間に亘り、一人でお客さまに対応できるようになるまで、入社から1年以上かかります。新商品の販売や既契約数の増加に伴ってご請求は増加しており、それに対応するための人財育成に苦労していました。

コールセンターを運営する上でのKPIは。

白井様 年間通して応答率90%達成することを目標としています。PKSHA Voicebot導入前はなかなか達成が難しい数字でした

チューニングなしで専門用語を正確に認識

ボイスボットの導入を検討する際、他のDXソリューションも検討されましたか。

白井様 お客さまとオペレーターの会話の自動文字起こしツールは導入済みでした。更に効率化を進めるには電話応答そのものを自動化するほかないため、ボイスボットの検討をはじめました。

ボイスボットはいつから検討されましたか。

白井様 検討を開始したのは2019年の年末でしたが、予算面などで目途が立たず、計画が難航していました。
しかし、星が所属する成長戦略室(現デジタルイノベーション部)に相談を持ちかけたところ、支援を得ることができ、2021年1月からボイスボットによる「入院・手術給付金の請求お申出受付」を開始できました。

星様 白井が事前にPKSHA Voicebot以外に2社と比較検討した結果、PKSHA Voicebot導入により1割ほどのコール削減につながる効果見込みが示されていました。現在の電話番号を変更せずに利用でき、しかもお客さまが待たずに自分の用件を済ませられることは、顧客体験価値の向上になると考え、導入を支援することに決めました。

 チューニングなしで専門用語を正確に認識

PKSHA Voicebotをご選定いただいた理由は。

白井様 クラウドサービスなので初期費用が小さく、システム構築が不要なのですぐに利用開始できたからです。当時ボイスボットはあまり前例がありませんでしたが、トラブルが生じた場合にも軌道修正が図れると思いました。

また、導入後の対話フロー修正が容易にできそうだと感じたことも理由の一つです。完結率を上げていくには、素早く対話フローを修正できることが不可欠だと考えていました。

田中様 音声認識の精度が高かったことも魅力でした。保険金・給付金の請求お申出の際には、医学用語など専門用語が使われることがよくあります。過去に使ってきた音声認識は、専門用語の認識率が低かったり、教師データの準備に時間がかかったりして大変でした。しかしPKSHA Voicebotは、特別なチューニングをしなくても正確に専門用語を認識できたので驚きました。他の音声認識エンジンと比較してかなり精度が高いと感じました。

コロナ禍のBCP対策に貢献

2021年1月の本番導入以来、どのようにご活用いただいていますか。

白井様 はじめは、コールセンターの営業時間内に代理店向けの「入院・手術給付金請求お申出受付」から導入しました。運用の結果、問題なく完結率等の目標が達成できたため、3月からお客さま向けのフリーダイヤルで24時間受付を開始しました。

2021年8月以降、コロナ第5波によりコロナ関連の給付金請求お申出のお電話が大幅に増えてきました。この時点で入院・手術給付金の対話フローで十分実績があったため、コロナ給付金の対話フローを追加することにしました。

田中様 コロナ関連の給付金請求お申出のお電話は、2021年末頃、一時は落ち着きましたが、翌2022年2月以降は、第6波の影響で請求申出が急増しましたので、PKSHA Voicebotを導入していて本当に良かったと思いました。

コロナ給付金の対話フロー追加はスムーズでしたか。

田中様 本当にすぐに追加できました。ボイスボットでヒアリングしたい項目をPKSHAの導入コンサルタントにお伝えしたところ、すぐに対話フローのサンプルを作ってくださいました。結局、コロナ給付金のフロー追加を決めてから2週間程度で受付開始できました。

平均応答率が目標を超える水準に

PKSHA Voicebot導入によりどのような成果が出ていますか。

白井様 KPIである応答率を見ると、2021年4月〜2022年2月末までの応答率は平均で90%を超えています。コロナの第5波と第6波の時期はお電話が急激に増えてしまい、応答率が落ちてしまったのですが、その時期を除けば応答率は約95%に達しました。

田中様 対話フローの完結率は、2021年1月の開始直後は55%程でしたが、すぐに向上し、現在では76〜77%程になっています。当初の効果見込みであった入電数の1割削減も実現しています。

白井様 PKSHA Voicebotでの受付開始当初はオペレーター3人程度でボイスボット受付後の登録作業をしていましたが、RPAを導入することで30分〜1時間程度で完結できるようになりました。

 平均応答率が目標を超える水準に

音声認識データの正確性はどのように担保していますか。

田中様 折返しの電話が必要になるのも10%以下で、ボイスボットがうまく聞き取れていないがために聞き直しをすることはほとんどありません。

その他、定性的な効果はありましたか。

白井様 簡易な受付業務をボイスボットが担うことでオペレーターの対応件数が抑制され、今まで以上にお客さま第一の寄り添った対応が可能になりました。結果的に、顧客満足度、従業員満足度が相互に向上する良いスパイラルが回り始めたと感じています。

PKSHAのサポートはいかがでしたか。

田中様 効果的な対話フローのノウハウをご提供いただき、完結率の向上につながりました。こういう内容をヒアリングしたい、とお尋ねすると、「その場合はこういう聞き方にすると良いですよ」といった具合で、素早く的確な回答をいただけました。

お客様の反応はいかがですか。

田中様 お客さまアンケートの結果を見ても、PKSHA Voicebotによる自動応答を非常に高くご評価いただいています。ボイスボットに対するネガティブな回答はほとんど見られず、「AIでスムーズに対応できてよかった」といったポジティブなお声をいただいています。

お客様の反応はいかがですか。

容易に導入できるのでまず使ってみるべき

今後どのような改善を検討していますか。

白井様 ご高齢のお客さまがスマートフォンを持つようになり、キーパッドを上手く出せないためにIVRを使えていないのではないか、と考えています。音声操作できるIVRのように、さらにご利用いただきやすいように改善していきたいですね。

PKSHA Voicebotの導入を検討している方に、メッセージをお願いできますか。

白井様 簡単に利用が始められますし、途中で軌道修正をすることもできますので、「まずはやってみましょう」とお伝えしたいですね。当社内でも本当にボイスボットで完結できるのかという不安はありましたが、今ではそうした心配もなくなりました。今後は様々な場面でAIと会話する機会が増えると思いますので、心理的な抵抗はどんどん減っていくのではないでしょうか。

田中様 これまでいろいろなAIソリューションを使ってきて、PKSHA Voicebotの導入についても「準備が大変なのかな」と気構えていたのですが、そうした心配は杞憂でした。準備はほとんど要りませんでしたし、サポートもとてもしっかりしています。まずはやってみることをお勧めします。

社名 三井住友海上あいおい生命保険株式会社
事業内容 生命保険業
設立 1996年(平成8年)8月8日
従業員数 2,441名(2022年6月1日現在)
URL https://www.msa-life.co.jp/

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