京都銀行

行内外に全面導入 – 京都銀行のコミュニケーション改革によるDX –

導入サービス PKSHA Chatbot
業種 銀行
活用対象 一般ユーザー、社員
導入目的 電話による問い合わせ削減、全社の生産性向上、顧客接点の拡大
京都銀行

イノベーション・デジタル戦略部 日野様
イノベーション・デジタル戦略部 辻本様
事務統轄部金融商品管理室 居場様
事務統轄部金融商品管理室 渋谷様
国際営業部 野田様

会社、ご担当者様の紹介

会社概要について教えてください

イノベーション・デジタル戦略部 辻本様 京都市に本店を置く地方銀行で、今年で創立80周年を迎えます。創立以来、一貫して「地域社会の繁栄に奉仕する」を経営理念に掲げ、地域金融機関として地域のお客さまとともに歩んでまいりました。これまで築き上げてきた広域営業ネットワーク内の法人・個人のお客さまが抱える課題に対して、金融のみならず、幅広い方面から解決に導く総合金融ソリューション業へと事業領域を展開するべく、各種施策に取り組んでいます。

 会社、ご担当者様の紹介

みなさん、どのようなミッション、業務を担っていらっしゃいますか?

イノベーション・デジタル戦略部 日野様 イノベーション・デジタル戦略部は2019年6月に創設された組織で、デジタルを活用した金融サービス・商品の企画・提供や、行内の生産性向上に向けた諸施策を担当しています。メンバーには、行内でも珍しい、他行のデジタル部門に出向経験のある者や大手システムベンダからの出向者、行内応募で配属された若手行員など、多様な感性、経験をもった行員が集まっています。

国際営業部 野田様 国際営業部では、営業と事務の2つのミッションがあります。営業に関しては、外国送金や輸出入取引などの外為取引の取込みやお客さまの海外ビジネスのサポートなどから、国際業務の収益向上につなげています。事務に関しては、外為事務の本部集中部署として、外国送金や輸出入取引などの事務を当部にて対応しています。海外に駐在する者などを含めると総勢60人ほどの行員が所属していて、その中で私は外為業務の企画・管理を行うとともに、部内のデジタル化・業務効率化を担当しています。横串でデジタル推進をしていくイノベーション・デジタル戦略部が柱となりながらも、現場の細かな状況に応じて対応ができるよう、各部内にもデジタル化を促進する役割があるといった組織構成です。

事務統轄部金融商品管理室 居場様 当室は、預かり資産取引に係るミドル・バックの役割を担っており、主に投信や保険、金融商品仲介業務といった金融商品の勧誘・販売時におけるルールや取扱手続きを定め、それらに付随する管理を行うとともに、投信受注等に対応した業務を行うセクションです。

みなさん、どのようなミッション、業務を担っていらっしゃいますか?

PKSHA Chatbot導入前のきっかけ

当時、どのような点に課題を感じていましたか?

イノベーション・デジタル戦略部 日野様 弊行では、2020年4月から第7次中期経営計画をスタートし、デジタル戦略として「すべてのお客さまとデジタルでつながること=デジタルコネクト」を掲げ、①業務・事務手続のデジタル化、②銀行が提供するサービスのデジタル化、③お客さまのデジタル化 の3つのデジタル化を進めています。この一環として、本部各部門の生産性向上を目的に、本部業務のデジタル化、効率化を進めてきました。具体的には、本部各部の業務を整理し、約80程度の業務に対してそれぞれの効率化に向けた施策を考えました。その中で電話対応の負荷が相当高いということが分かり、部署によっては一日に営業店から数百件の電話がかかってくる状況だったんです。弊行の場合、お客さまからの電話を一手に対応する電話受付センターもありますが、そこでも一日あたり多い時で3,000件ほどの問い合わせがあり、センターで対応しきれないものは各支店に流れてしまうこともありましたね。

国際営業部 野田様 国際営業部でも、電話による問い合わせ数の削減が大きな課題となっていました。他の作業途中で電話対応をしてしまうと進捗度合いが分からなくなり、対応済みの作業であっても行き来しながら進めることになり、それが原因で作業効率が悪くなってしまう。事務には正確性や作業スピードを求められるものの、こういった状況だとミスも起こりやすくなり生産性も落ちてしまうため、チャットボットを導入し、すぐに答えが出せるシンプルな質問はチャットボットに対応してもらいたいという思いが以前からありました。

PKSHA Chatbot導入前のきっかけ

導入前、問い合わせ削減目的で使っていたツールはありましたか?

事務統轄部金融商品管理室 居場様 元々、当室では、営業店からのよくある質問に対する回答を確認できるFAQをイントラネット上の掲示板に公開し、営業店で使っていました。ただ、単一の単語を検索する仕組みであったため、多数の検索結果がヒットする場合は、その中から適切なものを探すのに時間を要するものであったと感じていました。そのため、複数のキーワード検索や文章での検索に対応できるソリューションがあれば良いと思っていたことに加え、チャットボットでは、複数の部署が共通のプラットフォームを使ってFAQを作成・管理ができ、利用者も1つの入り口から利用できるなら利便性が高く、効率的であると考えたことが導入を後押しする大きなきっかけだったと思います。

チャットボットに焦点を当てた理由

ソリューションとして、なぜチャットボットに焦点を当てられたのでしょうか?

イノベーション・デジタル戦略部 日野様 上述の通り、本部全体の効率化のために現状の業務分析をしていく中で、「電話対応にかかる工数」が特に目立っていたので、ここをどうしていくか考えていました。 もちろん電話の問い合わせ対応も大切な業務の一つではあるのですが、さらに力を注ぐべき業務へ人員配置していきたいという思いもあり、外部のコンサルティング会社と相談した結果が、チャットボットの導入でした。電話以外の窓口を設けることで、電話での問い合わせ自体を減らし、対応の工数削減をしていけるのでは、と感じていました。チャットボット以外のソリューションだと、RPAの導入なども進めました。

チャットボットに焦点を当てた理由

選定について

どのような流れでサービスを選定していかれましたか?

イノベーション・デジタル戦略部 辻本様 チャットボットを扱う多数の企業様の中から、気になる企業様を複数に絞って資料を取り寄せたり、実際に話をお伺いする機会を設けました。最終的に4社まで絞った後、各社における操作検証とプレゼンをしていただき、参加した本部各部の担当者の意見をまとめ、最終決定をしました。

PKSHA Chatbotに決めていただいた理由を教えていただけますでしょうか?

イノベーション・デジタル戦略部 辻本様 大きく分けて、①回答精度、②管理画面の使いやすさ、③サポートの手厚さ、④金融機関での実績の4点です。回答精度については、利用開始時点で正答率90%といった、他社と比較して高い水準でした。

PKSHA Chatbotに決めていただいた理由を教えていただけますでしょうか?

国際営業部 野田様 導入後、多くの場面で使ってもらえるチャットボットにしていくためにも、「精度」に関しては特に重視していました。PKSHA Chatbotの場合、ユーザーの幅広い表記ゆれや言い回しに対応できるよう、あらかじめ5500万語のデータが登録されており、他社と比べても圧倒的でした。こちらでわざわざ辞書登録をしなくてもある程度正しく回答されるので、管理者側の負担も少なく、とても良いと思いました。

イノベーション・デジタル戦略部 日野様 実際にテスト環境をお借りして弊行のFAQを登録させていただきましたが、その際どれほど正しく回答できるのかテストをしたところ、正答率が90%ほどで非常に高かったですね。

「②管理画面の使いやすさ」については、一画面内で分析結果を確認でき、利用者側・管理者側ともに簡単に操作できる点が良かったです。
「③サポートの手厚さ」に関しても、導入時どのように登録FAQを増やしていくか、そして導入後の運用をしっかりサポートしてくれるか、といった点を評価させていただきました。
「④金融機関での実績」においても、PKSHA Chatbotの場合、すでに第一生命様やみずほ信託銀行様のような金融機関でも実績や成功事例がありましたので、他社と比較をさせていただき、トータルで見て、PKSHA Chatbotに決めました。

選定について

リリースまでの流れ

サービス選定からリリースまでの流れをお聞かせいただけますでしょうか?

イノベーション・デジタル戦略部 辻本様 6月に行内向け、8月にお客さま向けの利用開始ができるよう、当部が中心となり各部と連携しながら進めました。
まず、問い合わせが多く、以前からFAQをイントラネット上の掲示板へ掲示している2部署(国際営業部、事務統轄部 金融商品管理室)と一部の営業店を対象に試行を実施し、残りの部署にはその間にFAQの作成をしていただきました。その後、POCでの使用感等を受け、予定通り6月に行内での本格利用を開始しました。
また、並行してお客さま向けのFAQの作成を各部で行い、8月に行われた京銀アプリのリニューアルのタイミングでHPやアプリへリリースを行いました。

特に苦労した点や、逆に想定よりもスムーズに行えた点があれば教えてください

イノベーション・デジタル戦略部 日野様 苦労した点は、システム導入にあたっての環境整備です。行内システムと連携する形でクラウドサービスを導入することが初めてだったので、ネットワークやセキュリティを整え、担保するのが大変でした。あとは、FAQの準備です。元々FAQがなかった部署もあったので、今回の導入にあたって、一定期間内でFAQを一から作成する必要がありました。

国際営業部 野田様 国際営業部では従来からFAQを活用していましたが、Wordで管理をしていました。これを今回チャットボットにFAQを登録する際に、Excel上で質問と回答をそれぞれ記載していく作業があったのですが、Excelで形を整えさえすれば、一括登録することができ、また回答がしっかり返ってくることをユーザー視点で確認できたので良かったと思います。

事務統轄部金融商品管理室 渋谷様 当室では既存のFAQをPKSHA Chatbot内に移行するという作業が発生しましたが、口調や語尾を整えるくらいで、必要な設定は非常に簡単でした。そのため、全くストレスなく作業することができ、そこまで大きな負担はなかったと思います。

事務統轄部金融商品管理室 居場様 他に良かった点としては、チャットボットの準備中に発生した、新しい事務の取り扱い変更に関しても、FAQを前もって登録できたので効率的な対応が可能と感じました。

特に苦労した点や、逆に想定よりもスムーズに行えた点があれば教えてください

リリース後の成果について

導入後の効果について教えてください

国際営業部 野田様 リリースをしてから行内向けは3か月、お客さま向けは1か月が経過していますが、行内からの問い合わせの電話数は2割程度減っているように感じております。

問い合わせ2割減…! その他に感じている導入効果はありますか?

事務統轄部金融商品管理室 居場様 休日営業の店舗は、本部へリアルタイムでの問い合わせができず、お客さまへの回答を先送りにしていたこともあったのではないかと思います。チャットボットの導入により、本部が稼働していない時間帯であっても照会先ができたのは大きな変化だと思います。
また、どんな質問がされているのか現場の声を確認できるので、それに応じたFAQの追加を随時していかなければと感じております。

リリース後の成果について

イノベーション・デジタル戦略部 日野様 ちなみに、お客さま向けチャットボットは、ちょうど京銀アプリのリニューアルと同タイミングでリリースしたんです。その際、アプリのリニューアル関連のFAQを登録することで、タイムリーにお客さまからの問い合わせに対応することができました。これはチャットボット導入前のよくある質問集ではできなかったことだと実感しました。
また、現在行内向けチャットボットは、、従業員4,000人を対象に、本支店・本部の約2,500台の端末から利用できるような状況になっています。

リリース後の成果について リリース後の成果について

現在の運用状況について

現在の運用状況について教えてください

国際営業部 野田様 一日大体20〜30件のチャットのログを見ながら、AIを賢くしていくためのチューニング作業を進めています。誤答を返した会話ログがチューニング対象ですが、そこまで数が多くなく、作業自体も1つのログに対してワンクリックで終わるものなので、全ての会話ログを見る余裕もありますね。どんな質問があるのか、どういった表現で質問をしてくるのか等確認をしながら、質問者の傾向を見つつ、新しい気付きを得ています。

事務統轄部金融商品管理室 居場様 当室では分担を決め、実際の質問に対してAIがどう返答しているのかを確認しています。管理画面から登録した個々のFAQの貢献度等はデータとして還元されるので、それが高まっていることが実感できるのも管理側としてはモチベーションが上がります。

国際営業部 野田様 チューニングをしている中でも、外為取引関連で、「この質問の仕方でAIはこの回答を返せるのか」と驚いたことがありました(笑)

現在の運用状況について

今後の目標や展望

その他今後の展望や展開予定について教えてください

イノベーション・デジタル戦略部 日野様 まだ全ての業務部門にチャットボットを導入した訳ではありませんし、FAQを作成していない業務関連の問い合わせもあります。今後は行内向け、お客さま向けともにFAQを一層充実させ、日々の業務関連や一般的な問い合わせはチャットボットが網羅的に解決してくれるようなものにしていきたいです。そして将来的には、問い合わせの手段として電話ではなくチャットボットの存在が当たり前になっていくような文化になればいいなと感じています。

国際営業部 野田様 国際営業部では、とにかく日々のチューニングをしっかりと行い、FAQの質・回答精度を高めて、電話による問い合わせ数を減らすことに注力していきたいです。そして、これまで問い合わせ対応に割いていた時間を、企画業務や国際業務の収益を上げる動きに充てていければ理想的ですね。

事務統轄部金融商品管理室 居場様 当初の導入目的である電話対応の負荷を減らし、またお客さまの満足度の向上につながるよう、随時FAQの追加を図っていくとともに、正答率も上がるようFAQの内容も工夫をしていきたいと思っています。

以上、ありがとうございました。

今後の目標や展望
社名 京都銀行
事業内容 銀行業
創立 1941年(昭和16年)10月1日
従業員数 3,396人
URL https://www.kyotobank.co.jp/

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